田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道低山紀行 80 シャクナゲ岳

2017-10-17 18:17:14 | 北海道低山紀行 & Other
 登山路の前半から中盤の状況を見て「これは楽勝!」と思ったのだが、そうは問屋が卸してはくれない。頂上直下の大きな岩が立ちはだかる急斜面の連続に音を上げながらも、眺望の素晴らしい山頂に立つことができた。 

      
      ※ 昨日のブログで掲載したパノラマ版です。四つの山が見事に重なって見えます。 

 この日(10月16日)、寝不足ながらも早起きし、およそ2時間半かけて、登山口となる「神仙沼レストハウス」の駐車場についたのは午前7時過ぎ、駐車場には一番乗りだったが、直ぐ後に男女のペアの車が停まった。
 登山準備をし、午前7時25分空気がひんやりする中、登山を開始した。天気は快晴である。

               
               ※ 朝7時過ぎの「神仙沼レストハウス」の駐車場です。私の車の他、もう一台が…。

               
               ※ 神仙沼に至る木道がシャクナゲ岳の登山口でもあります。

 最初は木道が続く。コースから少し外れるが「神仙沼」に寄ることにした。神仙沼は池塘を配した高層湿原(神仙沼湿原)の奥まったところにあった。以前来たときは沼の中から水草が顔を出し、必ずしも美しいとは思えなかったのだが、今回は水草もそれほど目立たなく、なかなか神秘的に見えた。

               
               ※ 神仙沼湿原には、池塘が配され黄葉した黄金色の水草が湿原を染めていました。

               
               ※ 空を映した神秘的な神仙沼が静かに佇んでいました。

 神仙沼から20分ほどゆくと「長沼」が現れた。特に感動するほどの沼ではないが、長沼の対岸にはチセヌプリが屹立していて一幅の絵といった感じである。
 長沼までは道は比較的整備されていたが、長沼からは本格的な登山道という感じワイルドな道に変わった。
 閉口したのはぬかるんだ道である。この時期は、道が凍ったり、融けたりを繰り返すのだろうか、ちょっとしたところは全体がぬかるんでいて、そこを避けて通るのが大変だった。

              
              ※ 周辺には、神仙沼、長沼、大沼、シャクナゲ沼と多くの沼があり、沼巡りのコースもあるようです。

              
              ※白樺の木はすっかり葉を落としていました。

              
              ※ 長沼と、その向こうに聳えるチセヌプリの山容です。逆光なのがちょっと残念です。

              
              ※ ご覧のようなぬかるみがいたるところに見られて、私を悩ませました。 
              
 傾斜はそれほどでもないのだが、何せ道がワイルドで、岩が転がっていたり、立木が道を塞いでいたり、と変化に富んでいた。
 それでも徐々に、徐々に高度を稼いで登り続けた。
 長沼から45分後、頭上を覆う立木がなくなってきたと思ったら、カムイヌプリとシャクナゲ岳に分かれる分岐点に着いた。
 分岐点からはこれから登るシャクナゲ岳、2013年に登った経験のあるチセヌプリがくっきりと見えた。だから、登山口からここの分岐までは2013年に一度登ったことのある経路だった。
 この分岐点から先、シャクナゲ岳山頂までが初めての道となる。

               
               ※ 分岐点が近い岩場です。写真の上から朝日が射してきているのが分かります。
              
               
               ※ 分岐点の表示ですが、雨風のために表示の文字は消えていました。傍に別の案内がありました。

               
               ※ 分岐点から見たチセヌプリの山頂です。山頂は写真通り平らに広がっています。

               
               ※ こちらはこれから登るシャクナゲ岳です。左側のピークと思われます。

 分岐点からは尾根歩きのようななだらかな道が続き、「この調子では楽勝だな…」と思い始めていた。
 ところが!!ちょうど「シャクナゲ沼」との分岐点を過ぎたあたりからだったろうか?大きな岩が積み重なった急斜面が現れた。一つ一つの岩を乗り越えるのが大変だった。中には段差が大きすぎて、コンパスの短い私の脚ではどこに足をかけていいのやら、二度、三度と思案の末になんとか乗り越えたところもあった。

               
               ※ 急斜面が始まる前に撮ったシャクナゲ岳の山頂です。            

                    
                    ※ 頂上直下では、このような岩場が次から次へと現れ、私を悩ませました。

               
               ※ 岩場の陰には前夜降った(?)みぞれが融けずに残っていました。             

               
               ※ こんな大きな岩場をどう乗り越えるか、二度、三度と試行錯誤を繰り返しました。

 正確に時間は測っていなかったが、そんな岩山と格闘すること30分(?)、岩山の途中で私を軽~く追い抜いていった若い人に迎えられ、シャクナゲ岳山頂に立った。
 眺望は360度遮るものがない最高の眺望だった。私が判別できた山は、目国内岳、今年9月に登った昆布岳などだったが、羊蹄山、アンヌプリ、イワオヌプリ、チセヌプリの四つの山が重なって見える光景には感激した。
 また、よく見てみる海岸線が私の眼の中に入った。なんと日本海、そして岩内町の街並みも望むことができた。

               
               ※ 山頂標識がちょっと曲がっていますね。強い風のせいですかね??

               
               ※ 山頂が尖っているのが特徴の目国内岳です。(いつか登ってみたい!)

               
               ※ ちょっと遠くに特徴のある山頂の昆布岳が望めました。

               
               ※ 山頂からは日本海、そして岩内の街並みも望めました。

 山頂滞在は20分、もっとゆっくりしたい気持ちもあったが、後続のカップルが狭い山頂で仲良くされるところに長居するのも無粋と考え腰を上げた。
 帰路、これもコース外になる「シャクナゲ沼」に寄ってみた。長沼同様、沼越しに見える目国内岳の尖った山頂が象徴的だった。(いつか登らねば…)

               
               ※ シャクナゲ沼の向こうに目国内岳の山頂が望めます。

 かかった時間を見ると、登山も、下山も同じ時間かかっている。帰路「シャクナゲ沼」に寄ったこともあるが、大きな岩を降りる際、足腰の弱った老人にはことのほか慎重にならざるを得ないことと、ぬかるんだ道で登山靴の底に付いた泥のために滑りやすくなっていたため、これも慎重な下山となった結果のようだ。ということで標準時間よりなんと50分もオーバーして下山したことになる。
 まあ、仕方がないですね。安全第一ですから…。

【シャクナゲ岳(長沼コース) 登山データ】
標 高  1074m (標高差 323m)
駐車場  国道66号線上に「神仙沼レストハウス」があり、そこに大きな駐車場有り     
行 程  《グランドシニアの足とお考えください》
     登山口→(15分)→神仙沼→(20分)→長沼→(45分)→チセヌプリ分岐→(50分)→シャクナゲ岳山頂→(30分)→シャクナゲ沼→(40分)→チセヌプリ分岐→(40分)→長沼→(20分)→登山口
時 間  上り(2時間10分)  下り(2時間10分) ※ 登山時に神仙沼、下山時にシャクナゲ沼に立ち寄った時間も含めて
天 候  快晴、風無し
登山日  ‘17/10/16