エゾシカと森林にまつわるエトセトラ…。しかし、タイトル名にも“親子”とあるとおり、私としては物足りなく感ずるところがないわけではなかったが、それなりに楽しませていただいた二日間だった。
※ 会場となった道民の森神居尻地区のコテージ「せせらぎ棟」です。5月~10月まで開館とのことです。
9月30日(土)~10月1日(日)の二日間にわたって、道民の森神居尻地区のコテージ「せせらぎ棟」を会場に表記イベントが開催され参加してきた。
主催は、NPO法人「エゾシカネット」というところである。
詳しい内容を承知していたわけではなかったが、道民カレッジの連携講座だったことと、
最近エゾシカ肉の利用に関して耳にすることが多くなってきたので、その実際を知りたいと思ったことが受講の動機だった。
※ 開会の挨拶をするNPOエゾシカネット理事長の水沢裕一さんです。
「エゾシカと森林」なるほど!親子体験ツアーの主なプログラムは次のとおりだった。
① エゾシカに関するレクチャー(その実態と肉利用の実際について)
② 道民の森神居尻地区内の森林探索
③ アカエゾマツ人工林の枝打ち作業体験
④ シカ角を利用した工作
⑤ シカ肉調理&シカ肉BBQ
⑥ 交流会(絵本読み語り他)
⑦ 朝の林間散歩
⑧ 植樹体験
というような豊富なプログラムだった。
参加して分かったことだが、このイベントはNPOエゾシカネットと道民の森を管理する道林務局のスタッフが担当を分担して開催しているようだった。
その役割分担は①、④、⑤、⑥がNPOエゾシカネット、②、③、⑦、⑧を道林務局がそれぞれ担当していた。
そこで前編として、NPOエゾシカネットが担当した分野について、レポし、その感想を綴ってみようと思う。
※ エゾシカのあれこれについてレクチャーする中学教師の宮崎さんです。(シカ角制作の指導も担当)
①のエゾシカについてのオリエンテーションであるが、エゾシカネットの会員であり、中学校の美術の教師という方が説明された。
エゾシカの生態、歴史、頭数の目安、なぜ増えたのか、さらにはエゾシカの害について、そして対策と、コンパクトに分かりやすく説明された。
最後に私見だがと断りながら、エゾシカ問題をきっかけとして考えたいこととして、エゾシカが減ったり、増えたりしてきたが、それは結局人間が自然界の生態系における食物連鎖の頂点にあり続けた結果として、エゾシカを増やしたり、淘汰したりしてきた経過がある。つまり人類も生態系の一部であるということを自覚することが必要である。私たちは他の生物の命を奪わなくては生きられない現実を直視しながら、奪った命に敬意と感謝を抱くことが必要ではないか、ということだった。
エゾシカを食用とすることに対して、賛否両論があるかもしれないが、私は現在のところ講師の方が言われることに賛意を示したいと思った。
※ 真剣にシカ角のアクセサリー作りに取り組む道民カレッジでよく顔を合わすHさんです。
続いて、シカの角を利用したアクセサリー作りである。
この講座も中学校の美術の教師が担当した。授業でも生徒に作品を作らせているようで、細工の道具、アクセサリーにする小物など豊富に準備してくれた。
参加者は夢中になって作品づくりに取り組んでいた。私も角の一部を切り取り、懸命に磨きをかけながら、ありふれた作品を作ってみた。
シカの角は、上手に磨けばピカピカに光り輝くことを知った。(私の作品はあまり輝いてはいないが…)
※ 私が仕上げたアクセサリーの小物3点です。
そしてメイン(?)のシカ肉の調理&シカ肉のBBQである。実は調理の方はほとんどをスタッフの方がやってくれていて、私たちが手を加えることはほとんどなかった。
講師である調理師の方から、シカ肉についてのレクチャーがあった。それによると、最近はシカ肉の質の向上のために、シカを生け捕りして一定期間(約1年間)養鹿場で飼育した後に出荷するようにしているということだ。私たちが今回食したのも、知床の養鹿場で飼育したシカの肉ということだった。シカ肉は高タンパク、低脂質、ミネラル豊富な食品なので、積極的に調理に使用してほしいとのことだった。
※ 調理を担当された調理師の渡辺さんです。シカ肉についてのレクチャーをしてくれました。
さて肝心のBBQであるが、コテージの戸外に設けられたBBQ場で行われた。食した部位は内もも肉(焼肉に最適な部位)だったが、調理の際に適度な味付けがなされた肉はなかなか美味しいものだった。あまり焼き肉が得意でない私だが、かなり食させてもらった。
※ シカ肉の内もも肉の塊です。これから細かく分けて、味付けをします。
※ 内もも肉を分けて味付けしたものです。これから網に載せて焼きます。
※ BBQの全体の様子です。山の夕暮れはすこし肌寒かったですね。
※ ちょっと近寄って。BBQにはシカ肉以外にも、ホルモンやジンギスカンも用意されていました。(アルコールはなし!)
それより美味しいと感じたのは、翌朝の朝食に用意されたエゾシカのローストだった。クロワッサンに挟む形のサンドイッチで食したのだが、これがことのほか美味しかった。
いずれにしても、以前は「シカ肉はくさい!」と敬遠していた向きがあったそうだが、今は家畜の肉同様の処理方法がとられることにより、他の肉同様にさまざまな肉料理に応用できるということだった。
※ 翌日の朝食で食したクロワッサンに挟んだエゾシカローストが絶品でした。
最後に交流会についてである。このプログラムもスタッフの方がいろいろと準備されて楽しいひと時だった。絵本の読み語りは絵本をスクリーンに映し出し、読み手の工夫も加わって、大人も十分に楽しめる構成になっていた。もちろん、参加した子どもたちも無駄話などせずにお話の世界を楽しんでいるようだった。
※ 交流会を盛り上げようと張り切る三人娘(??)
※ 絵本の詠み語りを聞く参加者たちです。
※ スクリーンに映し出された絵本です。左側に読み手がいるのですが、見えませんね。
※ 交流会の最後にじゃんけん大会でチャンピオンになったお子さんです。帽子は主催者が用意。
NPOエゾシカネットは起ち上げてから2年半ということで、まだまだ発展途上だと、代表の方が言っていたが、それぞれが持ち場で一生懸命自分の役割を果たそうとしている姿に接することができたことは嬉しかった。
※ 参加者に配布されたエゾシカジャーキーです。
北海道におけるエゾシカ問題について、明日少し考えてみたい。(後編に続く)
※ 会場となった道民の森神居尻地区のコテージ「せせらぎ棟」です。5月~10月まで開館とのことです。
9月30日(土)~10月1日(日)の二日間にわたって、道民の森神居尻地区のコテージ「せせらぎ棟」を会場に表記イベントが開催され参加してきた。
主催は、NPO法人「エゾシカネット」というところである。
詳しい内容を承知していたわけではなかったが、道民カレッジの連携講座だったことと、
最近エゾシカ肉の利用に関して耳にすることが多くなってきたので、その実際を知りたいと思ったことが受講の動機だった。
※ 開会の挨拶をするNPOエゾシカネット理事長の水沢裕一さんです。
「エゾシカと森林」なるほど!親子体験ツアーの主なプログラムは次のとおりだった。
① エゾシカに関するレクチャー(その実態と肉利用の実際について)
② 道民の森神居尻地区内の森林探索
③ アカエゾマツ人工林の枝打ち作業体験
④ シカ角を利用した工作
⑤ シカ肉調理&シカ肉BBQ
⑥ 交流会(絵本読み語り他)
⑦ 朝の林間散歩
⑧ 植樹体験
というような豊富なプログラムだった。
参加して分かったことだが、このイベントはNPOエゾシカネットと道民の森を管理する道林務局のスタッフが担当を分担して開催しているようだった。
その役割分担は①、④、⑤、⑥がNPOエゾシカネット、②、③、⑦、⑧を道林務局がそれぞれ担当していた。
そこで前編として、NPOエゾシカネットが担当した分野について、レポし、その感想を綴ってみようと思う。
※ エゾシカのあれこれについてレクチャーする中学教師の宮崎さんです。(シカ角制作の指導も担当)
①のエゾシカについてのオリエンテーションであるが、エゾシカネットの会員であり、中学校の美術の教師という方が説明された。
エゾシカの生態、歴史、頭数の目安、なぜ増えたのか、さらにはエゾシカの害について、そして対策と、コンパクトに分かりやすく説明された。
最後に私見だがと断りながら、エゾシカ問題をきっかけとして考えたいこととして、エゾシカが減ったり、増えたりしてきたが、それは結局人間が自然界の生態系における食物連鎖の頂点にあり続けた結果として、エゾシカを増やしたり、淘汰したりしてきた経過がある。つまり人類も生態系の一部であるということを自覚することが必要である。私たちは他の生物の命を奪わなくては生きられない現実を直視しながら、奪った命に敬意と感謝を抱くことが必要ではないか、ということだった。
エゾシカを食用とすることに対して、賛否両論があるかもしれないが、私は現在のところ講師の方が言われることに賛意を示したいと思った。
※ 真剣にシカ角のアクセサリー作りに取り組む道民カレッジでよく顔を合わすHさんです。
続いて、シカの角を利用したアクセサリー作りである。
この講座も中学校の美術の教師が担当した。授業でも生徒に作品を作らせているようで、細工の道具、アクセサリーにする小物など豊富に準備してくれた。
参加者は夢中になって作品づくりに取り組んでいた。私も角の一部を切り取り、懸命に磨きをかけながら、ありふれた作品を作ってみた。
シカの角は、上手に磨けばピカピカに光り輝くことを知った。(私の作品はあまり輝いてはいないが…)
※ 私が仕上げたアクセサリーの小物3点です。
そしてメイン(?)のシカ肉の調理&シカ肉のBBQである。実は調理の方はほとんどをスタッフの方がやってくれていて、私たちが手を加えることはほとんどなかった。
講師である調理師の方から、シカ肉についてのレクチャーがあった。それによると、最近はシカ肉の質の向上のために、シカを生け捕りして一定期間(約1年間)養鹿場で飼育した後に出荷するようにしているということだ。私たちが今回食したのも、知床の養鹿場で飼育したシカの肉ということだった。シカ肉は高タンパク、低脂質、ミネラル豊富な食品なので、積極的に調理に使用してほしいとのことだった。
※ 調理を担当された調理師の渡辺さんです。シカ肉についてのレクチャーをしてくれました。
さて肝心のBBQであるが、コテージの戸外に設けられたBBQ場で行われた。食した部位は内もも肉(焼肉に最適な部位)だったが、調理の際に適度な味付けがなされた肉はなかなか美味しいものだった。あまり焼き肉が得意でない私だが、かなり食させてもらった。
※ シカ肉の内もも肉の塊です。これから細かく分けて、味付けをします。
※ 内もも肉を分けて味付けしたものです。これから網に載せて焼きます。
※ BBQの全体の様子です。山の夕暮れはすこし肌寒かったですね。
※ ちょっと近寄って。BBQにはシカ肉以外にも、ホルモンやジンギスカンも用意されていました。(アルコールはなし!)
それより美味しいと感じたのは、翌朝の朝食に用意されたエゾシカのローストだった。クロワッサンに挟む形のサンドイッチで食したのだが、これがことのほか美味しかった。
いずれにしても、以前は「シカ肉はくさい!」と敬遠していた向きがあったそうだが、今は家畜の肉同様の処理方法がとられることにより、他の肉同様にさまざまな肉料理に応用できるということだった。
※ 翌日の朝食で食したクロワッサンに挟んだエゾシカローストが絶品でした。
最後に交流会についてである。このプログラムもスタッフの方がいろいろと準備されて楽しいひと時だった。絵本の読み語りは絵本をスクリーンに映し出し、読み手の工夫も加わって、大人も十分に楽しめる構成になっていた。もちろん、参加した子どもたちも無駄話などせずにお話の世界を楽しんでいるようだった。
※ 交流会を盛り上げようと張り切る三人娘(??)
※ 絵本の詠み語りを聞く参加者たちです。
※ スクリーンに映し出された絵本です。左側に読み手がいるのですが、見えませんね。
※ 交流会の最後にじゃんけん大会でチャンピオンになったお子さんです。帽子は主催者が用意。
NPOエゾシカネットは起ち上げてから2年半ということで、まだまだ発展途上だと、代表の方が言っていたが、それぞれが持ち場で一生懸命自分の役割を果たそうとしている姿に接することができたことは嬉しかった。
※ 参加者に配布されたエゾシカジャーキーです。
北海道におけるエゾシカ問題について、明日少し考えてみたい。(後編に続く)