田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

フォーラム 雪のある暮らし

2008-02-27 17:26:07 | 講演・講義・フォーラム等
 「諸外国の積雪都市から学んだことは、雪を相手にすると無限の遊びが広がるということです。雪を疎んじるのではなく、どう折り合いをつけるかどの都市も工夫をしていた」とゲストスピーカーのHBCアナウンサーの近藤肇さんは話されました。

 23日(日)札幌市の主催で市民フォーラム「新時代!雪のある暮らし」がサッポロファクトリーで開催されました。

 フォーラムは、第一部「冬を楽しむ北国の暮らし」と題して、HBCアナの近藤肇さんとフリーアナの橋本登代子さんのトークセッション。
 第二部は5名の方々が登壇して「新たな時代の雪対策と冬の暮らし」と題するパネルディスカッションでした。

 近藤アナは、HBC・TVが数年前に自主制作した大型企画の「諸外国の雪国の暮らし」(正式名ではありません)のナビゲーター役として長期間にわたって、スウェーデン、デンマーク、カナダ、アメリカのアラスカ、ミネソタなどを取材した経験をもとに、雪国の人々の暮らしや工夫を紹介してくれました。
     
     ※ 雪国の冬の暮らしを紹介する近藤アナ

 第二部のパネルディスカッションは、5人の方々がそれぞれの立場から、世界に類をみない積雪大都市札幌の生活のあり方を提言されました。

 「北海道開拓の村」事業課長の氏家等氏は、昔の人たちが冬を克服した生活技術をぜひ継承してほしい。そのことが今こそ大切だと思う、と述べられました。

 市立北光小教頭の新保元康氏は、さまざまな教育実践を通じて、子どもたちが雪のある暮らしを楽しもうとする気持ちが育ってきていることを強調されました。

 青森から参加されたNPO「北国のくらし研究会」の木村義正氏は、雪のある暮らしを恩恵と捉えて、市民参加によるまちづくりを展開してきた事例をたくさん紹介していただきました。

 札大教授の佐藤郁夫氏は、除排雪における行政サービスの限界と市民負担の必要性に言及されました。

 最後に道工大教授で、札幌市雪対策基本計画検討委員長である笠原篤氏が雪対策(道路の除排雪)問題は、経済の問題だけではなく、環境の問題であり、福祉・高齢者の問題でもある。今後は市民がこの問題に積極的に関わっていくことが必要であるとまとめました。

 札幌市の平成19年度の雪対策費は145億円だそうで、平成14年度をピークに漸減傾向にあるようです。
 財政危機が叫ばれる折、さらなる削減策を市は迫られているいるようですが、経済活動や市民生活を犠牲にすることなく、雪対策費のスリム化を図るためには、私たち市民も知恵と汗を出さねばならないということのようです。