ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

日本の個人投資家などがプチバブルに走っているとの記事が増えています

2013年05月03日 | 日記
 2013年5月2日の日本経済新聞紙電子版に「百貨店『プチバブル』に踊る 宝飾・時計2ケタ増 」という記事が載っています。

 最近、有力新聞紙各紙に時々掲載される、宝石や高級腕時計などの海外の高級ブランド品や高額品が最近、国内市場で売れているとの内容の記事です。日本の小金持ちの方々がプチバブル消費を楽しんでいるようです(やはり、少しはうらやましいです)。



 この電子版に関連すると思われる記事が、5月2日に発行された日本経済新聞紙朝刊の9面に載っています(各地方版によって掲載面が少し異なります)。

 この記事によると、大手百貨店5社が5月1日に発表した、各百貨店の4月の売上高(速報値)は、大丸松坂屋百貨店や三越伊勢丹、阪急阪神百貨店の3社は前年実績を上回ったと伝えます。大丸松坂屋百貨店では、海外ブランドを含む特撰婦人服・洋品が10.9パーセントも伸びたそうです。

 この背景を考えると、同日発行の日本経済新聞紙朝刊の2面に「証券大手、株高で潤う」という記事が載っています。2013年1月から3月までの第1四半期は株式相場の活況を受けて、純利益合計額が1961億円と、前年同期比約8倍と大きく伸びたそうです。個人投資家が株式市場に戻って来たのが好調の背景です。

 5月1日発行の日本経済新聞紙朝刊の17面に「笑うミセス・ワタナベ」という見出しで、日本の個人投資家の中で、外国為替証拠金取引(FX)を手がけている方々が円安進行によって、大きな利益を得たと解説しています。ここでの「ミセス・ワタナベ」とは、海外の経済評論家などが名付けた日本人の個人投資家のあだ名です(主婦だけではなく、一般の個人投資家を指しているそうです)。この記事を斜め読みして、外国為替証拠金取引(FX)を購入に走る素人の個人投資家が増えないことを祈念しています。

 日本銀行による「異次元の金融緩和」によって、株などの金融商品に投資した個人投資家が儲かっていることによって、プチバブル消費が始まっていることは確かなようです。資産にある程度の余裕のある方が消費を増やすことは、景気を高めることになるので、当然賛成です。アベノミックスの恩恵を受けて、予想以上に懐が潤っている個人投資家の方々が身の丈以上の消費をしないことを祈っています。

 その一方で、5月1日発行の朝日新聞紙朝刊の1面に「住宅ローン金利 大手銀行引き上げ」という見出しの記事が載っています。



 国内大手銀行は5月からそろって住宅ローン金利を引き上げるという記事です。期間10年の固定金利ローンの場合は0.05パーセント高い年率1.40パーセントに引き上げるそうです。日本銀行は金融緩和によって金利を下げて、景気を良くしたいと狙ったものの、大手銀行は長期金利の目安になっている長期国債の金利が上がっていることから、住宅金利を上げると判断しました。

 これは、日本の国債価格が上がっている、つまり人気が落ちているという、異次元金融緩和の副作用の一つです。これは日本の近未来でのかなりの危機を示す兆候です。

 日本銀行の異次元の金融緩和によって、個人投資家などの小金持ちなどは恩恵を受け始めた一方、小金を投資できない多くの庶民にとっては住宅ローン金利が上がり、パンやガソリンなどの生活必需品の物価が上がって、生活経費が増えるという、貧富の差が拡大する傾向が高まっています。要注意な動きです。

 日本銀行の「異次元の金融緩和」効果・影響を、外国の金融機関などがどうみているのか、特に長期的にどうみているのか気になります。日本の国債価格が下がり始めると、悲劇が起こります。当面、日本銀行が打つ手を見守るしか、まさに打つ手はありません。