まりっぺのお気楽読書

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フランス王ルイ・フィリップ妃 マリー・アマーリエ

2009-04-14 02:04:59 | フランス王妃・王女
亡命につぐ亡命・・・
ルイ・フィリップ妃 マリー・アマーリエ・ド・シシリー


1782~1866/在位 1830~1848

マリー・アマーリエの母マリア・カロリーネはマリー・アントワネットの姉で
20分で退位したマリー・テレーズは従姉妹にあたります。

マリア・カロリーネとマリー・アントワネットは、ルイ・シャルルと彼女を
結婚させるつもりで、小さな頃から「あなたはフランス王妃になるのよ」と
言い聞かせてきました。
フランス革命で縁談はなくなりましたが、後年マリー・アマーリエは
母の言ったとおり(相手は違いますが)フランス王妃になりました。
    
マリー・アマーリエはフランス革命で伯母を失ったあと、自分の国でも反乱を体験し
自身も一時期亡命していました。
反乱がおさまり国に戻ったマリー・アマーリエは
1806年、父の両シチリア王フェルディナンド1世のパレルモの別荘で
亡命中だったオルレアン公ルイ・フィリップと出会いました。

ルイ・フィリップは軍に入隊して前線に行った経験もありましたし
革命後はスイス、北欧、ドイツ、アメリカなどを訪れていました。
箱入り娘として育ってきた24歳のマリア・アマーリエには
ルイ・フィリップが勇敢で頼もしい男性に映ったかもしれません。

出会いから3年後ふたりは結婚し、1814年の王政復古をうけてフランスに戻ります。
1815年に一瞬ナポレオンが返り咲いた時、彼女は子供たちとイギリスに渡り
1817年までは帰国しませんでした。
再びナポレオンが戻ってきたら、また逃げ出さなければなりませんからね。

フランスに戻った後11年間ヌイイで暮らし、1828年にパリに移ります。
とはいっても、これといって収入のないオルレアン公夫妻は
8人の子を抱えて、なんとかやりくりしなければなりませんでした。
マリー・アマーリエのように高貴な対面を保とうとする者には大変なことです。

7月革命でシャルル10世が退位し、議会の決定でルイ・フィリップが即位にしてからも
お金の問題はつきまといます。
彼らはパレ・ロワイヤルで暮らしていましたが、往年の輝きを取り戻すために
大枚22万フランを費やしたということです。

子供たちの世話と教育におわれていたマリー・アマーリエは
特に政治的な行動をとったわけではありませんでした。
ただ彼女自身は超君主主義者で保守的だったので
ルイ・フィリップがブルジョワジーや貴族に充分報いていないのではないか?と
案ずる人々のよりどころになっていたのかもしれません。

だからかどうかは分かりませんが、ルイ・フィリップは民主的だった政治姿勢を
途中から貴族や金持ちよりに変えています。
これがひびいて1848年に2月革命がおこり、王は退位しました。
ルイ・フィリップはルイ16世一家のようになることを怖れ、息子フィリップの
王位継承権を放棄して、即刻イギリスに渡りました。

ルイ・フィリップは亡命後2年で亡くなりましたが、彼女はイギリスを離れず
ヴィクトリア女王の温情を受け、毎日ミサに出席したりして過ごしていました。
1866年、マリー・アマーリエが亡くなると、彼女の強い希望で
フランスから持って来たドレスを身につけて葬られました。

              
               ・・・こんなドレスですかね?

なんだか忙しい人生でしたね。
国をおわれるというのは1度でもショッキングなことでしょうに
こんなに何度も逃げ出さなければならなかったなんて・・・
ご苦労様でした、と言ってあげたいですね。

(参考文献 柴田三千雄氏『フランス史10講』 Wikipedia英語版)

フランス史10講 岩波書店


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2 コメント

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お初コメントよろしゅう・・ (andy11102002)
2009-04-14 11:49:45
こんちーなかいでございます。
初コメント残しまする・・
全部はちょっと読めませんでしたが
とても面白く読ませてもらいました。
抜粋で読みましたが読書とは関係ないけど
お花結構本格的なんだね?
私も昨日トマト苗植えたんだけど栄養が良すぎて全滅で凹んでます。また
そこんとこ興味深く読ませてもらいました。
私のブログにリンクさせてもらいました。
お恥ずかしいですが私のURL教えておきますので良かったら見てちょ!

返信する
再登場!! (andy11102002)
2009-04-14 11:54:42
コメント追加でーす!
お初コメントよろしゅう・・の(andy11102002)を
クリックして頂きますと私のブログに飛びます。
よろぴく!
返信する

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