まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
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『同じ一つのドア』アンチドラマティックな日常

2010-06-30 02:00:41 | アメリカの作家
THE SAME DOOR 
1959年 ジョン・アップダイク

アップダイクは、自分の経験を物語にするタイプの作家だったそうです。
この一冊には16篇の短篇が収められていますが、テーマとなっているのは
そこらへんで日常的に目にする出来事で
「珍しい体験をした」「驚くべきことがおこった」というものではありません。

それなのに読み物として完成しているのは凄いと思う。
だって本当にドラマティックな内容じゃないんだもの。
だけどちゃんと読ませてくれる…私はそういう短篇がけっこう好きです。

そんな物語からいくつか…

『黄色いばらを黄色にしたのは誰?(Who Made Yellow Roses Yellow?)』
パリから帰国したフレッドは早速クレイトンを食事に誘いました。
羽振りがよくなったと言うクレイトンから仕事を世話してもらおうと思ったからです。
しかし、クレイトンはとても忙しそうであまり時間が取れませんでした。

厳しい時代ですね…お友達に仕事の世話を頼む人もつらいでしょうが
頼まれた方も大変だと思うわ。相手をよく知っているだけに…
とにかく、儲かっている会社はどんどん人を採用してほしいと思います。

『最良のとき(His Finest Hour)』
チャンドラー夫妻は、隣のアーヴィ夫妻の部屋で争う声を耳にします。
アーヴィ夫人の声が次第に狂気じみてきたので、とうとう警察を呼ぶことにしました。
警察が着いた時、夫はいませんでしたが夫人は血だらけでした。

このお話、翌日には意外な展開を迎えます。
隣には干渉するなという都会の掟みたいなものを感じました。
彼らの行動は正しかったと思うけど、後々面倒くさいことになりそうだものね。
あ! 殺人とか、そういう恐ろしい話しではないです。

『市からの贈り物(A Gift from the City)』
リズが10ドルを与えた黒人が、どうしても夫のジェームズに礼を言うと言い張ります。
彼は翌日タクシーでやって来て料金を払えと言い、家に入れると苦労話を始めました。
ジェームズは20ドル渡し、さらに帰りのバス代まで与えました。

腰が低くて弱気、でも凄腕のたかり屋、なんですかね?
一度見せた優しさが面倒な状況を招くなんてやりきれないけど、ありがちな話しです。
こんな目に遭うと、優しさを見せるのはやめようなんて気になっちゃうわね。

ね、そんなにとりたてていう話しじゃないでしょう?
仕事を探してもらおうと思ったり、近所から激しいケンカの声が聞こえたり
施しを下さいと言われたりなんて、ありがちなことです。

日々起こる小さな出来事…その時あなたはどうするか? で
まったく人生に関わりのないことになるか、何かを感じる出来事になるか別れるわけですね。
平凡な毎日って結構エキサイティングなものです。

 日本は頑張ったってば!
正直パラグアイ相手に互角に戦えるとは思っていなかった私…南米は強いものね
今日勝てれば、次はスペインが相手でもポルトガルが相手でも勝てると信じてたわ!
これからは心おきなくハンサムな選手がいるチームを応援します。
まずはフェルナンド・トーレスがいるスペインを今から…

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