まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『マノン・レスコー』とんだバカップルもあったもので

2008-07-05 20:05:56 | フランスの作家
HISTOIRE DE MANON LESCAUT 
1731年 アヴェ・プレヴォー

読んだ本を忘れないために、感想をつらつらとノートに書きためていたら
けっこうたまってきたので、どれどれ、流行のブログでも・・・
と軽い気持ちで初めてみました。

とりあえずお断りしておくと、時代背景、作家の意図なんて
まったくもって無視です。
あらすじは、粗いにも程があるでしょ、というぐらいはしょってますので
本を読まないと分からないと思います。
真面目な書評だと思って読まれた方、申し訳ありません。

さて『マノン・レスコー』。

なぜこれを一冊目に挙げてしまったかというと、先日行った恵比寿の有隣堂で
打ち出し中の『岩波文庫フェア』にこれが入っていたからですが
私は“なんで?”って思ったわけです。『名著・名作再発見!』って?

私にはこの話、あきれた話にしか思えないんですがっ。
会ったその日に駆け落ちしちゃうってどうでしょう? しかも17才。
しかも所持金450フラン、数週間パリで暮らせるぐらいの金額だったらしいけど
それが無くなったら親戚に手紙を書くつもりだったんですって。

贅沢に目がくらみ、隣の部屋の男から始まって言い寄る人にフラフラと行っちゃう
マノンはさておき、その彼女と一緒にいるために友人裏切る、借金踏み倒す、老人騙す、
縛って監禁する、人を殺す、って・・・とんだ悪人じゃないの? シュヴァリエ。
それなのに、この男がきれいな顔をしてるもんだから、しかもボロボロ泣きながら
悲劇のように語るもんだから、聴き手の男(作者)も「涙が押さえきれない」とか言って
お金渡したりするんですけど。
大人ならちゃんと言ってあげなくちゃでしょうが! と思います。

だいたい、マノンは仕事とは言えないけど
カラダを資本にして頑張ってるだけ偉いじゃないですか?
それに引き換えシュヴァリエはマノンのことばっかり考えてて仕事しませんからねっ!
一緒にいたいなら働きましょう。

この二人は、お金を貸してくれたり、脱獄に手を貸してくれたりという、
すごいお人好しが周りにいたおかげでなんとかなっていたんですが
やはりすごいのは、流刑になったマノンにのこのこついて行ったシュヴァリエを
アメリカまで迎えに行っちゃった友人のチベルジュでしょうか? 
この人は貸したお金も返してもらってないのに

二人はアメリカでも首長に気に入られ優遇されて召使いまで雇ってました。
美しいって、すごい武器だ!
しかし、美しさのゆえに首長の甥に目をつけられてしまったことから
二人には悲劇が訪れます。

作者は「恋愛悲話」と書いてらっしゃいますが、どうでしょう?
さんざん好きなことだけやって、身を滅ぼす恋を悲恋とは言わないと思いますが…
私は「身から出たサビでしょー!!」と言いたい。

マノン・レスコー 新潮社


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私はおすすめしないんだけど、各社から出版されているところをみると
名作なんでしょうーねー。

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