まりっぺのお気楽読書

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『時の娘』SFに挑戦してみた!

2010-07-12 23:50:53 | アメリカの作家
DOUBLE TAKE AND OTHER STORIES 

めちゃくちゃ現実的な私は “ SF ” と名のつくものとはほぼ無縁に生きてきたわけですが
“ ロマンティック時間SF傑作選 ” という副題と、ジャック・フィニィの名につられ
読んでみることにいたしました。

結論からいうと面白かった!
ただ、この本に収められている物語がどれぐらい本格的なSFなのかは分りません。

そんなSFオンチな私でも特に楽しめた物語をいくつか…

『チャリティのことづて(A Massage from Charity)/1967年 ウィリアム・M・リー』
1700年に生きる11歳の少女チャリティと、1965年に生きる16歳のピーターは
お互いが病気になった時から交信ができるようになりました。
ピーターはチャリティに265年後のアメリカの姿を見せてあげようとしますが
そのせいで彼女は魔女裁判にかけられることになってしまいます。

未来を知ってしまう…幸せなのか不幸なのか分りませんね。
しかしコカ・コーラやアイスクリームを知ってしまった子どもに
もとの質素な生活に戻れというのは酷な気がします。

『台詞指導(Double Take)/1965年 ジャック・フィニィ』
美しい女優ジェシカと台詞指導のジェイクは、ロケのためにニューヨークを訪れます。
ふたりとスタッフたちは、1920年代のバスで真夜中の街をテスト走行することにしました。
しかし街の人々は驚きもせず、バスに乗っては降りて行きます。

思えば『ゲイルズバーグの春を愛す』でも乗り物や衣装の描写が
ノスタルジックな雰囲気を演出していましたね。
“ 夢か現実か ” なんてどうでもよくなる 美しく切ないお話しです。

『かえりみれば(Backward,Turn Backward)/1970年 ウィルマー・H・シラス』
30歳の時「若い頃に戻ったら有意義に人生を送る」と言ったことで
ある科学者から15歳に戻されてしまったミセス・トッキン。
しかし授業内容は覚えていないし、未来の夫ポールに出会えるか不安だし…
その上、ついスピーチで言ったことが校内で科学的な物議を招きます。

いろいろ大変だろうとは知りつつも、15年ぐらい前に戻りたいわ。
そうしたら水泳を始めてスタイルを保ち、エステに通ってお肌をケアし…
やっぱり女性はそういう方向で考えちゃうわよね!

SFと聞くと、どうも得体の知れない生物とドンパチやってるイメージしかなかったのですが
“ ロマンティック ” と謳っているだけあって、どの物語も恋愛がベースになっています。
それが私でも楽しめた要因なのかもしれません。

しかし現代ならともかく、50年ぐらい前にこんな物語を思いつくなんてすごいわ…と
ちょっとSFのジャンルを見直しました。

ところで『むかしをいまに』というお話は『ベンジャミン・バトン』とそっくり!!
ちょっとアプローチの仕方が違いますが、人生を遡っていくあたりがね…

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