まりっぺのお気楽読書

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『ウォー・ゲーム』想像がふくらむ一冊

2017-08-23 19:01:19 | アメリカの作家
WAR GAME 
1952~1959年 フィリップ・K・ディック

以前『人間狩り』を読んで、腹一杯警告されたわたしですが
本棚でもう1冊見つけたので読んでみました。

『人間狩り』の作品と、ほぼ同時期に発表されている作品のようですが
こちらは少し幅広い内容になっているみたいです。
わたしたちに警告を与えようとしているような物語から、純粋にSFと感じられるもの
そしてオカルトっぽいお話しまで収載されています。

印象に残ったお話しをいくつかご紹介しますね。

『偉大なる神(Great C)/1952年』
今年もまた、グレートCに3つの質問をするために選ばれた青年メレディス。
一年がかりで考えた質問に全て答えられてしまうと、戻って来ることはできない。
グレートCに会いに行き、戻って来た者は今までいなかった。

グレートCとは、どうやら自分で進化してしまったコンピューターみたいです。
でもって、人間はものすごーくおバカさんになってしまっているようなのね。
一年がかりで長老が考えた質問の内容が… 小学生並み… 検索に頼りすぎるとこうなるのか?

『有名作家(Prominent Author)/1954年』
ヘンリー・エリスは、会社で開発中の、瞬間移動できるジフィ・スカットラーの研究のため
毎日ペンシルヴァニアからニューヨークへの通勤に利用している。
ある朝、ヘンリーはトンネルの中に三人の小さな小さな人々がいることに気づく。

これは、見方によっては壮大な話しに展開していくんですけど、とにかく
小さな人々の行動を想像すると可愛くってね!
ヘンリーが一生懸命になるのがわかる気がします。

『スーヴェニール(Souvenir)/1954年』
最近発見された、三世紀前にウィリアムスンが移り住んだとされる星を訪れたロジャースは
ウィリアムスンの子孫たちに出迎えられ、14世紀の地球さながらの暮らしぶりを目にした。
ロジャースは銀河系社会に加わるように説得するが、ウィリアムスンたちは拒否する。

読んでいる時は、自分たちで好きなように暮らしてる人々を無理に誘わなくてもねぇ…
大国の横暴だ!と思いましたが、それがゆくゆくは宇宙戦争とかに発展しまうのでしょうか?
たしかに、国連決議をものともせず我が道を行ってる国は恐いものね…

とりあえず三話あげてみましたが、他のストーリーも興味深かったです。
オカルトっぽい2篇は苦手でした。

『ジョンの世界(Jon's World)』という話しは『人間狩り』のスピンオフみたいで
2話併せて読むと面白さが増すのではないかな?

さすが文章が上手い!というか、読んでいていろいろな想像がしやすかったです。
目の前に、宇宙空間や農耕時代の草原や戦地の風景が広がり
変な神さまや小さな人々やゲームの兵士たちが動きだしました。

今回この本を読んで思ったんだけど、P・K・ディックという作家は
宇宙とか最先端テクノロジーみたいなことを書いてますけど
実は、どんどん進化して変わっていく景色やライフスタイルがあまり好きになれず
「このままがいいなぁ」なんて考えながら暮らしてた人じゃないかしら?
すごく勝手な想像でございます。

それから、スーパーコピューターや人工知能とも言えそうなアイテムが登場するのに
やっぱり(スマホどころか)携帯電話はでてこないんだよね。
電話を持ち歩く… という発想はいったいどこから生まれてきたのでしょう?

想像・妄想大好き!という方
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