まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『モーパッサン短編集』佳作の宝石箱

2008-10-16 02:34:03 | フランスの作家

ギィ・ド・モーパッサン

(1)(2)は田園や恋愛をとりあげたのどかなもの、
(3)はプロシア(ドイツ)との戦争や、精神的に病んだものを中心に
多数編纂されています。

のどかなものは、とことんのどかで癒されますが
やはりドイツ(プロシア)との戦争はかなり印象が強かったようで
ちょっと語り口調が変わっている気がします。
(これは当時の他の作家にもあてはまりそうですが)

(1)~(3)の中で一話づつ好きだったものをあげてみます。

『老人(Le Vieux)』
「明日までもたない」と言われたおとっつぁんの葬式支度に忙しい夫婦。
通知も出しました、もてなしの準備もできました。
ところが! 次の日になってもおとっつぁんはまだ息をしています。

どうします? お客さんが集まって来ているのに送り出してもらうはずの人が
まだ生きているなんて。
嬉しいような面倒くさいような・・・

『マドモアゼル・ペルル(Madomoiselle Perle)』
愛すべきシャンタル家の晩餐に出かけた日、ゲームで王様になった私は
老嬢ペルルを女王に選びます。
ふとペルル嬢が何者なのか気になった私にシャンタル氏が語る過去とは・・・

人様の家で世話になる女性と、世話をする家族の素敵で切ない関係。
今ではありえないことだと思いますけど・・・

『母親(Le mere sauvage)』
戦争に行った札付きの息子を持つ老母の家に、4人のプロシア兵が
宿泊先の割当てでやってきます。
とてもうまくいっていた5人でしたが、ある日息子の死亡通知が届きます。
老母は4人の敵が目の前にいることを悟ります。

どこの国でも、どの戦争でも、死んでしまった身近な人への悲しみは同じですよね。
悪意なき殺人者を生み出してしまう戦争をやらなければいけない意味ってなんなのかしら?
私は痛いのも、苦しいのも、怖いのもイヤですね
だからすすんでそんなことをしなければいけないっていう意味がよく分からないな。

(3)のいくつかの病的な作品には、ものすごく追いつめられた感じがあるんですが
これはモーパッサンの実体験なのでしょうか?
それとも、想像力の産物かしら? 
急に作風が変わったようで面食らってしまいます

何も考えずに読書を楽しみたいなら(1)と(2)でとどめておくことをお奨めします
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イングランド王エドワード3世妃 フィリッパ

2008-10-16 01:48:15 | イングランド王妃・王女
死が王を変えた
エドワード3世妃 フィルッパ・オブ・エノー


1314~1369/在位 1328~1369

既に王となっていた16歳のエドワード3世に嫁いだ時、フィリッパは14歳。

     

またいとこだったため法王の許可をもらって結婚しました。

エドワード3世が18歳になるまでは、皇太后であるイザベル・オブ・フランス
のさばっていたためおとなしくしていたのかもしれませんが
かなりアグレッシヴな王妃だったようで、王とともに戦場へ出向いた上
激励のため兵士に一席ぶったりしたらしいです。勇ましいね

また産業の振興にも熱心で、実家のあるフランドルから羊毛の技術者を呼び寄せたり
石炭の発掘を奨励したりしています。
羊毛と石炭といえば、後々までイングランドで栄えた産業ですよね。

その上、とても教養があったということで、いったい非のうちどころはないのかね?
と思っていたら、後年かなりコロコロに太ったらしいです。
でもそこがまた、母性的で友好的で家庭的に見えたというから
素敵な太り方(?)ですね   肝っ玉かあさんみたいな・・・

エドワード3世は、有名な “ ガーター騎士団 ” を創設したりして
騎士道精神に溢れた王で、そりゃあもてたでしょうし、愛人もいました。
中には“ フェア・メイド・オブ・ケント ” と呼ばれた絶世の美女
ソールズベリー伯夫人ジョアンの愛人説もありますが
妻フィリッパのお気に入りでもあり、後に息子エドワードと再婚もするので
噂に過ぎないんじゃないかしら? でも中世だしなぁ・・・

ともあれ、フィリッパが存命中はさすがのエドワード3世も
妻を気遣って(怖れて?)おおっぴらな浮気はなかったようですが
41年の結婚生活の末フィリッパが亡くなると、妖婦アリス・ペラーズに溺れ
政治も含め、何もかもあやつられてしまいます。

エドワード3世は愛想をつかした子供や家臣に看取られることなく
懺悔僧が寄り添う中、ひとり寂しく亡くなりました。 哀しいのぅ
(アリス・ペラーズは王の死期が迫ると宝石を持って出ていってしまいました)

フィリッパが生きていれば、家族に看取られて幸せな最期が迎えられたかもしれませんね。

夫より妻が長生きした方が、老後は幸せだってよく聞くけどやはりそうなのかしら?
男性陣はどう思われますか?

(参考文献 森譲氏『英国王室史話』 Wikipedia英語版)

これさえあれば、あなたも英国王室通
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね

  
コメント (1)
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