ADOLPHE
1816年 バンジャマン・コンスタン
激しい愛は疲れるね・・・
作者が旅先で出会った男性の手記という形で紹介される
ある男女の愛のお話しですが、ほとんど甘い語らいはありません。
あるのは、嫉妬、憐憫、焦燥、諍い、絶望・・・
こんな思いするなら一人で平穏に暮らしたいわ と思っちゃうわ。
裕福で前途有望でいながら、厭世的で皮肉やのアドルフが「愛されたい」と思い
旅先で出会ったエレノールと激しい恋に落ちます。
エレノールはある伯爵に囲われている、国を追われた高貴な婦人でしたが
伯爵に尽くし、自分の境遇をおとしめないように努めている女性でした。
しかしアドルフと愛し合うようになると、子供も伯爵も捨ててアドルフを追いかけ
前途を保障してくれる全てをアドルフといたいがために断ります。
アドルフは、自由を望みながらもエレノールの幸福を奪ってしまったという自責の念から
彼女と離れられず、無為の日々を過ごし、断ち切られそうな未来を恨みます。
アドルフの思いは愛か? 同情か?
エレノールの思いは愛か? 執念か?
別れちゃえばいいのに~ って思う私は凡人です。
でも一緒にいたっていいことない二人に見えるんですもの。
お互いがお互いを、自分を縛りつけている、あるいは陥れた張本人だと思って暮らす毎日が
楽しいと思います?(でも夫婦なら多かれ少なかれそういうことってあるのよね)
作者は最後に、一方的にアドルフが悪いと結論づけています。
彼の“虚栄”と“弱さ”が一人の女を滅茶苦茶にしたと・・・
でもなぁ、エレノールも涙という女の武器をふんだんに使い
「死んでしまう」「生きていけない」って、離れないんだもんなぁ
少しでも姿が見えないと探しに来ちゃうのよ。
ちょっと重くないですかね?
作中、父の友人T男爵が諭すようにアドルフに言った
「恋人に “あなたなしでは生きていけない” と言わない女はいないし
実際にそうした女もいない」
というのが少し納得で笑えました
余談
コンスタンはスイス出身ですが、ドイツに亡命してたみたいです。
逆の方がありそうだけどね・・・
1816年 バンジャマン・コンスタン
激しい愛は疲れるね・・・
作者が旅先で出会った男性の手記という形で紹介される
ある男女の愛のお話しですが、ほとんど甘い語らいはありません。
あるのは、嫉妬、憐憫、焦燥、諍い、絶望・・・
こんな思いするなら一人で平穏に暮らしたいわ と思っちゃうわ。
裕福で前途有望でいながら、厭世的で皮肉やのアドルフが「愛されたい」と思い
旅先で出会ったエレノールと激しい恋に落ちます。
エレノールはある伯爵に囲われている、国を追われた高貴な婦人でしたが
伯爵に尽くし、自分の境遇をおとしめないように努めている女性でした。
しかしアドルフと愛し合うようになると、子供も伯爵も捨ててアドルフを追いかけ
前途を保障してくれる全てをアドルフといたいがために断ります。
アドルフは、自由を望みながらもエレノールの幸福を奪ってしまったという自責の念から
彼女と離れられず、無為の日々を過ごし、断ち切られそうな未来を恨みます。
アドルフの思いは愛か? 同情か?
エレノールの思いは愛か? 執念か?
別れちゃえばいいのに~ って思う私は凡人です。
でも一緒にいたっていいことない二人に見えるんですもの。
お互いがお互いを、自分を縛りつけている、あるいは陥れた張本人だと思って暮らす毎日が
楽しいと思います?(でも夫婦なら多かれ少なかれそういうことってあるのよね)
作者は最後に、一方的にアドルフが悪いと結論づけています。
彼の“虚栄”と“弱さ”が一人の女を滅茶苦茶にしたと・・・
でもなぁ、エレノールも涙という女の武器をふんだんに使い
「死んでしまう」「生きていけない」って、離れないんだもんなぁ
少しでも姿が見えないと探しに来ちゃうのよ。
ちょっと重くないですかね?
作中、父の友人T男爵が諭すようにアドルフに言った
「恋人に “あなたなしでは生きていけない” と言わない女はいないし
実際にそうした女もいない」
というのが少し納得で笑えました
余談
コンスタンはスイス出身ですが、ドイツに亡命してたみたいです。
逆の方がありそうだけどね・・・