自分探詩(じぶんさがし)& 山陰柴犬かれんとの日々
生まれようとしているものは
美しい予感で世界を満たし、
佇む人の心を奪ってしまう。
大地と空を薔薇色に染める、
夜明け前の太陽のように。
その時、反対の空で
光を失っていく月のことなど、
気にかけることができようか。
たとえ、
黄金色の衣をまとい、
ともに一夜を過ごしても…。
生まれようとしているものには、
寄せる波のように
落ちる実のように
抗うことなどできるはずもなく…。
光を失っていく月のことなど、
どうして気にかけることがきようか。
しかし、月もまた
新しい世界へと旅に出る。
一抹の未練も残さず…。
明け方の月
Copyright Maoko Nakamura