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万福寺 大三島のつれづれ

瀬戸内・大三島 万福寺の日記です。
大三島の自然の移ろいと日々の島での生活を綴ります。

山茱萸(さんしゅゆ)の蕾が

2011年03月05日 | Weblog
                 
                 さんしゅゆの蕾

 3/5、3月3日のひいな祭りから再び冷え込んでいます。朝は霜が降っていて鐘を撞く手が凍えます。

その寒気の中をさんしゅゆの黄色い蕾が柔い春の日差しに輝いて来ました。「春黄金花」(はるこがねばな)の異名を取るさんし

ゅゆの蕾をなるほど、と見入っております。

 その黄金色に輝くの蕾の下に昨秋実った赤い実が萎びてまだ残っています。秋の日に照る実を「秋珊瑚」(あきさんご)と呼ぶ

と云われるのですが、今は珊瑚のような輝きと艶は感じられません。しわしわの実に僅かに赤色が残っているくらいです。


 独去独来 独生独死 (どっこどくらい どくしょうどくし) ひとり去りひとり来たる ひとり生まれひとり死す

 現実のあるがままの相(すがた)は悲喜こもごも、美醜同時と教えてくれています。どちらも有難う。

                 
                 昨秋のさんしゅゆの実の今

 万福寺の山茱萸(さんしゅゆ)の木は二代目です。以前植わっていた山茱萸は鉄砲虫のために枯れてしまいました。この木は相原文刀さんが青年時代から勤務されていた伊予西条氷見の造り酒屋さんの庭にある大きな山茱萸の木の一枝を何年もかけて取り木したものを育てられて下さったものでもう随分大きくなっていましたが惜しいことに枯れてしまいました。残念に思います。そのことをある所で話題にしておりましたら宗方の山川美和子さんが「それなら山茱萸の木を差し上げます」と持ってきて下さいました。高さ1間くらいにも成長しているものでした。早速に境内に植えたておいたのが画像の山茱萸です。もう5年くらい前のことになります。
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3月の法語

2011年03月01日 | Weblog
               

 弥生三月に入ったように天地が明るくなったような気が致します。まだ余寒は続いてはおりますが、

法語カレンダーを3月にめくると、「帰命は 本願招喚(ほんがんしょうかん)の勅命(ちょくめい)なり」の『御本典』行巻の

お言葉が目に飛び込んで来ました。耳にタコがが出来るほどに聞いて来た聖人のお言葉でありますが、実は一番新しいことばとし

て耳に、心に響いて下さります。 

法然聖人からお念仏のおいわれを聴聞する機縁に恵まれた親鸞聖人はそのみ教えを莊年期から老熟期にかけて『顕浄土真実教行

証文類』6巻(『教行信証』、『本典』ともお呼びいたします)としてお念仏一つで誰でもが間違いなくお救いにあずかることが

できることを可能な限りの経典、歴々の高僧方の論疏を精読されて纏められました。一語一語、引用されている経典、論疏のご文

は全て重く深い意味をたたえていて疎かに出来ないヶ所ばかりなのですが、中でもこの「帰命は本願招喚の勅命なり」のお言葉は

最も大切な「六字の名号」を解釈されている所謂「六字釈」と云われているヶ所からのお言葉です。

                                           (註釈版『浄土真宗聖典』p170)

 「南無」(なも)とはインドの原典でのナマス、ナモーを音訳で「南無」、訓訳で「帰命」(きみょう)と漢訳されました。聖

人は「帰」とは至、説、悦、税と同意語から「告ぐるなり、述ぶるなり、人の意(こころ)を宣述するなり」と、また「命」の字

は業、招引、使、教、道、信、計、召 などの意味するところを総合的に捉えられて「ここをもって帰命は本願招喚の勅命なり」

という金言が導きだされたのです。帰命(南無)とは私に向かって「あなたよ!あなたよ!親はここにいるよ!必ず帰ってくるん

だよ!」との呼び声であるとお示し下さったのです。ここにおいて「聞名(もんみょう)の救い」としての『大無量寿経』の論理

が初めて開顕されたのだと受け取らせていただいております。



                                       
                                       今年の枝垂れ梅

                                       
                                       上から撮影しました
 
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