
さんしゅゆの蕾
3/5、3月3日のひいな祭りから再び冷え込んでいます。朝は霜が降っていて鐘を撞く手が凍えます。
その寒気の中をさんしゅゆの黄色い蕾が柔い春の日差しに輝いて来ました。「春黄金花」(はるこがねばな)の異名を取るさんし
ゅゆの蕾をなるほど、と見入っております。
その黄金色に輝くの蕾の下に昨秋実った赤い実が萎びてまだ残っています。秋の日に照る実を「秋珊瑚」(あきさんご)と呼ぶ
と云われるのですが、今は珊瑚のような輝きと艶は感じられません。しわしわの実に僅かに赤色が残っているくらいです。
独去独来 独生独死 (どっこどくらい どくしょうどくし) ひとり去りひとり来たる ひとり生まれひとり死す
現実のあるがままの相(すがた)は悲喜こもごも、美醜同時と教えてくれています。どちらも有難う。

昨秋のさんしゅゆの実の今
万福寺の山茱萸(さんしゅゆ)の木は二代目です。以前植わっていた山茱萸は鉄砲虫のために枯れてしまいました。この木は相原文刀さんが青年時代から勤務されていた伊予西条氷見の造り酒屋さんの庭にある大きな山茱萸の木の一枝を何年もかけて取り木したものを育てられて下さったものでもう随分大きくなっていましたが惜しいことに枯れてしまいました。残念に思います。そのことをある所で話題にしておりましたら宗方の山川美和子さんが「それなら山茱萸の木を差し上げます」と持ってきて下さいました。高さ1間くらいにも成長しているものでした。早速に境内に植えたておいたのが画像の山茱萸です。もう5年くらい前のことになります。