万福寺 大三島のつれづれ

瀬戸内・大三島 万福寺の日記です。
大三島の自然の移ろいと日々の島での生活を綴ります。

お聖教(おしょうぎょう)

2009年06月08日 | Weblog
画像の書籍は当山前住の使っていた浄土真宗のお聖教です。私の父親のことを紹介するのははばかれることですが、先日前住の蔵書を調べていて画像の3冊の本の表紙が一目してよく使われていることが際立っていることに気が着きました。最もよく傷んでいるのが『真宗聖教全書』全5卷の第1卷目「三経・七祖部」、次が第2卷目「宗祖部」次が『浄土宗全書』21卷の別巻「梵蔵和英合壁浄土三部経」であることが分りました。『真宗聖教全書』第1卷の使い込んだ傷み方は尋常ではありません。思わず胸がジーンとしました。これらの聖教全書の刊行は昭和15、6年頃ですから40年間くらいのことになります。『浄土宗全書』別巻についてはある時このように云っていました。別巻の梵文と蔵文の『無量寿経』が見たくて全巻を買わなければならなくなってしまったと、
 寡黙な父がよく口にしていた言葉の一つが宗祖親鸞聖人が「それ真実の教を顕さば、則ち大無量寿経これなり」と申されている、『大無量寿経』の「大」とは実は広い仏教と云うことなのだと、『聖教全書』の第1卷目や梵本、蔵本がよく見られているのはそう云うことだったのだとうなずくことができました。
 それにしても表紙は父の手に慣れ傷んで来ていますが、中の聖教部分には一ヶ所の書き込みもラインも入れられていないのです。お聖教に接っし向かう姿勢を最後まで守り続けていたことが伺い知られます。
 今、襟を糺し、座を正してあなたの慧眼とその姿勢に敬礼させていただきます。
                                   住職
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京鹿の子 2

2009年06月06日 | Weblog
京鹿の子の花も終わりに近づきました。今年は沢山の花を付けてくれました。
「ばら科」の草花でまだ自生は発見されていないとのことで、ある時代に園芸用に外来したものなのでしょう、花も葉も日本人好み、名前も都の気品を感じて命名されたものなのでしょう、ピッタリです。
 何年か前のお盆過ぎに宇治平等院に行ったことがあります。その折門前にある茶室に案内されてお茶をいただいたことがありますが、その茶室のお床に種々の草花と一緒に「京鹿の子」が生けられていたことを思い出して不思議に思います。お盆過ぎにも京鹿の子は咲くのでしょうか、この辺りから云いますと80日も遅いのですが、・・・何か人為的操作がされているのかも知れない、などとフト思います。
 画像は寺庭の京鹿の子、
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カフェ ルフージュ (大三島・瀬戸)

2009年06月04日 | Weblog
京都でのイベント・メリシャカナイツで知り合った、イオさん。
たまたま松山出身ということで、話が盛り上がりました。
そこで、大三島にカフェがオープンして人気とのこと。
私は大三島に住みながら、留守がちな為か、全く知りませんでした。京都に月2週間ほどお勤めを始めて2年になりますが、大三島も色々と変化があるようです。

いつも髪を切っていただく、ヘアスタジオ「イズム」さんでお聞きすると、「知らなかった?」と意外な様子でした。地元では随分と話題の場所のようです。

お店の名は「CafE Rufuge」(ルフージュ)
http://caferufuge.michikusa.jp/index.htm

手描きの地図をいただいたので、早速いってみました。
しかし、残念ながらお休み。このカフェは、「木曜・土曜と第一日曜」は営業されているのですが、その他は不定期でされているそうです。

今日は木曜。そこで、行ってきました。車は、ご主人がされている、鉄を使ったアート工房の脇にある駐車場にとめます。ご主人の案内通り、曲がり角ごとにある小さな案内板を目印に、路地を数分のぼったところに、カフェを発見!

大三島にこんな場所があったのかと、不思議な気持ちになりました。

センス良く、かつ風情を遺しつつ古民家が改築されていて、庭先もさり気なく鉄製の作品が配置され、アートな空間です。
屋内に入ると、またすばらしい! とても落ち着く隠れ家のような場所です。閉店時間間際におじゃましたのですが、2組の若いお客さんが居られました。

メニューは、コーヒとミカンジュース。私は、コーヒーが駄目な特異体質なためみかんジュースのケーキセットをオーダー。チーズケーキが売り切れたため、シフォンケーキとなりました。ケーキは、木の実や葉で飾られて登場、とてもおいしかったです。

初めてのお店に入ると、ついつい評価してしまう自分ですが、
文句なしの
☆☆☆☆☆
です!
こんな素敵で、不思議なカフェは他にはなかなかないと思います。

店内には、ご主人の作品が展示、一部販売されていて、私は蚊取り線香のハンガー付お皿(3500円)を購入しました。お寺の玄関ホールに置いてますので、是非見に来て下さい。とてもオシャレなものです。

ご家族で広島から移住され、5年余りとのこと。大三島の新しい財産です!

(若院)

尚、カフェに
島生活情報紙「Shima2times」(しましま タイムズ)
http://shima2net.jugem.jp/?pid=1
というフリーペーパが置いてありました。
大島の主婦4人が制作されているとのこと。
しまなみ界隈もいろいろと動きがあって楽しみです。




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ツバメの雛が大きくなっています

2009年06月04日 | Weblog
 先日紹介しました寺のツバメの巣の4羽の雛は順調に成長しています。
先日青大将が狙ってやって来ましたが、去年と同じように「スネーク忌避剤」
を辺りに撒いておきましたら来なくなりました。この忌避剤はよく効きます。
ツバメの2羽の親は今はまだ餌運びですが、成長にしたがってあらゆることを
教えて行くことでしょう。やがて寺の境内がツバメの教場になるのも間近です。
(住職)
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『残り3ヶ月の人生だとしたら…』

2009年06月03日 | Weblog
京都×メリシャカナイツ
第3夜 
『残り3ヶ月の人生だとしたら…』

私(当山若院)が企画しています、イベント「京都×メリシャカナイツ」は、お寺を飛び出し、街中の飲食店で仏教を語りあう企画。既に第3回になります。
今回も定員を上回る参加者がありました。
毎回、お勤めと法話でスタートするのですが、この度は弟恵真(えしん)が調声(お勤めのリード役)をしてくれました。


さて、今回のテーマは「緩和ケア医療」です
緩和ケアとは、末期ガンなど、患者さんの痛みを緩和する医療です。
ここで痛みとは、体の痛みだけではありません。
こころの痛み、社会的(経済的)傷み、そして宗教的(死んだらどうなるか、何のためにいきてきたのか、罪悪感など)を全体的に緩和(やわらげる)ことを目的とします。

浄土真宗の本山、本願寺では、昨年(2008年)4月に、緩和ケアを専門とする医療施設「あそか第2診療所」を立ち上げました。(親鸞聖人750回大遠忌の記念事業)

この施設で、常駐して患者さんと向き合う僧侶、阪本尚樹さんに今回、ゲストとして参加していただきました。


阪本さんは、本山での布教研究における私の先輩です。(一昨年、万福寺新本堂が完成した際、遷座法要に出向いただき、ご法話いただきました)

キリスト教のホスピスでの「チャップレン」は既に実績がありますが、仏教会ではまだまだ少なく、常駐の僧侶としては阪本さんは先駆者になります。
その分、苦労も多く、そうした点も今回お話いただきました。
今回は特別に看護師さんにも3名参加いただき、その内2名は「看護ケア認定看護師」でありました。

詳しい報告は、「メリシャカ」のHPにてされているので、是非ごらんください!
『残り3ヶ月の人生だとしたら…』


今回の企画の目論見(もくろみ)は、宗教者や教団の社会へのアプローチです。
僧侶やお寺は、葬儀を縁とした「儀礼」を行うものとい理解が一般的です。もちろんそれも大切なことですが、決してそれだけではありません。

私たちがどのように生き、病み、老い、そして死んでいくか、そのことに光を与えるのが仏教のおしえです。
そこに一番、直接的に携わっている阪本さんにお話をお聞きしたわけです。
それと、客観的に話し合えるように、看護師さんにも参加いただきました。(ここの部分が今回一番期待した部分でもありました)

会の中で阪本さんがいわれていた
現時点で、死を間近にされている方に僧侶としてできることは

「何もない」

といわれていたことが印象的でした。

参加者の
「死に対するケアは、病棟の中でスタートするのではなく、日常の宗教者の活動の中にあるのでは」
という質問に対し、

「法事や月参りでのふれ合いの中にこそ、緩和ケアに繋がるものがある」と阪本さんは応えられました。


今回のイベントで、緩和ケア医療に対する、正しい認識を共有することができ、また個人的にも多くの課題をいただきました。
阪本さん、看護師のみなさん、ありがとうございました。


◆このイベントの参加費800円の中から、世界のこどもにワクチンを 日本委員会に100円ずつ寄付させてもらっています。
その旨を、万福寺のブログでお伝えしたら、読者の方から匿名で「給付金の一部を募金させてください!」と2000円の送金がありました。
この活動を始めてよかったと、本当にうれしく思いました。ありがとうございました!







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