万福寺 大三島のつれづれ

瀬戸内・大三島 万福寺の日記です。
大三島の自然の移ろいと日々の島での生活を綴ります。

つばめ

2009年05月25日 | Weblog
降誕会の終わった夜半、本堂と庫裏の間の通路の蛍光灯の笠にあるツバメの巣をフト見るとつがいのツバメがやすんでいるのが見えました。昼間は休む間もなく餌を雛に運んでいます。一羽は巣に入って雛鳥の暖となり雄ツバメは外で警戒に当たっているのでしょう。もうここにツバメが巣を作って何年になるでしょうか、30年近くにはなると思います。ここで100羽を超えるツバメが巣立っていると思いますが・・・・、この巣には相続したツバメしか帰って来ません。他のツバメは何処へ行ったやら、
 
高校時代の漢文の教科書に白居易の「燕詩 示劉叟」(ツバメの詩、劉爺さんが語った)と云うのがあったことを思い出して、書架の漢詩関係書籍を探すのに分りません。何と坊守が持って来た書籍の中に高校の教科書があって再会することができました。私と同じ大修館書店発行の教科書だったのです。半世紀も前の教科書なのです。
  梁上有雙燕 翩翩雄與雌
   梁の上に2羽のツバメが居て、ヒラリヒラリと雄と雌は飛び続けています。
  銜泥両椽間 一巣生四児 
   泥をふくんでは軒の間に巣を作り、4羽の雛が生まれました。
  四児日夜長 索食聲孜孜 
   4羽の雛は日に日に成長して、餌をを求めてチイチイと鳴いています
  青虫不易捕 黄口無飽期 
   餌の青虫はなかなか捕りにくいのですが、黄色い嘴は飽きることなく開き続けているのです。
  嘴爪雖欲弊 心力不知疲 
   親の嘴と爪は傷ついているのですが、その親心は疲れることを知りません。
  須叟十来往 猶恐巣中饑 
   わずかの間に2羽の親鳥は10回も飛来するのです。それでもまだ巣の雛たちの飢えを恐れているかのようにみえます。
  辛勤三十日 母痩雛漸肥 
   働き続けて30日、親鳥は痩せて、ヤッと雛たちは肥えて来ました。
                                (住職訳)

 この詩は5音30句15行から出来ていますが、紹介はここまでにしておきます。生き物の世界の子育てのすごさ尊さを思うと人間はなんと邪なものだと感じます。燕の餌を啄んで飛来するのに出会うと、思わず「ご苦労さん」と声をかけたくなります。 
  
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