万福寺 大三島のつれづれ

瀬戸内・大三島 万福寺の日記です。
大三島の自然の移ろいと日々の島での生活を綴ります。

哀しみは身より離れず 人の世の

2011年03月15日 | Weblog
 3/11pm2:40頃勃発した東北沖大地震の悲惨な思いを述べましたところ、らんこさんよりコメントで歌人窪田空穂(うつ

ほ)さんのお歌を送って来られました。

  哀しみは身より離れず人の世の愛あるところ添いて潜むる

 現世に生きる私どもはいつの間にか人との固い絆で支え合い、お支えをいただきながら生き、そしてそこに愛おしい情が生まれ

厚い繋がりとなっていきます。そしてその心情はそのままが哀しみ、悲痛、憂、苦しみと云う心情に逆転するのです。愛は哀、あ

ざなわれた縄のようなものと味あわせていただきながらも心はなかなか安からず・・・・・。

 今朝の朝日新聞のコラム天声人語に矢張り窪田空穂さんの短歌が紹介されていました。これらのお歌は関東大震災で燃え上がる

東京の街を肉親を捜し尋ねる心情を歌った2首、

  妻も子も死ねり死ねりとひとりごち火を吐く橋板踏みて男ゆく

  梁の下になれる娘の火中より助け呼ぶこゑを後も聞く親

 十数分前まで平穏であった街に10数㍍も超える大津波が容赦なく襲いかかり家も車も人も飲み込んで行く。猛威をふるう大津

波のリアルな画像は見るに堪えません。

 東北の津々浦々が大津波に破壊尽くされ瓦礫の街と化した写真は原爆で破壊尽くされた昭和20年の広島の写真と余りにもよく

似ているのに驚きました。私にはどうしてもあの東国の津々の街と広島の瓦礫と化した写真がオーバーラップするのです。これら

の写真は人間の生きると云う営みの慟哭そのものです。


         
         春蘭 翠蓋(すいがい)
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