
大山蓮華の花が次々と咲いています。大山蓮華はもくれん、こぶし、たいさんぼく、ほうの木などと同じ「もくれん科」の花です。これらの仲間は一様に気品の香を漂わす高貴さがあります。中でもこの「大山蓮華」(深山蓮華とも呼ばれる)は一番気高く感じられます。が、開花から2日経ちますと茶色く醜さを晒してしまうのです。まさしく小野小町の歌「花の色はうつりにけりないたづらに わが身よにふるなながめせしまに」の情感が涌いて来ます。
それはそうと「大山蓮華」の「大山」は山陰の「大山(だいせん)」だとばっかり思っていましたが、今日牧野先生の植物図鑑を開けてみて「大山(おおやま)」は奈良の「大峰山」によく自生しているので「大山蓮華」と呼ばれるようになったし、深い山奥に咲くから「深山蓮華」とも呼ばれるのである、とありました。
「大峰山」に由来しているとは又、亦懐かしい。今から50年近く前、高校生時代の夏休みに大峰山に登ったことを思い出しました。京都から朝早い電車とバスを乗り継いで登山口近くの上北山村の河合に着いたのが夕方でした。翌朝早く前鬼口から登山を開始して修験道の宿坊のある前鬼に着いたのがお昼過ぎであったことを思い出しました。その前鬼の宿坊の倅五鬼助義之(ごきじょよしゆき)君が同級生だったので大峰山へ登ったのですが、彼が我が家へ帰ると云っても大変なことだと当時思ったものです。50年も経った今はもうご両親も山の案内をして下さった叔父さんも、もうあの宿坊も無いかも知れないと思います。その後五鬼助君にもお会いしていません。
大峰から熊野にかけての修験道の道は世界の文化遺産に認定されました。平安、鎌倉時代には公卿たちが盛んに山入りをした霊山でした。この「大山蓮華」の呼び名は公卿によっているように思います。そのような気品と香りが感ぜられるのです。 住職
それはそうと「大山蓮華」の「大山」は山陰の「大山(だいせん)」だとばっかり思っていましたが、今日牧野先生の植物図鑑を開けてみて「大山(おおやま)」は奈良の「大峰山」によく自生しているので「大山蓮華」と呼ばれるようになったし、深い山奥に咲くから「深山蓮華」とも呼ばれるのである、とありました。
「大峰山」に由来しているとは又、亦懐かしい。今から50年近く前、高校生時代の夏休みに大峰山に登ったことを思い出しました。京都から朝早い電車とバスを乗り継いで登山口近くの上北山村の河合に着いたのが夕方でした。翌朝早く前鬼口から登山を開始して修験道の宿坊のある前鬼に着いたのがお昼過ぎであったことを思い出しました。その前鬼の宿坊の倅五鬼助義之(ごきじょよしゆき)君が同級生だったので大峰山へ登ったのですが、彼が我が家へ帰ると云っても大変なことだと当時思ったものです。50年も経った今はもうご両親も山の案内をして下さった叔父さんも、もうあの宿坊も無いかも知れないと思います。その後五鬼助君にもお会いしていません。
大峰から熊野にかけての修験道の道は世界の文化遺産に認定されました。平安、鎌倉時代には公卿たちが盛んに山入りをした霊山でした。この「大山蓮華」の呼び名は公卿によっているように思います。そのような気品と香りが感ぜられるのです。 住職