コミックが原作らしく登場人物も劇画調に、衣装も演技も過剰気味でコミカル。ではあるけれど、中身はなかなかにハードだ。
タイトルは密輸業者の意味で、裏社会の訳あり物を運ぶ闇の業者の話だ。例えば人間の首無し死体とか・・・。一方の首の方は別に宅配で送り届けられるのだから物騒だ。
タイトルロールの運び屋は永瀬正敏が演じている。これがはまってカッコいい。主役の妻夫木聡は役者志望のフリーターで借金で困り果てたすえ、この稼業でのバイトを斡旋される。
劇中、延々と続けられる拷問シーンがあり、これに耐えられるかどうかが評価の決め手だ。これに並ぶ拷問シーンはメル・ギブソンのキリスト受難映画「パッション」くらいしか知らない。
一応めでたく任務は遂行され、話は完結する。もしシリーズ化するとすれば永瀬の運び屋が次は何を運ぶか?、あるいはフリーター妻夫木が次はどんな困ったシチュエーションで役者魂を見せるか?、二つの路線が考えられる。タイトルから言えば前者だが。