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SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

ホステージ

2005年06月10日 | 映画(ハ行)
 冒頭、ある大都市で何か大きな事件が起こっている。すべての動きをフリーズさせた都市空間をカメラは縦横無尽に動きまわりながら、都市の様々なパーツに埋め込まれたタイトルを映し出していく見事なビジュアル。都市の俯瞰から犯人が手にした拳銃までタイトルで一挙に見せて状況を説明してしまう。
 007シリーズだとワンエピソードの後タイトルが始まるが、本作ではタイトルにエピソードが続く。
 この冒頭のエピソードがある意味でウィリスのトラウマとなり、本来ならその後の本筋で登場する少年とのやり取りがどう展開するのかが見所であろう。事実過去のウィリス作品も少年との心の交流が絡んでくるものが多いし、予告でもそのような作りを予想していたが、本作に関する限りその部分はかなりあっさりした印象である。
 「ダイハード」「パニックルーム」「交渉人」の三大作を合わせたようなブルース・ウィリスのためのハリウッド型大型企画で、もちろん大変面白い。
 ホステージの一家がネット犯罪成金という設定も現代的である。

バタフライ・エフェクト

2005年05月19日 | 映画(ハ行)
 タイムマシンで過去の事実を変えるのはタブーとされているが、これはそのタブーを繰り返してハッピーエンドを探す物語。頻繁に現れる過去のシーンは単なる回想ではなく、その時点に帰って行動を選択しなおし未来の書き換えを行っているのだということが分かってくる。身近な人の不幸に対して、「代われるものなら代わってあげたい、だけど代われない」というのが悲劇のパターンだが、本作では代わりに主人公自身に災いが降りかかると、やはりそれも困るというわけで、またそれを修復しに過去へ戻っていくところが現代的というべきか。

ホワイト・ライズ

2005年05月11日 | 映画(ハ行)
 もて過ぎる男性が、それゆえに身の回りで引き起こしてしまう出来事をミステリーのような感覚で描いた作品。男が一目ぼれした女性と男に一目ぼれした女性、さらに振られたと思った男がその後新たに婚約した女性、男に好意を寄せる女性の登場人物はこの3人と思って見過ごしてしまうが、実はほとんど気付かない4人目の女性こそが物語の流れを大きく変える役割を担っている。それは航空会社のカウンターの女性である。
 男は二度このカウンターを訪れる。最初、ビジネスクラスの席を確保するために男はやって来るが、予約でいっぱい。普通はここで終わりだ。だがカウンターの女性は彼に引かれるものがあったらしく、またトライしておくから午後4時にもう一度来てと男に告げる。この4時の再訪問がターニングポイントとなって、ラストのハッピーエンドに向かって物語りは進むのだ。いい男はやはり得だ。
 まったく関係ないが、ハリソン・フォードの「ホワット・ライズ・ビニース 」とタイトルが似ている。「ライズ」の意味は違うけど。

ハイド・アンド・シーク

2005年05月09日 | 映画(ハ行)
 本作のデ・ニーロや「レインマン」のダスティン・ホフマンなど、役者本能をくすぐる「役」というものがある。それは普通の人物像ではありえない何かを表現できるからであろう。しかし本作ではその役が要求する何かを脚本上も演出上もなんら表現しようとしていないので、果たしてデ・ニーロにとってそれほどうまみのある役であったのかどうか。しかし一番みじめなのは隣家の亭主役で、散々な目にあっておきながら一体何だったんだろう?

バッド・エデュケーション

2005年04月28日 | 映画(ハ行)
 アルモドバル監督は「オール・アバウト・マイ・マザー」、「トーク・トゥー・ハー」で女性ファンを捕え、アカデミー賞獲得で一挙にメジャーの仲間入りを果たした。それ以前の個性的作品群から一貫して鮮やかな原色の映像美が特徴である。本作のテーマは87年公開の「欲望の法則」に近いが、少年期が描かれており印象はまったく違う。劇中劇と回想が複雑な入れ子構造になった巧みな話術の中で、ラストの後日談まで目が離せない。

「ベン」のテーマ

2005年04月11日 | 映画(ハ行)
 昨夜、春の新番組「あいくるしい」を見ていたら懐かしい曲が流れてきた。それが「ベン」のテーマ。ドラマ冒頭でトイレに関するくさいエピソードが描かれており、だから「ベン」なのか・・・というのはちょっと考えすぎか。
 「ベン」というのは30年以上前の映画のタイトルで「ウィラード」という映画の続編として製作された。「ウィラード」は主人公の名前で「ベン」はもう一匹の「ソクラテス」とともに主人公と心を通わすネズミの名前。
 当時はパニック映画が一つのトレンドであったが火災、地震などの災害系作品の後、猫、ネズミ、鮫などの動物系パニックあるいはサスペンスの作品群がはやった。
 細かい内容はもう霧の彼方だが「ベン」の主題曲は今でもはっきりと頭に残っており、懐かしさが蘇って来た。歌手が誰か忘れていたのがラストのクレジットでマイケル・ジャクソンだった事がわかった。こちらも今、別の話題で渦中の人だ。この辺のあざとさ?も脚本家の好みか。