masumiノート

何を書こうかな?
何でも書こう!

クマ出ます。ココ注意!

2010年05月19日 | 日記
兵庫県森林動物研究センターでツキノワグマの出没状況を見ることができます。

ツキノワグマ目撃情報
http://www.wmi-hyogo.jp/Scripts/HS/mapDisp4.cgi/LOGIN?USERID=demo&PW=wildlife20090126

※ゆうきさんへのプレゼント記事だよ(^^)v

請負人 越後屋 №19

2010年05月19日 | 作り話

それから数ヶ月後、妻、明子の実家から電話が掛かってきた。

「もしもし、雅夫くんかい?忙しいところ済まないね。こんな事は君の耳には入れたくないと今まで遠慮していたんだが・・・」
「昨年、特約店が合併吸収で変わっただろう?以前なら請求書の事後調整があったのに、今の特約店に変わってから、にべもない態度で一切こちらの要求に応じてもらえないんだが・・・どうなっているんだい?」

石崎が心配していたことがやはり起こっていたようだ。

「おとうさん、申し訳ない。特約店が変わったこともありますが、日の丸石油との合併に因るところが大きいのです。」「そして私の力では、もうどうにも出来ないのです」

本当のことを言うとまだ事後調整は行われている。
しかしそれはごく一部の特約店や量販広域業者に限られている。
義父のような一個人の販売店はその範疇ではないのだ。

「そうか・・・。いや、確かに組合の寄り合いに出ても、私らのような販売店の者は皆、経営が苦しいと愚痴ばかりだよ。まだ私の所は恵まれていた方かも知れん。
そうそう、それから元売の流通カード(発券店値付けカード)、あれも何とかならんものかね。工業団地の傍の町玉石油さんがそれで大変な目に遭っているそうだよ。今まで掛け客としてマージン80万ほどあったものが給油代行給油手数料になって半減したらしい。
大きな特約店や最近ではリース会社や金融カード会社なんかも発券に力を入れているらしいが、そんな事をされたらワシらのような3者店は社員の給料を出せなくなってしまうよ」

・・・・・しばしの沈黙のあと、

「実は店を任せていた北口くん、君も知っているだろう?」

「ええ、店長として働いてくれていた彼ですね」

「うん。・・・その彼が辞めたんだよ」

「えっ?どうしてですか?」

「いやぁ・・・業転を取る取らないで揉めてね。 何でもインターネットをしていたら業転を勧めるようなサイトを見たとかで、『これからの時代、業転を取らないではやっていけない』なんて言うもんだから、『馬鹿な事を言うな!マークを揚げて商売しているのに、ネギやホウレン草の産地偽装みたいな事が出来るか!』と、つい怒鳴ってしまったんだよ」
「それからも何度か話し合ったんだが・・・やはり私には元売を裏切ったり消費者を欺くようなことは出来ないよ」

「それで?」

「ああ、退職願を持ってきた」

「そうですか・・・」

「それでなぁ・・・ニュータウンに大きなセルフが出来てから更に市況がガタガタになってなぁ・・・、マージンをかなり圧縮して売価を決めているんだが、それでも周辺より2円ほど高くなる」

「はい」

「この間のことなんだが、ポリ容器に軽油を買いに来た客が単価を聞くので答えたら『高い』だの『ぼったくり』だのボロカスに言われてなぁ・・・ちょっと北口のこともあって虫の居所が悪かったせいもあるんだが、ポリ容器に入れた軽油を地下タンクへ戻して、その客を追い返してやった・・・」

「はぁ・・」

「それ以来何だかやる気を無くしてなぁ・・・
正志が跡を継いでくれればと思っていたんだが、どうもその気は無いようだし・・・まあ、ガソリンスタンドはワシの代から始めたことだし、後が無くても構わんのだよ。 ただ大木の家さえ継いでくれれば」

「はい」 
答えながら石崎は胸が痛んだ。
ガソリンスタンドのこともそうだが、義父の「家を継いでほしい」という想いを、正志とその妻のまり子がどこまで理解しているか・・・

「それでな、こんな事を電話で済ませて申し訳ないんだが、ワシももう年だし、北口も居なくなってしまったし、この際店を閉めようかと考えているんだよ」

「そうですか。・・・あの明子には話されましたか?」

「いや、まだだ。先ずは世話になった君に、と思ってな」

「おとうさん、次の休日に明子とそちらに伺います。その時にゆっくり話ましょう」

そう言って、一旦電話を切った。

石崎は憂いていた。

数ヶ月前に訪れた販売店も、義父の所も・・・
高度成長期を共に歩んできた、元売りの代わりにガソリンを販売してくれていた店が苦境に立たされている。
そして今、元売の専務という肩書きがついた自分であるのに、彼らのために何の力にもなれない自分がいる。
何の為にこの会社で働いているのか?
自分は会社の操り人形でしかないのか?
考えれば考えるほど情けなかった。


つづく




※この物語はmasumiさんの被害妄想に基づくフィクションです(^^;
実在の人物及び団体とは一切関係ございません。

尚、加筆修正及びキャラの変更等もあるやも知れませぬことをお断り申しておきまする(^^;


新仕切方式の見直し

2010年05月19日 | ガソリンスタンド
5月18日 「燃料油脂新聞」より

昭和シェル 6月から卸値改定変更 系列特約店へ説明開始

現行では、前週の木曜日から当週の水曜日までの一週間(参照期間)の市場価格を参照し、
毎週木曜日に土曜から翌週金曜日(適用期間)に出荷する卸価格を特約店に提示している。

卸価格は、参照期間中の東京工業品取引所(TOCOM)の石油製品先物価格や大手調査会社の製品別卸価格情報、原油市況などを勘案して決めているが、
6月からは参照期間を設けずに、
足元の市場動向を総合的に分析して決める。

価格改定方針決定日は、毎週木曜日から金曜日に変更するが、適用期間は変更しないため、特約店には事前に提示する形だ。


このため6月以降、毎週金曜日に価格改定方針を決定、特約店に提示し、土曜日から翌週金曜日まで適用する。

・・・・・


事前って、直近じゃん!!
・・・ローリーの手配、大丈夫か?!


取りあえず、昭和シェルの発表だけど、恐らく他元売も右へ倣えになるんでしょうね(^^;


一昨年の10月、新仕切が始まった当初は、参照期間が確か一月くらい前だったと記憶しているんだけど、それだと市場の動きに追いつかなくて、元売さんの思惑が外れちゃったんだよね・・・?

で、去年の4月にも見直しがあったんだよね?

それでもまだ元売さんに都合の良い結果にはならなかったんだよね?

(?ばっかでごめんなさい。間違ってたら教えてね。)


で、今回の改訂。

これで、「下限値」がなければ、系列販売店にとっても歓迎できるものなのかも知れないんだけど。。。

「下限値」・・・・
系列100%の販売店にとってはドキドキものだぁー(@@;


日常のひとこま

2010年05月19日 | ガソリンスタンドでの出来事
今日は雨・・・明日も降るみたい。

さっき来たお客さん、工事関係のお仕事されているのかな?
給油中に運転席でお弁当を食べ始めた。
(そういう方、結構多いんです)

「愛妻弁当?」

頷きながら
「ご飯、硬いんですよ」と苦笑いの男性

タイヤに目をやるとエア圧低下してるみたい・・・ふにゃってなってる。

「空気減ってるみたいなんで、給油が終わったらちょっとあっちへ移動してね」

食い意地の張っている私の眼はついお弁当の中身に吸い寄せられる(^^;

「凄い、愛情一杯のお弁当やね」

「え?」

「めっちゃ、手、こんでるやん」

「見えました?」

「うん(^^; 」

「手、込んでますかね?」

「だって卵焼きにもおネギさんと人参入ってたし、彩りもキレイで、このお弁当には絶対愛情がたっぷりこもってるよ」

「そうですか?他のお弁当知らないからなぁ・・・」

「空気、入れ終わったけど、ここでゆっくり食べてから行きぃや」

「いいんですか?」

「ええよ。奥さんに感謝して食べや」

「はい(^^)」


ねえ、みんなお昼ごはんもそんな感じでかきこんで食べて、仕事頑張ってるよ。

ほんま、みんな頑張ってるよ。



請負人 越後屋 №18

2010年05月19日 | 作り話
その後、石崎は仕事の合間を縫って自分が若い頃に開業に関わった販売店を訪ねて回る事にした。

最初は皆懐かしがってくれたが、話し込むほどに愚痴になる。
やはりどこも似たり寄ったりのようだ。

規制緩和で異業種参入が認められ、ホームセンターでも灯油を販売するようになり、巡回販売の業者も増えた。彼らは業者間転売ルートでの流通になるので価格に差が出来る。
しかも大口取引になるので、仕入値の差は更に開いている筈だ。

又、経費削減の一環として社有車両をリース車に変えたり、全国流通の元売カードでの給油に切り替えたりする取引先の企業も増え、燃料油のマージン圧縮はもちろん、オイル交換などの油外収益も望めなくなったという。

個人客にしても、セルフや広域業者の安さを売りにする店に客足を奪われ、灯油も巡回販売の業者やホームセンターで購入する人が増え、冬場でも昔ほどの量が出なくなったという。

田舎の方でも以前は農家自らが農作業をしていたので農繁期には農機具用の軽油配達も忙しかったのが、高齢化などで農協に委託する所が増えたせいで、それも無くなった。

そういう変化がここ数年で急激に起こったのだ。

どこも皆言うことは同じだ。

「いったいどうなっているのか?」
「社員にボーナスを支給するため、役員報酬を取れない月が年に数回ある」
「自分の給料を取れないどころか、預貯金を崩さなければ支払いができない月がある」
「自分の所の仕入値から考えたら、あんな売価で余所は皆どうしてやっていけているのか?」


特石法が廃止され、大手商社が韓国などから安いガソリンを輸入してPB(プライベートブランド)のガソリンスタンドで販売した。
元売も、元売の資本が入っていたり、取引量が多い特約店や広域業者などへは差別対価で安く卸すので、そういった販売店は大手商社のPB価格に対抗することが出来るが、高値で卸される一販売店にはその市況価格に追随することは不可能に近いのだが、

・・・ここが他業種から馬鹿にされる所でもあるのだが、「この業界は勘定では無く感情で商売をしている」、と。
つまり、「隣の店が○○円なら俺の所はそれより1円下げて売ってやる」といった具合だ。

利益も出せないまま、そういった形で価格競争に巻き込まれているのだ。

消費者にとってはガソリン価格が安くなるのは大歓迎だろう。

「スタンドの数が多すぎる、もっと淘汰されるべきだ」
「経営努力をしてこなかった店が潰れるのは自業自得だ」といった声もある。

確かに、接客力の向上や経営戦略といったことに無頓着な経営者が多いことも事実だ。

消費者は、系列と業転という2本ある燃料の流通ルートのことなど知らない。
古い店より新しい店、高い店より安い店を選ぶのは当然だ。
又、大手商社や広域業者の方は接客技法などセミナーで社員教育をしており、その点でも勝っている。

しかし、生業的に営業している個人が、「ならば!」と5千万から一億も掛かる新店舗を大企業のように簡単に建てられる筈もないし、少ない人員ではセミナーに参加させることもままならないであろう。

あまりにも違う資本力の前ではどうしたって太刀打ちできない。
それに又、差別対価という仕切り値の違い・・・言ってみれば自分の力ではどうしようもない所で闘わされているようなもので、そんな勝負の勝敗は最初から決まっているようなものなのだ。

それでも中には、経営手腕に優れた経営者の下で、この厳しい状況の中でも業績を伸ばしている販売店も確かに在る。

だが、ただ真面目なだけが取り柄といった経営者が多いのだ。

「同じ土俵なら、地場でやっている私たちが負ける筈はないのに」

これがそういった経営者たちの思いだ。


つづく



※この物語はmasumiさんの被害妄想に基づくフィクションです(^^;
実在の人物及び団体とは一切関係ございません。

尚、加筆修正及びキャラの変更等もあるやも知れませぬことをお断り申しておきまする(^^;