日々、心のつぶやき☆

映画やフィギュアや好きな事を勝手につづっています。最近、弱気なのでダニエウ・アウヴェスのようなタフさが欲しいです。

「パリ20区、僕たちのクラス」

2011-04-14 20:41:32 | 映画・DVD・音楽・TV・本など


「パリ20区、僕たちのクラス」をDVDで観ました。
2008年製作のフランス映画。
カンヌ国際映画祭で最高のパルム・ドールも受賞。
まるでドキュメンタリー映画のようでそうではないと知ってびっくり。
ちょっと異色の作品でした。


おもな内容は・・・

原作の小説「教室へ」を書いた実際の教師フランソワ・ベゴドーが映画の中でも国語の教師役として出演。
そのフランソワのクラスでは移民の子が多く、言語や宗教、そして家庭の複雑な事情もさまざま。
教師と24人の生徒のまさに体当たりのような迫真の演技を最後まで見せながら、フランスの教育現場をそのままさらけ出しているような内容です。

もう最初から最後まで大きな展開はなく、ただ個性豊かな反抗気味な生徒に四苦八苦する様子がいっぱい。
教師のフランソワもそれぞれの事情を知った上で根気強く国語(この場合フランス語)を教えようと一生懸命。
その情熱にも頭がさがります。

そんなフランソワもある時怒りが抑えられず生徒に失言。
その言葉をきっかけにさらに収支がつかなくなるこのクラス。
次々と出てくる生徒の暴言バトルにはフランソワもお手上げか・・・

スレイマンという黒人の男子生徒は学校に勉強道具さえ持ってこない。
そして怠惰な学習態度や他の生徒にケガを負わせた事から退学処分になってしまうのです。
スレイマンを嫌う多くの先生方の言葉を聞いて、フランスの教師も日本と変わらないな~と思ってしまった。
特に女性教師は勉学に励む真面目な生徒を好み・・・と言うよりも扱い易い生徒を好む傾向が強いです。
だから生徒の処遇を話し合う会議でも想像通りの展開が。

生徒に対する判定会議にクラスの代表も出るのは面白かったです。
この辺はすごく革新的な感じ。
でもいろんな教師がいるけれど、生徒の事を考えるよりも好き嫌いを優先する空気もありますね。
そんな様子を見ていると「やっぱりイヤなヤツが多いな・・・」と嫌悪感を感じます。
フランソワはそんな教師に比べると、スレイマンに写真を使った自己表現をさせてあげたりと一生懸命でした。
でもやはり教育って難しい・・・

フランスのパリだけでなく、多くの国でいろんな問題があると思うけれど、この映画ではまさに現在の教育現場を表現するだけでも意味があると思いました。
スレイマンは結局学校を去る事になるけれど、彼が毎日ちゃんと学校に来ていた事は大きな意味があるように感じました。

一方、最後の方で「私は何も学ばなかった・・・」とフランソワに伝えた女子生徒の言葉は重かったですね・・・
学ぶ事、学問を理解する事、そこまでの領域には決して行けない生徒が何人もいる事・・・
そんな課題をストレートに出してくれた作品でした。


この映画は観る人によって評価がわかれると思います。
何も大きな展開がないし、ほぼ教室内のバトル、たまに中庭や校庭のシーン。
フランソワと生徒達の表情がまたいろんな意味を投げかけているようでした。


今回の評価は・・・   星3つ    ☆☆☆


   

   

   

   



   



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