さぁ、久しぶりにイーサン・ホークの作品です
1999年の映画ですのでもう10年前の作品ですね。
当時、工藤夕貴との共演と言う事でマスコミの反響など少しだけ覚えています。
今回、CS放送で初めて鑑賞。
この頃はイーサンは29歳くらいでした。
まだ若くて表情一つ一つが素敵でした。
「シャイン」のスコット・ヒックス監督の作品。
舞台はワシントン州ピュージェット湾北部サン・ピエドロ島(架空ですが)
ちょうど真珠湾攻撃の前頃から第二次世界大戦時の在米日本人や日系人の
強制抑留などを描いていますがとても貴重な背景だと思います。
物語全般が暗い重い天候で雪深いシーンばかり。
でもこれが特に重厚さを出しました。
幼い頃から仲が良かったイシュマエル(イーサン)とハツエ(工藤夕貴)が
大人になるにつれて人種差別や日米の関係にとても苦しむ展開。
とある殺人事件からハツエの夫が逮捕されて法廷で審議される「本当の正義とは?!」というテーマを訴える内容。
当時、あまり語り継がれていないアメリカに住む日本人や日系人はどのような
処遇を受けたのか・・・いろいろ考える場面が多くありました。
ハツエの少女時代を鈴木杏ちゃんが好演。
とてもキラキラした魅力でかわいかったです。
それからイシュマエルの父親役サム・シェパードの存在もすごく良いです。
地元新聞社として決して自国アメリカ寄りな考えではなく信念を持って正義感を表す存在。
そんな父親の影響を受けたイシュマエルも立派に父の後を継ぎます。
タイプライターの音が響くシーンが何とも言えない・・・
法廷では老弁護士役のマックス・フォン・シドーがとっても良かった~
もう身体も老いて咳き込んでばかりで・・・
でも法廷に立つと「私はもういつでも死を感じながらこの場に立っている」・・・そんなような言葉を言います。
命を懸けて本当の正義とは?と訴えているのでしょう。
それほど味のある老練の弁護士でした。
全体的に無駄なセリフがなく、言葉一つ一つに重みがありました。
舞台は暗いのにすごく染み渡るような内容で、心に訴えるものがいっぱいありました。
イーサンの切ない演技やその当時の時代背景の中でも「本当の正義」を考える人々。
観終わってからもジーンと心に残る良質な作品だったと思います。
今回の評価は・・・ 星4つ ☆☆☆☆
とにかくイーサン・ホークが美しい。
最初から雪の寒いシーンが多かったので気が付かなかったのですが・・・
口で手袋をはめるシーン・・・そういうことだったのね。
父親役のサム・シェパードです。
こんな父親がいたら最高だな・・・
老弁護士役のマックス・フォン・シドー
とても存在感のある真の男って感じ。