[期日不明 天候:風雨 場所:不明だが、何かの大型船内]
こ、ここはどこだ……?
船の中……?
船は大きく揺れている。
薄暗い船室だ。
とにかく、外に出なければ……。
私は起き上がると、部屋のドアを開けようとした。
だが、開かない。
どうやら、4桁のナンバーロック式の鍵になっていて、番号を合わせないと開かないようだ。
ドアノブの下には、メモ書きが貼られていた。
『大石寺の番地』
愛原:「な、何だこりゃ……?」
その時、丸窓の外からバシャーッという水の音がした。
まるで、外からバケツ一杯の水を思いっ切りブッ掛けられたかのようだ。
外は嵐だった。
それで船が大きく揺れているのだ。
小型船なら、ひとたまりも無い中をこの大型船は航行を続けている。
船室にいた方が安全なのかもしれないし、実は甲板で既に避難が開始されているのかもしれない。
とにかく、船員を捕まえて何が起きているのか聞いた方がいいだろう。
私は船室内を探し回った。
どうして私はここにいるだろう?
それ以前に、ここは私の船室なのだろうか?
テーブルの下に散乱した書類には、『夏期講習のお知らせ』とか書いてあった。
そして、そこには大石寺の住所が。
愛原:「富士宮市上条2057か。これだ!」
私は4桁のシリンダーを回した。
すると、カチッという開錠音が聞こえた。
愛原:「よし!」
私がドアを開けた時だった。
乗客A:「火事だ!爆発だ!」
乗客B:「逃げろーっ!」
船室前の廊下が大騒ぎになっていた。
乗客と思しき人達が何人も、私の前を右から左へと走って行く。
そして、ボンッという音と共に、右側の廊下の奥で爆発が起き、そこから炎が見えた。
火事か?!
こりゃまずい!
私も他の乗客と共に、左方向へと逃げた。
ゾンビA:「アァア……!」
ゾンビB:「ウゥウ……!」
途中の船室のドアから、それを開けてゾンビ化した乗客達が襲って来る。
バイオハザードが起きていたのか!?
私はゾンビ達の攻撃を交わした。
ゾンビ達は足を引きずったり、酔っ払いの千鳥足のような感じで私を追って来る。
もちろん、そんな足取りでは速く追い掛けることはできない。
私は彼らを振り切ると、廊下の角を曲がった。
愛原:「あっ!?」
しかし、そこは行き止まりになっていた。
厳密に言えば行き止まりではないのだが、エレベーターがあった。
豪華客船よろしく、シックな装飾が施されたドアがある。
今、船内は非常事態だろうに、エレベーターなんて動いているのだろうか。
私が呼び出しボタンを押すと、ランプが点いた。
しかし、すぐにドアは開かない。
ゾンビA:「アァア……!」
ゾンビB:「ウゥウ……!」
ゾンビC:「ゥアアッ……!」
ゾンビ達は動きは遅いながらも、私を追いかけて来た。
しかも、何か増えている。
更に言えば、今の私は丸腰だ。
とてもじゃないが、今の状態ではゾンビと戦えそうにない。
早く……!早く来てくれ!
エレベーターにはインジゲーターが無いので、カゴが今どこにいるのかは分からない。
ボタンを押したらランプが点いたので、動いてはいるようだが……。
チーン!
おおっ、やった!
ようやくやってきたのか、古めかしいチンベルが鳴ってドアが開いた。
まるで、仏壇の鈴のような音色だ。
幸いエレベーターには、誰も乗っていなかった。
どこへ行けばいいのか分からないが、上に行けばいいだろうか?
どっちみち、船橋(ブリッジ)とかは上にあるだろうし、船が沈没する時、船底から水が溜まる。
うん、上に行くのがいいだろう。
私は最上階のボタンを押した。
愛原:「!?」
そして、『閉』のボタンを押そうとした時、ゾンビ達の集団の先頭に目をやった。
そこで私は固まった。
先頭にいたのは……。
愛原ゾンビ:「アァア……!」
え……?何で……?
何で私がいるの……?
え?ドッペルゲンガー???
そ、それとも、私のそっくりさん?
ブーッ!
まるで私の予想がハズレであるかのように、ブザーが鳴ってドアが閉まった。
ドアが閉まると同時に、ゾンビ達が外側のドアに辿り着き、バンバン叩いて喚いている。
しかし、エレベーターが上に動くと、そんな喚き声も聞こえなくなっていった。
よし、何とかこれで逃げ切ったぞ。
問題は上に着いてからだ。
上が安心安全であることの保証なんて、どこにも無いからな。
案外、下よりも危険だったりして。
そんなことを考えていた時だった。
ドォーン!
愛原:「うわっ!?」
突然、何かが爆発するような音がして、エレベーターが大きく揺れた。
しかもその衝撃でエレベーターが止まってしまった。
お、おい!冗談じゃないぞ!こんな所で止まるなんて!
私が非常ボタンを押しても、何の反応も無い。
『開』のボタンや他の階のボタンを押しても、うんともすんとも言わない。
そうこうしているうちに、もう一度爆発が起きた。
愛原:「わあっ!?」
そして、その爆発の衝撃のせいか、今度はカゴ内が停電してしまった。
次に、今度はエレベーターが下に落ちて行く。
愛原:「や、やばい!!」
これはロープが切れたか何かして、最下部まで落下するパターンだ!
私はジャンプして、落下の衝撃に備えた。
そして、ジャンプした瞬間、エレベーターは最下部まで落ちた。
た、助かったか……?
愛原:「お、これは?」
落ちた時のショックのせいか、ドアが少しだけ開いた。
その隙間から、明かりが漏れてくる。
だが、ただの明かりではないようだ。
オレンジ色の光だが、何となく熱くて焦げ臭い。
そうだった!
船内は火事を起こしているのだった。
船底に落ちたのかもしれないが、急いで脱出しないと、ここで焼け死んでしまう。
私はドアをこじ開けた。
愛原:「ん!?」
だが、おかしいことに気づいた。
エレベーターのドアは内側(カゴ側)と外側(フロア側)に分かれている。
で、どちらも引き戸のはずだ。
内側のドアは確かに両開きの引き戸だったが、外側のドアは更に外側に開けるタイプのドアだったのだ。
こ、これはあれだろうか?
最下層のフロアどころか、更に下の機械室まで落ちたということなのだろうか?
その割には何だか古めかしい木製のドアだ。
私がそれを開けると、とんでもない光景が広がっていた。
それは……。
こ、ここはどこだ……?
船の中……?
船は大きく揺れている。
薄暗い船室だ。
とにかく、外に出なければ……。
私は起き上がると、部屋のドアを開けようとした。
だが、開かない。
どうやら、4桁のナンバーロック式の鍵になっていて、番号を合わせないと開かないようだ。
ドアノブの下には、メモ書きが貼られていた。
『大石寺の番地』
愛原:「な、何だこりゃ……?」
その時、丸窓の外からバシャーッという水の音がした。
まるで、外からバケツ一杯の水を思いっ切りブッ掛けられたかのようだ。
外は嵐だった。
それで船が大きく揺れているのだ。
小型船なら、ひとたまりも無い中をこの大型船は航行を続けている。
船室にいた方が安全なのかもしれないし、実は甲板で既に避難が開始されているのかもしれない。
とにかく、船員を捕まえて何が起きているのか聞いた方がいいだろう。
私は船室内を探し回った。
どうして私はここにいるだろう?
それ以前に、ここは私の船室なのだろうか?
テーブルの下に散乱した書類には、『夏期講習のお知らせ』とか書いてあった。
そして、そこには大石寺の住所が。
愛原:「富士宮市上条2057か。これだ!」
私は4桁のシリンダーを回した。
すると、カチッという開錠音が聞こえた。
愛原:「よし!」
私がドアを開けた時だった。
乗客A:「火事だ!爆発だ!」
乗客B:「逃げろーっ!」
船室前の廊下が大騒ぎになっていた。
乗客と思しき人達が何人も、私の前を右から左へと走って行く。
そして、ボンッという音と共に、右側の廊下の奥で爆発が起き、そこから炎が見えた。
火事か?!
こりゃまずい!
私も他の乗客と共に、左方向へと逃げた。
ゾンビA:「アァア……!」
ゾンビB:「ウゥウ……!」
途中の船室のドアから、それを開けてゾンビ化した乗客達が襲って来る。
バイオハザードが起きていたのか!?
私はゾンビ達の攻撃を交わした。
ゾンビ達は足を引きずったり、酔っ払いの千鳥足のような感じで私を追って来る。
もちろん、そんな足取りでは速く追い掛けることはできない。
私は彼らを振り切ると、廊下の角を曲がった。
愛原:「あっ!?」
しかし、そこは行き止まりになっていた。
厳密に言えば行き止まりではないのだが、エレベーターがあった。
豪華客船よろしく、シックな装飾が施されたドアがある。
今、船内は非常事態だろうに、エレベーターなんて動いているのだろうか。
私が呼び出しボタンを押すと、ランプが点いた。
しかし、すぐにドアは開かない。
ゾンビA:「アァア……!」
ゾンビB:「ウゥウ……!」
ゾンビC:「ゥアアッ……!」
ゾンビ達は動きは遅いながらも、私を追いかけて来た。
しかも、何か増えている。
更に言えば、今の私は丸腰だ。
とてもじゃないが、今の状態ではゾンビと戦えそうにない。
早く……!早く来てくれ!
エレベーターにはインジゲーターが無いので、カゴが今どこにいるのかは分からない。
ボタンを押したらランプが点いたので、動いてはいるようだが……。
チーン!
おおっ、やった!
ようやくやってきたのか、古めかしいチンベルが鳴ってドアが開いた。
まるで、仏壇の鈴のような音色だ。
幸いエレベーターには、誰も乗っていなかった。
どこへ行けばいいのか分からないが、上に行けばいいだろうか?
どっちみち、船橋(ブリッジ)とかは上にあるだろうし、船が沈没する時、船底から水が溜まる。
うん、上に行くのがいいだろう。
私は最上階のボタンを押した。
愛原:「!?」
そして、『閉』のボタンを押そうとした時、ゾンビ達の集団の先頭に目をやった。
そこで私は固まった。
先頭にいたのは……。
愛原ゾンビ:「アァア……!」
え……?何で……?
何で私がいるの……?
え?ドッペルゲンガー???
そ、それとも、私のそっくりさん?
ブーッ!
まるで私の予想がハズレであるかのように、ブザーが鳴ってドアが閉まった。
ドアが閉まると同時に、ゾンビ達が外側のドアに辿り着き、バンバン叩いて喚いている。
しかし、エレベーターが上に動くと、そんな喚き声も聞こえなくなっていった。
よし、何とかこれで逃げ切ったぞ。
問題は上に着いてからだ。
上が安心安全であることの保証なんて、どこにも無いからな。
案外、下よりも危険だったりして。
そんなことを考えていた時だった。
ドォーン!
愛原:「うわっ!?」
突然、何かが爆発するような音がして、エレベーターが大きく揺れた。
しかもその衝撃でエレベーターが止まってしまった。
お、おい!冗談じゃないぞ!こんな所で止まるなんて!
私が非常ボタンを押しても、何の反応も無い。
『開』のボタンや他の階のボタンを押しても、うんともすんとも言わない。
そうこうしているうちに、もう一度爆発が起きた。
愛原:「わあっ!?」
そして、その爆発の衝撃のせいか、今度はカゴ内が停電してしまった。
次に、今度はエレベーターが下に落ちて行く。
愛原:「や、やばい!!」
これはロープが切れたか何かして、最下部まで落下するパターンだ!
私はジャンプして、落下の衝撃に備えた。
そして、ジャンプした瞬間、エレベーターは最下部まで落ちた。
た、助かったか……?
愛原:「お、これは?」
落ちた時のショックのせいか、ドアが少しだけ開いた。
その隙間から、明かりが漏れてくる。
だが、ただの明かりではないようだ。
オレンジ色の光だが、何となく熱くて焦げ臭い。
そうだった!
船内は火事を起こしているのだった。
船底に落ちたのかもしれないが、急いで脱出しないと、ここで焼け死んでしまう。
私はドアをこじ開けた。
愛原:「ん!?」
だが、おかしいことに気づいた。
エレベーターのドアは内側(カゴ側)と外側(フロア側)に分かれている。
で、どちらも引き戸のはずだ。
内側のドアは確かに両開きの引き戸だったが、外側のドアは更に外側に開けるタイプのドアだったのだ。
こ、これはあれだろうか?
最下層のフロアどころか、更に下の機械室まで落ちたということなのだろうか?
その割には何だか古めかしい木製のドアだ。
私がそれを開けると、とんでもない光景が広がっていた。
それは……。