[11月20日12:15.天候:晴 長野県北部山中 マリアの屋敷]
山道を走っていたかと思った車が、突然脇道に入った。
それは何かの林道のような道であったが、未舗装の道であった。
稲生宗一郎:「おいおい!どんどん辺鄙な場所に入って行くぞ!?大丈夫か?!」
稲生佳子:「随分とガダガタの道ねぇ……」
稲生勇太:「いつもこんなもんだよ」
そして、車はレンガ造りのトンネルに差し掛かる。
道自体は1車線しか無いものだったが、トンネルもまたそうだった。
旧天城トンネルなども石造りのトンネルで、洞内もガス灯を模したナトリウムランプが灯っているが、こちらは洞内には一切照明が無い。
ロンドンタクシーはトンネルに入ると同時に、ヘッドランプを点灯した。
ハイビームで前方を照らすが、それでも出口は見えない。
宗一郎:「随分長いトンネルなんだな?」
勇太:「若干カーブしているからというのもあるけどね」
佳子:「何だか気味が悪いわね。こんな所で事故にでも遭ったら大変よ」
勇太:「大丈夫だよ」
そう話しているうちに、ふわっと浮くような感覚に襲われる。
宗一郎:「おわっ、何だ!?」
急な下り坂に入ったのだ。
そして、突然目の前が明るくなる。
出口が見えなかったのは、下にあったからである。
急坂を降ったら、出口が現れた。
そして、その出口を出ると……。
佳子:「わぁ……!立派な御屋敷……!」
3階建ての洋館が現れた。
宗一郎:「まるでヨーロッパの貴族の屋敷だ。まさか、ここに?」
勇太:「そう。ここに住み込みの弟子をやらせてもらってるの」
佳子:「イリーナ先生がお住まいというのは納得だけど、こんな立派な御屋敷に勇太が住んでご迷惑じゃないの?」
マリア:「そんなことないですよ」
車は正面玄関前のロータリーをぐるっと回り込み、エントランス前で止まった。
マリア:「到着です。お疲れさまでした」
宗一郎:「本当に、こんな凄い邸宅に滞在させてもらっていいのかい?」
マリア:「はい。師匠も歓待しております」
エントランスからメイド服を着たマリアの人形達が数人やってくると、車のドアを開けた。
勇太:「さあ、降りて降りて」
ダニエラ:「お帰りなさいませ」
ミカエラ:「いらっしゃいませ」
クラリス:「遠路遥々、ようこそお越しくださいました」
白馬駅では緊張していたマリアだったが、今度は勇太の両親が緊張する番だった。
宗一郎:「ど、どうも……」
そして、正面エントランスから中に入る。
イリーナ:「やあやあ、よく来てくれましたねぇ……」
イリーナはいつもの服装のままであり、いつもそうしているように、両目を細めて宗一郎達を出迎えた。
佳子:「お、お世話になります」
宗一郎:「先生程の御方であれば至極当然でしょうに、しかしあまりにも想定外の大豪邸に、少々緊張しております」
イリーナ:「そうですねぇ……。今思えば、何もこんなに大きい家建てなくても良かったかなと、少々後悔しておりますのよ」
勇太:「父さん。この屋敷は、何も先生方が住むだけのものじゃなくて、ダンテ一門が日本で何か儀式を行なおうとする時の拠点でもあるんだ。確かに通常なら、かなり広すぎる屋敷だけど、このキャパが必要な時は必要なんだよ」
そしてもう1つ。
魔界王国アルカディアとの出入口にも使用される。
イリーナ:「勇太君、御両親は長旅でお疲れでしょう。まずは、ゲストルームに御案内致しましょう。そこでゆっくりお寛ぎください」
宗一郎:「お心遣い、恐れ入ります」
マリア:「ミカエラ」
ミカエラ:「かしこまりました」
佳子:「あら?あなたは、たまにマリアさんと一緒に来る……」
ミカエラ:「メイド人形のミカエラでございます。求めに応じ、人形形態でも人間形態でも対応させて頂きます」
現在はメイドの勤めの為、人間形態である。
ミカエラ:「ご案内させて頂きます。お荷物、お預かり致します」
ミカエラが両親の荷物をヒョイと両手で持ち上げる。
勇太:「2階にゲストルームがいくつかあるんだ。そこだよ」
宗一郎:「そうなのか」
屋敷の東側2階に向かう。
因みに勇太の部屋も、この界隈にある。
ミカエラが持っていた鍵で、とある客室の鍵を開錠した。
ミカエラ:「こちらでございます」
中に入ると……。
勇太:「僕の部屋より立派だ」
さすがの勇太も、全部の部屋に入ったわけではない。
勇太の身分は住み込みの弟子であるからして、けしてこの屋敷の管理を任されているわけではないのだ。
宗一郎:「これはまた立派な部屋だ」
佳子:「本当ね。クラシカルなデラックスツインって感じね」
確かに、シティホテルのクラシックな雰囲気をモチーフにした部屋といった感じだった。
それとて宿泊費はそれなりにするだろうが、さすがにスイートルームほどの部屋ではなかった。
宗一郎:「こんな感じの部屋、シティホテルで泊まったら一泊数万円もするよ。本当にいいの?」
マリア:「構いませんよ。気に入ってもらえたようで良かったです」
しかし、ホッとするマリアの横で勇太がそっと耳打ち。
勇太:「ホテルモントレの客室デザインを参考にしたって言わなくていいの?」
マリア:「シッ、黙ってろ!」
宗一郎:「えっ、何が?」
マリア:「な、何でもありません!」
クラリス:「皆様、昼食の用意ができてございます。荷物を置かれましたら、1階の大食堂で御案内させて頂きます」
宗一郎:「そ、そうか。確かに、先生をお待たせしてはいけないね。佳子、行こう」
佳子:「ええ」
勇太達は部屋を出ると、今度は1階西側大食堂へ移動した。
宗一郎:「こりゃまた大きな食堂だ。まるでバンケットホールみたいだ」
イリーナ:「さあ、こちらへどうぞ」
イリーナは最も上座である、長方形のテーブルの短辺部分且つ暖炉の前には座らなかった。
座ったのは、その横の次席部分。
宗一郎:「他に、どなたかいらっしゃるのですか?」
宗一郎は空席となっている上座を見て言った。
イリーナ:「恐らく本日は空席のままでしょう」
宗一郎:「本日『は』?」
イリーナ:「私はこの屋敷を預かっているだけに過ぎません。この屋敷の本当のオーナーは別にいるのです。言わば、私は表向きのオーナーなのです」
勇太:「その席は大師匠様の御席なんだよ。ダンテ流魔法門の創始者、ダンテ・アリギエーリ様は、イリーナ先生の先生なんだ。僕達は孫弟子ということになる」
宗一郎:「イリーナ先生でさえ凄い御方なのに、その御師匠様がいらっしゃるとは……」
イリーナ:「私は1期生の中でも落ち零れでして、よくダンテ先生からは『お説教』されてますの。1期生の中では、『最も説教されている者』として有名だったりしますわ」
宗一郎:「そ、そんな御謙遜を……」
佳子:「そうですよ。うちの勇太や、マリアさんという御弟子さんを抱えていらっしゃるではありませんか」
イリーナ:「『お前もいい歳だし、いつまでも自由気ままにやるんでなくて、弟子の1人や2人くらい取れ』と尻を叩かれまして……」
宗一郎:「あ、はは……。そ、それはそれは……」
イリーナ:「それより、昼食にしましょう」
こうして、まずは昼食会が始まった。
山道を走っていたかと思った車が、突然脇道に入った。
それは何かの林道のような道であったが、未舗装の道であった。
稲生宗一郎:「おいおい!どんどん辺鄙な場所に入って行くぞ!?大丈夫か?!」
稲生佳子:「随分とガダガタの道ねぇ……」
稲生勇太:「いつもこんなもんだよ」
そして、車はレンガ造りのトンネルに差し掛かる。
道自体は1車線しか無いものだったが、トンネルもまたそうだった。
旧天城トンネルなども石造りのトンネルで、洞内もガス灯を模したナトリウムランプが灯っているが、こちらは洞内には一切照明が無い。
ロンドンタクシーはトンネルに入ると同時に、ヘッドランプを点灯した。
ハイビームで前方を照らすが、それでも出口は見えない。
宗一郎:「随分長いトンネルなんだな?」
勇太:「若干カーブしているからというのもあるけどね」
佳子:「何だか気味が悪いわね。こんな所で事故にでも遭ったら大変よ」
勇太:「大丈夫だよ」
そう話しているうちに、ふわっと浮くような感覚に襲われる。
宗一郎:「おわっ、何だ!?」
急な下り坂に入ったのだ。
そして、突然目の前が明るくなる。
出口が見えなかったのは、下にあったからである。
急坂を降ったら、出口が現れた。
そして、その出口を出ると……。
佳子:「わぁ……!立派な御屋敷……!」
3階建ての洋館が現れた。
宗一郎:「まるでヨーロッパの貴族の屋敷だ。まさか、ここに?」
勇太:「そう。ここに住み込みの弟子をやらせてもらってるの」
佳子:「イリーナ先生がお住まいというのは納得だけど、こんな立派な御屋敷に勇太が住んでご迷惑じゃないの?」
マリア:「そんなことないですよ」
車は正面玄関前のロータリーをぐるっと回り込み、エントランス前で止まった。
マリア:「到着です。お疲れさまでした」
宗一郎:「本当に、こんな凄い邸宅に滞在させてもらっていいのかい?」
マリア:「はい。師匠も歓待しております」
エントランスからメイド服を着たマリアの人形達が数人やってくると、車のドアを開けた。
勇太:「さあ、降りて降りて」
ダニエラ:「お帰りなさいませ」
ミカエラ:「いらっしゃいませ」
クラリス:「遠路遥々、ようこそお越しくださいました」
白馬駅では緊張していたマリアだったが、今度は勇太の両親が緊張する番だった。
宗一郎:「ど、どうも……」
そして、正面エントランスから中に入る。
イリーナ:「やあやあ、よく来てくれましたねぇ……」
イリーナはいつもの服装のままであり、いつもそうしているように、両目を細めて宗一郎達を出迎えた。
佳子:「お、お世話になります」
宗一郎:「先生程の御方であれば至極当然でしょうに、しかしあまりにも想定外の大豪邸に、少々緊張しております」
イリーナ:「そうですねぇ……。今思えば、何もこんなに大きい家建てなくても良かったかなと、少々後悔しておりますのよ」
勇太:「父さん。この屋敷は、何も先生方が住むだけのものじゃなくて、ダンテ一門が日本で何か儀式を行なおうとする時の拠点でもあるんだ。確かに通常なら、かなり広すぎる屋敷だけど、このキャパが必要な時は必要なんだよ」
そしてもう1つ。
魔界王国アルカディアとの出入口にも使用される。
イリーナ:「勇太君、御両親は長旅でお疲れでしょう。まずは、ゲストルームに御案内致しましょう。そこでゆっくりお寛ぎください」
宗一郎:「お心遣い、恐れ入ります」
マリア:「ミカエラ」
ミカエラ:「かしこまりました」
佳子:「あら?あなたは、たまにマリアさんと一緒に来る……」
ミカエラ:「メイド人形のミカエラでございます。求めに応じ、人形形態でも人間形態でも対応させて頂きます」
現在はメイドの勤めの為、人間形態である。
ミカエラ:「ご案内させて頂きます。お荷物、お預かり致します」
ミカエラが両親の荷物をヒョイと両手で持ち上げる。
勇太:「2階にゲストルームがいくつかあるんだ。そこだよ」
宗一郎:「そうなのか」
屋敷の東側2階に向かう。
因みに勇太の部屋も、この界隈にある。
ミカエラが持っていた鍵で、とある客室の鍵を開錠した。
ミカエラ:「こちらでございます」
中に入ると……。
勇太:「僕の部屋より立派だ」
さすがの勇太も、全部の部屋に入ったわけではない。
勇太の身分は住み込みの弟子であるからして、けしてこの屋敷の管理を任されているわけではないのだ。
宗一郎:「これはまた立派な部屋だ」
佳子:「本当ね。クラシカルなデラックスツインって感じね」
確かに、シティホテルのクラシックな雰囲気をモチーフにした部屋といった感じだった。
それとて宿泊費はそれなりにするだろうが、さすがにスイートルームほどの部屋ではなかった。
宗一郎:「こんな感じの部屋、シティホテルで泊まったら一泊数万円もするよ。本当にいいの?」
マリア:「構いませんよ。気に入ってもらえたようで良かったです」
しかし、ホッとするマリアの横で勇太がそっと耳打ち。
勇太:「ホテルモントレの客室デザインを参考にしたって言わなくていいの?」
マリア:「シッ、黙ってろ!」
宗一郎:「えっ、何が?」
マリア:「な、何でもありません!」
クラリス:「皆様、昼食の用意ができてございます。荷物を置かれましたら、1階の大食堂で御案内させて頂きます」
宗一郎:「そ、そうか。確かに、先生をお待たせしてはいけないね。佳子、行こう」
佳子:「ええ」
勇太達は部屋を出ると、今度は1階西側大食堂へ移動した。
宗一郎:「こりゃまた大きな食堂だ。まるでバンケットホールみたいだ」
イリーナ:「さあ、こちらへどうぞ」
イリーナは最も上座である、長方形のテーブルの短辺部分且つ暖炉の前には座らなかった。
座ったのは、その横の次席部分。
宗一郎:「他に、どなたかいらっしゃるのですか?」
宗一郎は空席となっている上座を見て言った。
イリーナ:「恐らく本日は空席のままでしょう」
宗一郎:「本日『は』?」
イリーナ:「私はこの屋敷を預かっているだけに過ぎません。この屋敷の本当のオーナーは別にいるのです。言わば、私は表向きのオーナーなのです」
勇太:「その席は大師匠様の御席なんだよ。ダンテ流魔法門の創始者、ダンテ・アリギエーリ様は、イリーナ先生の先生なんだ。僕達は孫弟子ということになる」
宗一郎:「イリーナ先生でさえ凄い御方なのに、その御師匠様がいらっしゃるとは……」
イリーナ:「私は1期生の中でも落ち零れでして、よくダンテ先生からは『お説教』されてますの。1期生の中では、『最も説教されている者』として有名だったりしますわ」
宗一郎:「そ、そんな御謙遜を……」
佳子:「そうですよ。うちの勇太や、マリアさんという御弟子さんを抱えていらっしゃるではありませんか」
イリーナ:「『お前もいい歳だし、いつまでも自由気ままにやるんでなくて、弟子の1人や2人くらい取れ』と尻を叩かれまして……」
宗一郎:「あ、はは……。そ、それはそれは……」
イリーナ:「それより、昼食にしましょう」
こうして、まずは昼食会が始まった。
自分の支部の常識が他支部では非常識だということは、往々にしてある。
その違いは、まるで違う宗派に来たかのようである。
それは大石寺境内を歩いていても分かる。
イジメの復讐なら、「良くやった!自殺するくらいなら正当防衛だ!」と言いたいところだが、単なる、「ムシャクシャしてやった。誰でも良かった」というのであれば、死刑を適用するべきである。
ところが残念ながら、少年法のせいで死刑にはできないんだよね。
逃げ足の速さはメタスラ並みかwww
ほとぼりが冷めた頃、また来るだろうから、大沢さん達には頑張って頂きたい。
作中では栗原愛理をイジめて、姉の蓮華に仕返しされたことで、少しは大人しくしているもよう。
復讐を否定する人に対して言いたいのは、人間、口で言っても分からないバカは一定数いる。
実力行使で分からせることも必要であるかと思われる。
加害者はイジメ被害を訴えているという。
これでイジメ被害者は、「そうか、刺していいんだ」と判断できるだろうし、加害者は、「刺されるかもしれない」と、戦々恐々するがいい。
では「そうか、刺していいんだ」と判断する事を許して良いのでしょうか?
んっ?さん、あの某都議は苦し紛れの自己弁護でほざいただけですよ。
自殺を考えるほどのガチモンのイジメを受けていたわけではないでしょう。
そんな人間は、「そうか、刺していいんだ」と判断するわけがありません。
私が言いたいのは、本当に自殺まで考えるほど追い込まれている子のことです。
東京では小田急線や京王線事件以降、理不尽なテロ事件に戦々恐々としています。
犯人達に何があったのかは分かりませんが、少なくとも普段は気の弱い人間であったことがテレビなどの取材で分かっています。
こういった場合、凶行に駆り立てる遠因を作った人間がいるのは事実です。
本来であれば、そういった人間に凶器を向けるのが筋であると私は考えておりますし、だからこそ、無関係の人達を襲うことは絶対に許されるべきではないと思うのです。
しかし、弥富市の少年は、ちゃんと原因となった少年に応対し、自暴自棄になって無関係の人間を襲うようなことは一切しなかった。
その事は称賛に値すると思うわけです。