報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

小説の途中ですが、ここで本日の雑感をお伝えします。 0226

2016-02-26 19:34:47 | 日記
 今日は都営バスの定期券更新と末寺参詣の為、休みなのに東京都内へ出てしまった。
 申し訳無いが、末寺参詣はついでになってしまった(メインは都バスの定期更新の為)ので、恐らく功徳は小さいどころか、もしくは無いかもしれない。
 東京都営バスというのは、東京23区内と多摩地域で運賃の計算方法が違う。
 23区内は路線や区間に関わらず、1回乗車につき210円の定額制である。
 京都市営バスも定額制だったと思うが、まだ都営バスの方が安いんじゃないかな。
 その為、定期券の使用法も他の距離制運賃のバスとは違う。
 23区内の都営バスが、その定期券で乗り放題だったりする。
 区間を定めた何ヶ月定期とかという話ではない。
 本当に乗り放題。
 いずれ都内を乗りバスする時は、都営バスを中心にしてみようと思う。

 せっかくだから多少地下鉄を乗り鉄し、高田馬場まで行って、そこから末寺までタクシーに乗った。
 会社は個人タクシーで、個人タクシーにしては随分と若い運転手が乗っていた。
 私と大して歳は変わらないのではないか。
 あ、いや、私は自分で若いとは思っていないんだがね。
 ただ、個人タクシーというのは、その業界のベテラン(具体的には法人タクシーでの勤務歴が10年以上)にならないと開業許可が出ないからさ。
 で、私の末寺の行き先を言うと、意外とすぐ分かってくれた。
 もちろんその末寺のある地区名と、どこの通りにあるのか、具体的な目印まで伝えたからというのもあるのだが、分からない運転手はそこまで言っても分からなかったりする。
 あいにくと、同じ個人タクシーを営業しておられる直属の班長とは組合違いであったが、ただ、顕正会で体験発表をしていた個人タクシー運転手とは同じ組合である。
 “時ぞ来たりぬ”を車内で流しているとか体験発表で言っていたが、私だったら、それの原曲の“あゝ神風特別攻撃隊”を流し返してやろうかと思っている。
 ま、ソッコーで強制降車させられるのがオチか。
 神風特別攻撃隊に関しては、大東亜戦争肯定者であっても批判するほどの戦法であった。

「犠牲に対して戦果が余りにも小さ過ぎた上、何より10代後半の若者を無碍に死なせた罪は重い」

 と、私の知り合いの国粋主義者も言っている。
 街宣右翼でさえ、その歌を流す所は皆無だ。
 そんな愛唱歌を顕正会歌に使うとは、それはつまり、会員に「特攻しろ」と言ってるわけだな。
 で、特攻して逮捕された会員にあっては、「会員個人の暴走によるもので、会としては無関係である」と。
 それで家宅捜索されてるんだから、世話無いものだ。
 大幹部の逮捕はよ!

 と、話は逸れたが、平日昼間の末寺、本堂には誰1人いないという有り様だ。
 三門前でリーフレット配りをしていないところを見ても、何となく予想はできたが。
 僅かばかりの御供養だけ置いて来て、あとは本堂の御本尊に御題目を唱えておく。
 私の目が悪いのか、やはり大石寺の御本尊とどこが違うのかさっぱり分からない。
 平日の御虫払い大法会の参加者を募集する貼り紙がしてあったが、どうせ定員は限られているだろうし、紹介者から声が掛からないので、私が志願する必要も無いのだろう。
 まあ、どうせ同じ月の支部総登山には出るしね。

 帰りは素直に埼京線各駅停車に乗った。
 ガラ空きの各駅停車だが、赤羽から北の高架区間に入ると、結構眺望は良いことに気づかされる。
 尚、場合によっては車窓から富士山が見えることもある。
 埼玉から見る富士山だから、山梨側だろうけどね。

 地味な休日であったが、週末参詣は無理でも、こうして平日に参詣しているのだから、それはそれで良いものだ。
 顕正会では平日に参詣しても、誰かしら知ってる顔がいる安心感があったが、さすがに法華講でそれを期待してはいけないようである。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“Gynoid Multitype Cindy” 「ガイノイドの週末」

2016-02-26 17:42:46 | アンドロイドマスターシリーズ
[2月26日20:10.天候:晴 東武浅草駅・特急ホーム 3号機のシンディ&敷島孝夫]

 取引先の重役:「いやあ、うちもこういう美人秘書ロイドが欲しいねぇ。敷島エージェンシーさんの言い値でいいから、レンタルしてくれない?」
 敷島:「シンディをお褒め頂いて大変光栄です。ただ、あいにくと彼女は公安から監視されてるもんで、勝手に使用者の変更ができないんですよ」
 重役:「え、そうなの?」
 敷島:「この前、シンディが銀行強盗を退治した時、都合良く公安警察が普通の警察より先に到着したことが、何よりの証拠です」
 重役:「何だか、おっかないねぇ……。代わりのロイドとかいないの?」
 敷島:「もちろん、鋭意開発中です。もう少々お待ちください」

 敷島とシンディ、会社の取引先の重役を接待していたのである。
 こういう時、シンディがコンパニオン役までできるのだから安心だ。
 但し、一緒に飲むことは構造上できない。
 ロイドなので、お触りくらいはOKである。
 触り心地まで人間そっくりだと、この重役は喜んでいた。

〔「まもなく4番線から、20時10分発、特急“りょうもう”43号、赤城行きが発車致します。ご利用のお客様は、お急ぎください」〕

 敷島:「あっ、専務。発車の時間ですよ」
 重役:「お、そうだな。それじゃ、今日はありがとう。また、よろしくね」
 敷島:「ありがとうございます。今後とも、よろしくお願い致します」
 シンディ:「よろしくお願い致します」

 発車メロディが鳴り響く。
 ところで、まだメロディは“Passenger”なのだろうか。
 重役がシンディに握手を求めて来たので、シンディは握手した。
 シンディは紺色の革手袋をしているが、基本的に通常は外さない。
 右手を銃火器に変形させる時のみ取り外す。
 つまり、手袋が安全装置代わりなのである。

〔「ドアが閉まります。ご注意ください」〕

 群馬県から東武特急で通勤しているという制作会社の重役を乗せた250系(200系とは外観と内装が同一でありながら、電装品が違う)は、定刻通りにドアを閉めると、インバータの音を響かせて発車した。

 敷島:「よし。今日の接待は大成功だな。シンディのおかげだよ」
 シンディ:「お役に立てて何よりです」
 敷島:「じゃ、俺達も帰るとするか」
 シンディ:「経由はどうします?」
 敷島:「ザギン線(銀座線)で上野まで行って、そこから普通にJRで帰るさ」
 シンディ:「分かりました」

 今日は金曜日。
 平日は働き詰めの為、会社の近くにマンスリーマンションを借りてシンディと住んでいる敷島も、今日はアリスや赤ん坊の息子の待つ埼玉へと帰る日である。

[同日20:18.天候:晴 東京メトロ浅草駅・ホーム シンディ&敷島]

〔お待たせ致しました。2番線に、折り返し、渋谷行きが到着します。黄色い線の内側まで、お下がりください〕
〔「2番線ご注意ください。20時22分発、渋谷行きが参ります」〕

 電車がゆっくり入線してくる。
 銀座線では旧型となった01系だ。
 カツーンカツーンという音が聞こえてくるのは、銀座線が第3軌条方式で、レールの脇に設けられた架線に、車体の横に取り付けられたパンタグラフが当たる音である。

〔浅草、浅草、終点です。都営浅草線、東武線はお乗り換えです。……〕

 ここまでの乗客がぞろぞろ降りてくる。
 接待でほろ酔い加減の敷島は、折り返し先頭車となる車両に乗り込んで着席するも、シンディはそうせずに敷島の前に立つ。
 これは護衛として何かあったらすぐ動けるようにする為と、人類に仕えるロイドが、ただでさえ満席になる帰宅ラッシュの時間帯に、のうのうと座ってはいけないという概念に基づくものである。
 旧型ではあるが、既に照明はLED蛍光灯に換えられており、入線時にはインバータのノイズ音が聞こえた。

〔「ご案内致します。この電車は20時22分発、銀座線、上野、神田、銀座、新橋、赤坂見附方面、渋谷行きです。発車までご乗車になり、お待ちください」〕

 折り返しの次の電車が入線してくると、ホームに発車メロディが鳴り響いた。
 滝廉太郎作曲“花”である。
 これが初音ミクだと思わず歌い出しそうな感じだが、歌は歌えないシンディがそれを口ずさむことはない。
 尚、どういうわけだかこのチャイム、近鉄大阪線の伊賀神戸駅に停車する特急列車が使用していた。
 電車はドアを閉めて、ゆっくりと発車していった。
 尚、まだホームドアは無いので、それの開閉によるタイムラグは無い。

〔東京メトロ銀座線をご利用頂きまして、ありがとうございます。この電車は上野、銀座、赤坂見附方面、渋谷行きです。次は田原町、田原町です〕

 電車はポイントを渡って、本線に出た。
 銀座線や丸ノ内線がまだ旧型電車で運転していた頃は、このポイント通過などの時、一瞬パンタグラフが架線から離れるため、僅かな時間、停電していたという。
 この時の乗客の反応で、停電に慣れている地元民か、それとも地方客かが判断できたらしい。
 大阪市地下鉄御堂筋線も、この現象はあったのだろうか?

[同日20:27.東京メトロ上野駅→JR上野駅 シンディ&敷島]

 電車がカーブの途中にあるホームに差し掛かる。

〔足元に、ご注意ください。電車とホームの間が広く空いております。出口は、左側です〕

 シンディ:「社長、着きましたよ」
 敷島:「ん……?おー、着いたか」

 ほろ酔い加減の敷島、僅か5分の乗車時間でうとうとしてしまったようだ。
 シンディは屈んで、敷島の耳元で囁くように言った。

〔上野、上野です。日比谷線、JR線、京成線はお乗り換えです。1番線の電車は、渋谷行きです〕

 シンディは敷島を連れて、他の乗客と一緒にホームに降りた。
 ホームに鳴り響く発車メロディ。
 上野駅は森山直太朗の“さくら”である。

 敷島:「えーと……上手い具合に上野駅始発の中電は無いか?」
 シンディ:「ありますよ」
 敷島:「お、そうか。じゃ、シンディに任そう」
 シンディ:「お任せください」

 改札口を出てJR上野駅に向かう。
 地下鉄からアクセスすると、正面改札口へ出るのがデフォ。

 シンディ:「社長、グリーン券はどうします?」
 敷島:「お、そうか。何年か前に回数券が廃止になったんだったな」

 敷島、財布をシンディに渡す。

 敷島:「2枚買ってきてくれ」
 シンディ:「2枚ですか?」
 敷島:「お前の分だよ。ああいうタイプの座席は、横に座っててもらわないと」
 シンディ:「分かりました」

 Pepperでは絶対にありえないことである。
 グリーン券を買って改札口に入る。
 上野東京ラインが開通した今、上野始発の電車は全て“低いホーム”から発車する。
 正面改札口からフラットで行けるので、バリアフリーである。

 シンディ:「13番線です」
 敷島:「そうか」

 ホームに向かうまでの間、シンディはアリスに現在の帰宅状況を送信した。
 アリスがJR駅の改札口を通過したら、自動的に送信するよう、シンディに入力していたのである。
 自動改札機にはセンサーが取り付けられているので、それを利用したもの。
 シンディは、これから乗車予定の電車の時間と到着時間、乗車車両について送信した。
 特にアリスからは異論が返信されてこなかったので、これでこのルートが承認されたものとされた。

 まだ少し発車の時間まで余裕があったが、既にホームにはパラパラと乗車位置に並ぶ乗客の姿が散見されており、シンディ達も5号車が来る位置のドアに並んだ。
                
                                                            続く
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“Gynoid Multitype Cindy” 「ガイノイド達の活躍」

2016-02-26 10:18:31 | アンドロイドマスターシリーズ
[2月24日10:30.天候:晴 東京錦糸町・或る都市銀行支店 3号機のシンディ&妖精型ロイド、萌]

 銀行員B:「きゃーっ!強盗よ!!」

 突然銀行内に響く、女性行員の叫び声。
 入口近くまで歩いていた男性客は舌打ちすると、振り向き様、黒いジャンパーのポケットからハンドガンを左手で取り出し、店内に向けて1発発砲した。

 男性客改め銀行強盗:「動くな!動くと射殺するぞ!!」

 全員固まる店内の人々。

 シンディ:「…………」(マシンガンを食らっても平気なので、ハンドガン如きといった感じだが、流れ弾に他人が当たると危険なので動かずにいる)
 強盗:「よーし!そのまま動くな!」

 強盗、店外へ一目散逃走する。
 すぐさま非常ベルが鳴り響くが、シンディと萌もまた店外へ飛び出し、犯人の後を追う。
 犯人はすばしっこいが、シンディはあえて犯人と一定の距離を取っている。

 シンディ:「…………」
 萌:「シンディ、『待てーっ!』とか『止まらないと撃つぞ!』とか言わないの?」
 シンディ:「あの強盗は素人だよ。ただでさえ逃げるのに必死なのに、変に声を掛けたら、手持ちのハンドガンを乱射するかもしれないからね。私達はそんなの当たっても平気だけど、こう人通りの多い所でそんなことがあったら……分かるでしょう?」
 萌:「ま、そもそもボクには当てられないけどね」

 強盗、人通りの少ない路地裏に逃げ込む。

 シンディ:「よし!萌、先回りしてあの強盗を足止めして!」
 萌:「了解!」

 萌は羽音を立てずに高速で飛行し、強盗の所へ先回り。

 萌:「ばあっ!」
 強盗:「な、何だ!?」

 強盗、一瞬怯むがそれでも足は止めない。

 萌:「発光!」

 今度は萌、発光して強盗の顔に体当たり。

 強盗:「あちちちちちっ!な、何だってんだ!?」

 萌はおとぎ話の妖精のように全身を発光させることができるが、そこはロボット。
 同時に発熱もするので、触ると熱い。
 その間、シンディは右手をライフルに変形させて……。

 路地裏に1発の銃声が響く。

 強盗:「はぐぁーっ!?」

 シンディは男の左肩にライフルを発砲した。
 とはいえ使用するのは模擬弾であるので、殺傷能力は無い。
 それでもライフルのような強い銃で発砲したので、実弾のように『撃ち抜く』ということはないが、無傷かどうかは【お察しください】。

 シンディ:「おとなしくしなさい!」

 シンディ、強盗が持っていたハンドガンを取り上げる。
 そこへ、パトカーのサイレンが近づいて来た。
 普通のパトカーではなく、シルバー塗装のクラウンに着脱式の赤色灯を取り付けた覆面パトカーである。
 そこから降りてきたのは、

 鷲田警視:「銃砲の音が聞こえたと思って駆け付けてみたら、シンディ、ついにやってくれたな!キサマ、やはり殺人機械だったか!」
 シンディ:「はあ!?何言ってんのよ!近くにアンタ達がいたから、わざと発砲したのに!」

 シンディが直接強盗を取り押さえなかったのは、発砲音が大きく響くライフルを使って、近くにいた鷲田警視達を呼び出す為であった。

 村中課長:「警視、どうやらシンディの言ってることは本当のようです」
 鷲田警視:「なに?」

 そこへ管内の警察署から普通のパトカーがサイレンを鳴らしてやってきた。

 シンディ:「はい、強盗さん確保♪」
 警察官A:「ご協力感謝します!」
 警察官B:「強盗の現行犯で逮捕する!10時42分、被疑者確保!」
 村中課長:「どうです、警視?こりゃ感謝状ものですな」
 鷲田警視:「何言ってやがる。模擬弾とはいえライフルまで発砲して大騒ぎさせやがって。ここは日本だぞ」
 シンディ:「でもアメリカとロシアだったら、実弾発砲ですよ?」
 鷲田警視:「バカ!日本ではそもそも発砲せんのだ!」
 シンディ:「KR団の時は発砲許可してたくせに……」
 鷲田警視:「バカ者!好きで許可したんではない!」

[2月25日09:00.東京都墨田区菊川・敷島エージェンシー シンディ&敷島]

『お手柄!“美し過ぎる”ガイノイド!』『銀行強盗を現行犯逮捕!』『「人間の役に立ちたい一心で」正義のロボット現る!』

 敷島:「鷲田警視は警察の活躍を取られたって地団太踏んでいたが、世間の評価は上々だな」

 敷島は新聞を自分の机の上に置いた。

 シンディ:「何か却って、鷲田警視に申し訳なくなるね」
 敷島:「いいんだよ。どうせ、サツは犠牲者が出ないと本気にならないから。どんどん仕事横取りしてやれ。税金の節約にもなる」
 シンディ:「ははは……(苦笑)」

 そこへ社長室の電話が鳴る。

 シンディ:「あら、電話だわ?」
 敷島:「またマスコミからのインタビューか?あの時はしょうがないからシンディに応対させたけど、もう喋ることは喋ったよな?」
 シンディ:「まあね」

 電話は一旦切れる。
 回線が切れたのではなく、事務室側で取ったということだ。
 その後でまた社長室の電話が鳴った。
 敷島、電話に出る。

 敷島:「何だ、またマスコミからの取材依頼か?もう喋ることは喋ったからいいだろうと言っといて」
 一海:「いえ、違います。仙台の平賀博士からお電話です」
 敷島:「平賀先生から?……あ、ヤベッ!ケータイ、ロッカーん中だった!」

 いつもはケータイに直接掛けてくる平賀が、どうして事務所に掛けて来たのかと訝しがった敷島だったが、自分が悪いことに気づいて焦る。

 敷島:「もしもし?すいません、いつものケータイ、ロッカーに忘れてて……」
 平賀:「ああ、そういうことでしたか。コールはしているのに、どうしたのかなと思いましたよ。それより先日、敷島さんが打診されたサーバーの件なんですが……」
 敷島:「あ、はい。どうなりました?」
 平賀:「昔、敷島さんがお勤めだった電機メーカーさん……何て言いましたっけ?」
 敷島:「大日本電機です。突然のM&Aを受けて消滅しましたよ。それが今のデイライト・コーポレーションのグループ企業だってんだから物凄いイヤミですよ」
 平賀:「地方に工場があるのは御存知だと思いますが、それにサーバーを作っている所がありましてね。どうも、マルチタイプのデータさえあれば、敷島さんのご要望に応えられそうだって話なんですよ」
 敷島:「本当ですか!?」
 平賀:「うちのゼミの卒業生は、そういったメーカーに就職していく者が多いんですが、試しに聞いてみたらそうだっていうんです」
 敷島:「おおっ、さすが平賀先生!」
 平賀:「頼めば来週にでも見学させてもらえそうなので、一緒に行きませんか?」
 敷島:「いいですね!是非、来週を空けておきますよ!……はい、それじゃ!ありがとうございます!」

 敷島は電話を切った。

 シンディ:「3月から新規採用者の研修やら事務所の移転やらで忙しいのに大丈夫?」
 敷島:「別に外国に行くわけじゃあるまいし、地方って言っても東北だから、そんなに遠いわけじゃない。十分日帰りできるし、泊まることになったとしても一泊ってところだ。3月は忙しいけれども、そこまで余裕が無いわけじゃない」
 シンディ:「分かったわ。いつ行くの?」
 敷島:「先方さんの都合に合わせるのは当然だけども、確か、来週はリンとレンが仙台で地方ライブを行うことになってたな。それに合わせられればモア・ベターだな」
 シンディ:「なるほどね」
                           続く
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“Gynoid Multitype Cindy” 「ガイノイド、銀行へ行く」

2016-02-25 21:22:37 | アンドロイドマスターシリーズ
 ※今更の説明ですが、ガイノイドとは女性型アンドロイドのことです。ウィキペディアにも記載されています。ですので、性別不明のPepperはアンドロイドでもガイノイドでもないですし、“アラレちゃん”はガイノイドということになります。

[2月24日09:32.天候:晴 東京都墨田区菊川・菊川一丁目バス停→都営バス業11系統車内 3号機のシンディ&妖精型ロイド、萌]

 シンディ:「全く。余計な仕事増やしてくれちゃって。後で社長にも謝っておくのよ?」
 萌:「はーい……」

 都道50号線、新大橋通り沿いにあるバス停でバスを待つ2人。
 朝ラッシュのピークは過ぎたが、それでも片側2車線の幹線道路には多くの車が行き交っている。
 そこへ1台の都営バスがやってきた。

〔「はい、錦糸町駅前行きです」〕

 バスに乗り込むシンディと萌。
 因みに萌は、シンディのサイドテールの中に隠れている。

〔発車致します。お掴まりください〕

 バスが走り出す。
 シンディは着席せず、折り畳み椅子の前に立った。

〔次は菊川駅前、菊川駅前。都営地下鉄新宿線、都バス、東京駅、新橋、東京スカイツリー方面は、お乗り換えです。……〕

 萌:「わざわざバスで行かないとダメなんてねぇ……」(バスの中で堂々と話せないので、通信機能で会話している)
 シンディ:「お札の交換は直接、銀行の窓口でないとダメなのよ。で、ここから1番近い敷島エージェンシーのメインバンクの支店窓口が、錦糸町駅前だし」
 萌:「ふーん……」

 東京決戦の時、シンディは敵側だった。
 バージョン・シリーズの軍団を引き連れ、ドクター・ウィリーが立て籠もるビルを取り囲ませて、敷島達の侵入を拒んだものだ。
 しかし、敷島はそんなシンディがフリーズしかかる作戦を決行した。
 乗員・乗客全員が避難して無人となった都バスを無断拝借し、その包囲網に突入していったのだ。
 シンディであれば、バス1台突っ込んで来たところで、持ち前の馬力や腕力でスクラップにしていただろう。
 何しろ、地下鉄の車両ですら体当たりして大破させたほどだ。
 だが、バージョン・シリーズはそこまでの頑丈さは無い上、敵がそんな特攻を仕掛けてくることなど全く想定していなかった為にパニックに陥り、同士打ちを起こすほどであった。
 今シンディはそのバスに揺られて、人間側の味方として動いている。
 テロリズム用途も、使う人間次第で180度変えることができるということだ。
 バージョン・シリーズは却って使い勝手が悪くなったようだが……。

[同日10:00.東京都墨田区江東橋・某都市銀行 シンディ&萌]

 バスに揺られていた時間は、だいたい10分ちょっと。
 そんなに長い距離ではない。
 だからシンディ的には歩いても良かったのだが、何故か井辺は公共交通機関を利用するように言った。
 恐らく、バッテリーの消耗を防止する為に言ったのだろうが、往復バス代と果たしてどちらが安上がりなのだろうかと計算したくなったシンディだった。
 それはさておき、駅前の銀行の中に入る。

 警備員:「いらっしゃいませ」

 入口の横に立っていた年配の警備員が挨拶してくる。

 シンディ:「こんにちは。古いお札を新しいものに交換して頂きたいんですけど、どこに行ったらよろしいですか?」
 警備員:「それなら、あちらの窓口へどうぞ」
 シンディ:「ありがとうございます」
 警備員:(どこかで見たことあるなぁ……)

 整理券を取って、自分の順番を待つシンディ。
 さすがにここでは立っていると目立つので、長椅子に腰掛けておく。
 警備員、近くの椅子に放置された週刊誌を片付けた時、シンディの正体に気づく。

 警備員:(ああ、この週刊誌に載っていた人……いや、ロボットさんか)

 シンディに近づいて、

 警備員:「お客さん、ひょっとして……この週刊誌の?大変でしょう」
 シンディ:「ああ。何だか、撮られちゃいましたね。まあ、命令ですし、かつて私の配下だった者達の尻拭いってヤツですよ」
 警備員:「本当に人間みたいだねぇ……。とてもロボットには見えないよ」
 シンディ:「それが狙いですから」

 シンディ、ウィンクをした。
 と、そこへ、

 ピンポーン♪〔お待たせ致しました。◯×番の・番号札を・お持ちのお客様、△番窓口へ・お越しください〕

 シンディ:「あ、呼ばれました」
 警備員:「あっ、こりゃ失礼。どうぞどうぞ」

 シンディが窓口に向かうまでの間、入口から入って来る者がいた。
 見た目は30代ぐらいの男性、身長は170センチくらいで中肉中背、黒い目出し帽に黒縁の眼鏡を掛け、マスクをしていた。
 手にはショルダーバッグを持っている。
 シンディ達とは別の空いている窓口に向かった。

 銀行員A:「は、これを新しいお札にですか?」
 シンディ:「そうなんです。子供がイタズラで落書きしてしまいましてね、このままだとみっともないので、交換して頂きたいんです。お手数ですけど」
 銀行員A:「いえ、とんでもないです。少々お待ちください」

 銀行員Aが窓口から離れると、萌がシンディの髪の中から顔を出した。

 萌:「窓口のお姉さん、びっくりしてたねー」
 シンディ:「そうね」
 萌:「やっぱりポクの可愛さ加減に?」
 シンディ:「1万円札100枚も子供が落書きしたことと、されたことに驚いたんだと思うよ」
 萌:「手数料掛かるのかなぁ?」
 シンディ:「あっ、そうだ。それ聞くの忘れた。てか、手数料掛かったら、やっぱりあんた、瓶の中で反省してもらうことになるかもね」
 萌:「えーっ!?」

 男性客:「・・・・・・・・・・・・・」(淡々と用件を喋る)
 銀行員B:「・・・・・・・・・・・・・・」(用件を聞くうちに段々と顔が青ざめて行く)

 銀行員A:「お待たせ致しました。それでは1万円札を100枚、全て交換させて頂きます」
 シンディ:「どうも、お手数お掛けしました。やっぱり、手数料が掛かるのでしょうか?」
 銀行員A:「いえ、特に手数料を頂いてはおりません」
 萌:「やったーっ!」

 萌、ピョコッとシンディの髪の中から現れた。

 銀行員A:「きゃっ!妖精!?」
 シンディ:「こらっ、萌!勝手に出て来ちゃダメ!!」
 萌:「瓶の中で反省の刑はこれでナシ!やったーっ!」
 シンディ:「いいから、引っ込んでなさい!」

 そこへ先ほどの警備員がやってきた。

 警備員:「どうかしましたか?さっきから騒がしいですが?」
 シンディ:「あ、いえ!何でもないです!どうも、すいません!」

 シンディが慌てて弁解している間、男性客がそんなシンディ達を横目に立ち去ろうとしていた。
 男性客の鞄は入店前より膨らんでいた。
 そしてそれを見送る銀行員Bは、何故か顔面蒼白で冷や汗を浮かべていた。
 一体何が?
 銀行員Bはその男性客を震える手で指さし、こう叫んだ。

 銀行員B:「きゃーっ!強盗よ!!」

                           続く
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小説の途中ですが、ここで本日の雑感をお送りします。 0224

2016-02-24 22:48:52 | 日記
 顕正会員のブログ“厳虎独白”に出没している学会員・沖浦氏は、しきりに自分の“功徳”を公表し、それを他の投稿者や閲覧者にも勧めている。
 “顕正会info”の管理者ミミ氏の記事を読ませて頂いて、どうもそれは学会の体質であり、沖浦氏はその先鋭者であると考えられる。
 私はそんな功徳自慢はするべきではないと考えているタイプなので、沖浦氏の主張には賛同しかねるが、たまになら私もそういう話をしても良いのかなと思った。
 いや、私自身はそれを功徳だとは思っていない。
 だが、自分では功徳と思っていなくても、人から見れば功徳と思われることもあるのだと思ったことがあったのだ。

 実は今日、仕事先から現住所の社員寮に帰って来た際、食堂に後輩が2人いた。
 2人の勤務先は別々で、たまにイベント警備などの臨時警備があると一緒に仕事をすることがあるくらい。
 で、そんな私はその後輩達とはまた違う現場であるが、やはりかつては一緒の現場で仕事をしたことがあるし、今でも臨時警備で一緒になることがある。
 そんな顔なじみである。
 後輩Aは後輩Bから、私が資格試験に合格したことを聞いたらしい。

 後輩A:「ユタ先輩、施設2級おめでとうございます〜」
 私:「ああ、ありがとう」
 後輩A:「これでユタさんも隊長っスね!」

 因みに私は入社してこの方、役職に就いたことは1度も無い。

 私:「さあ、どうだかねぇ……」
 後輩B:「今の現場にいるうちはダメだよ。だって、担当部長がCだもん」
 後輩A:「えっ、何で?」
 私:「俺は課長や部長に尻尾を振らないから、その方面の人達からは嫌われてるからね」

 私は猫型人間のようで、必要以上に低姿勢になる必要は無いと思っている。
 犬型人間の尻尾振り、揉み手、面従腹背ぶりには笑わせてもらっている。
 で、弊社の課長・部長の大半が犬型人間で出世したクチだから、私のような猫型人間は嫌いらしい。

 後輩B:「ユタさんが昔、窓際部隊に行った時、C副部長、リストラの候補に挙げてたってよ」
 後輩A:「マジで!?そっから国家資格持ちにまで上がったんだから、凄いじゃないスか!」
 私:「だからこそ面白くないんだよ。一時期リストラ候補に挙げていたヤツが、出世の材料を手に入れてしまった。それで本当に出世させてしまうと、C副部長の立場が危うくなる。そういう材料が手に入るようなヤツを、どうしてリストラ候補に挙げたんだって、更に上の人達から問われる恐れがある」
 後輩A:「へえ……」
 後輩B:「だからC副部長の担当現場にいる間、絶対にユタさんは出世できないの」
 後輩A:「え、でも、ユタさん、他に資格は持ってるんですよね?防火管理者(甲種)、防災センター要員、上級救命……」
 私:「あるよ」
 後輩A:「昇格試験にも合格してるんですよね?」
 私:「してるよ」

 大きく頷く私。
 役職には抜擢されていないが、その為の階級昇格試験にだけは合格しており、階級だけは“長”の付く階級である。

 後輩A:「何だかユタさんが羨ましいっス。てか、功徳ですよね?」
 私:「何で?」
 後輩A:「だって俺、ほとんど資格なんて持ってないのに、副隊長やらされてるんスよ!?」
 私:「それだけ課長・部長から好かれてるってことじゃないか」
 後輩A:「資格も何も持ってないのに、役職だけやらされて責任押し付けられて、たまったもんじゃないスよ!」
 私:「これも勉強だよ。若いうちから役職に就いておけば、将来必ずその経験が役に立つ」
 後輩A:「いや、でも……!」
 後輩B:「まあ、俺も班長やらされてるけど、Aはプロパー、俺は元自衛官だから早めに出世させてもらっただけで、ある意味、ユタさんの『高等遊民』が羨ましいです。確かに、仏法の功徳ってヤツかもしれないです」
 私:「んん?」
 後輩B:「いや、バカにしてるんじゃなくて、マジな話です。ユタさん、役職には就いてなくても、資格手当と階級手当はしっかりもらってるんでしょう?」
 私:「そういう規則だからな。『役職に就かないと、手当やらんよ』という社内規則は無い」
 後輩A:「そこっスよ。手当だけはしっかりもらって、責任は取らなくていいなんて羨ましいっス」
 私:「『社内高等遊民』が功徳か。本来、そんなのリストラ候補なんだけどな」

 だが、警備業界において、それは恐らく無い。
 何故ならトラック業界、バス業界も取り上げられたが、警備業界も慢性的な人手不足である。
 ましてや上司達からは嫌われていたとて、資格持ちは更に貴重な存在。
 現場間で資格持ちを取り合いっこしているどころか、私はまだ2級しか持っていないので経験は無いが、更に上の1級持ちにあっては、他社からのヘッドハンティングが横行しているという話を聞いた。
 つまり、私のことは嫌いでも、首を切れないのである。
 だから、『高等遊民』でいられるのだが。
 もちろん、だからといってサボることはなく、ちゃんとヒラならヒラとして、ベテランの10年選手として、私になりに真面目に業務に取り組んでいるつもりなので念の為。
 直属の隊長からは、
「あのC副部長が飛ばされたら、すぐにユタを班長か副隊長にするよう、新しい担当者に打診してやるからな」
 と、言ってくれてるし。

 ま、別に今の立場でも十分楽しくやれているので、別にいいんだけどね。
 今の立場が、他人から見れば『功徳』に見えるという、自分では自覚していない現証もあるということをお話しさせて頂きました。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする