[2月24日10:30.天候:晴 東京錦糸町・或る都市銀行支店 3号機のシンディ&妖精型ロイド、萌]
銀行員B:「きゃーっ!強盗よ!!」
突然銀行内に響く、女性行員の叫び声。
入口近くまで歩いていた男性客は舌打ちすると、振り向き様、黒いジャンパーのポケットからハンドガンを左手で取り出し、店内に向けて1発発砲した。
男性客改め銀行強盗:「動くな!動くと射殺するぞ!!」
全員固まる店内の人々。
シンディ:「…………」(マシンガンを食らっても平気なので、ハンドガン如きといった感じだが、流れ弾に他人が当たると危険なので動かずにいる)
強盗:「よーし!そのまま動くな!」
強盗、店外へ一目散逃走する。
すぐさま非常ベルが鳴り響くが、シンディと萌もまた店外へ飛び出し、犯人の後を追う。
犯人はすばしっこいが、シンディはあえて犯人と一定の距離を取っている。
シンディ:「…………」
萌:「シンディ、『待てーっ!』とか『止まらないと撃つぞ!』とか言わないの?」
シンディ:「あの強盗は素人だよ。ただでさえ逃げるのに必死なのに、変に声を掛けたら、手持ちのハンドガンを乱射するかもしれないからね。私達はそんなの当たっても平気だけど、こう人通りの多い所でそんなことがあったら……分かるでしょう?」
萌:「ま、そもそもボクには当てられないけどね」
強盗、人通りの少ない路地裏に逃げ込む。
シンディ:「よし!萌、先回りしてあの強盗を足止めして!」
萌:「了解!」
萌は羽音を立てずに高速で飛行し、強盗の所へ先回り。
萌:「ばあっ!」
強盗:「な、何だ!?」
強盗、一瞬怯むがそれでも足は止めない。
萌:「発光!」
今度は萌、発光して強盗の顔に体当たり。
強盗:「あちちちちちっ!な、何だってんだ!?」
萌はおとぎ話の妖精のように全身を発光させることができるが、そこはロボット。
同時に発熱もするので、触ると熱い。
その間、シンディは右手をライフルに変形させて……。
路地裏に1発の銃声が響く。
強盗:「はぐぁーっ!?」
シンディは男の左肩にライフルを発砲した。
とはいえ使用するのは模擬弾であるので、殺傷能力は無い。
それでもライフルのような強い銃で発砲したので、実弾のように『撃ち抜く』ということはないが、無傷かどうかは【お察しください】。
シンディ:「おとなしくしなさい!」
シンディ、強盗が持っていたハンドガンを取り上げる。
そこへ、パトカーのサイレンが近づいて来た。
普通のパトカーではなく、シルバー塗装のクラウンに着脱式の赤色灯を取り付けた覆面パトカーである。
そこから降りてきたのは、
、
鷲田警視:「銃砲の音が聞こえたと思って駆け付けてみたら、シンディ、ついにやってくれたな!キサマ、やはり殺人機械だったか!」
シンディ:「はあ!?何言ってんのよ!近くにアンタ達がいたから、わざと発砲したのに!」
シンディが直接強盗を取り押さえなかったのは、発砲音が大きく響くライフルを使って、近くにいた鷲田警視達を呼び出す為であった。
村中課長:「警視、どうやらシンディの言ってることは本当のようです」
鷲田警視:「なに?」
そこへ管内の警察署から普通のパトカーがサイレンを鳴らしてやってきた。
シンディ:「はい、強盗さん確保♪」
警察官A:「ご協力感謝します!」
警察官B:「強盗の現行犯で逮捕する!10時42分、被疑者確保!」
村中課長:「どうです、警視?こりゃ感謝状ものですな」
鷲田警視:「何言ってやがる。模擬弾とはいえライフルまで発砲して大騒ぎさせやがって。ここは日本だぞ」
シンディ:「でもアメリカとロシアだったら、実弾発砲ですよ?」
鷲田警視:「バカ!日本ではそもそも発砲せんのだ!」
シンディ:「KR団の時は発砲許可してたくせに……」
鷲田警視:「バカ者!好きで許可したんではない!」
[2月25日09:00.東京都墨田区菊川・敷島エージェンシー シンディ&敷島]
『お手柄!“美し過ぎる”ガイノイド!』『銀行強盗を現行犯逮捕!』『「人間の役に立ちたい一心で」正義のロボット現る!』
敷島:「鷲田警視は警察の活躍を取られたって地団太踏んでいたが、世間の評価は上々だな」
敷島は新聞を自分の机の上に置いた。
シンディ:「何か却って、鷲田警視に申し訳なくなるね」
敷島:「いいんだよ。どうせ、サツは犠牲者が出ないと本気にならないから。どんどん仕事横取りしてやれ。税金の節約にもなる」
シンディ:「ははは……(苦笑)」
そこへ社長室の電話が鳴る。
シンディ:「あら、電話だわ?」
敷島:「またマスコミからのインタビューか?あの時はしょうがないからシンディに応対させたけど、もう喋ることは喋ったよな?」
シンディ:「まあね」
電話は一旦切れる。
回線が切れたのではなく、事務室側で取ったということだ。
その後でまた社長室の電話が鳴った。
敷島、電話に出る。
敷島:「何だ、またマスコミからの取材依頼か?もう喋ることは喋ったからいいだろうと言っといて」
一海:「いえ、違います。仙台の平賀博士からお電話です」
敷島:「平賀先生から?……あ、ヤベッ!ケータイ、ロッカーん中だった!」
いつもはケータイに直接掛けてくる平賀が、どうして事務所に掛けて来たのかと訝しがった敷島だったが、自分が悪いことに気づいて焦る。
敷島:「もしもし?すいません、いつものケータイ、ロッカーに忘れてて……」
平賀:「ああ、そういうことでしたか。コールはしているのに、どうしたのかなと思いましたよ。それより先日、敷島さんが打診されたサーバーの件なんですが……」
敷島:「あ、はい。どうなりました?」
平賀:「昔、敷島さんがお勤めだった電機メーカーさん……何て言いましたっけ?」
敷島:「大日本電機です。突然のM&Aを受けて消滅しましたよ。それが今のデイライト・コーポレーションのグループ企業だってんだから物凄いイヤミですよ」
平賀:「地方に工場があるのは御存知だと思いますが、それにサーバーを作っている所がありましてね。どうも、マルチタイプのデータさえあれば、敷島さんのご要望に応えられそうだって話なんですよ」
敷島:「本当ですか!?」
平賀:「うちのゼミの卒業生は、そういったメーカーに就職していく者が多いんですが、試しに聞いてみたらそうだっていうんです」
敷島:「おおっ、さすが平賀先生!」
平賀:「頼めば来週にでも見学させてもらえそうなので、一緒に行きませんか?」
敷島:「いいですね!是非、来週を空けておきますよ!……はい、それじゃ!ありがとうございます!」
敷島は電話を切った。
シンディ:「3月から新規採用者の研修やら事務所の移転やらで忙しいのに大丈夫?」
敷島:「別に外国に行くわけじゃあるまいし、地方って言っても東北だから、そんなに遠いわけじゃない。十分日帰りできるし、泊まることになったとしても一泊ってところだ。3月は忙しいけれども、そこまで余裕が無いわけじゃない」
シンディ:「分かったわ。いつ行くの?」
敷島:「先方さんの都合に合わせるのは当然だけども、確か、来週はリンとレンが仙台で地方ライブを行うことになってたな。それに合わせられればモア・ベターだな」
シンディ:「なるほどね」
続く
銀行員B:「きゃーっ!強盗よ!!」
突然銀行内に響く、女性行員の叫び声。
入口近くまで歩いていた男性客は舌打ちすると、振り向き様、黒いジャンパーのポケットからハンドガンを左手で取り出し、店内に向けて1発発砲した。
男性客改め銀行強盗:「動くな!動くと射殺するぞ!!」
全員固まる店内の人々。
シンディ:「…………」(マシンガンを食らっても平気なので、ハンドガン如きといった感じだが、流れ弾に他人が当たると危険なので動かずにいる)
強盗:「よーし!そのまま動くな!」
強盗、店外へ一目散逃走する。
すぐさま非常ベルが鳴り響くが、シンディと萌もまた店外へ飛び出し、犯人の後を追う。
犯人はすばしっこいが、シンディはあえて犯人と一定の距離を取っている。
シンディ:「…………」
萌:「シンディ、『待てーっ!』とか『止まらないと撃つぞ!』とか言わないの?」
シンディ:「あの強盗は素人だよ。ただでさえ逃げるのに必死なのに、変に声を掛けたら、手持ちのハンドガンを乱射するかもしれないからね。私達はそんなの当たっても平気だけど、こう人通りの多い所でそんなことがあったら……分かるでしょう?」
萌:「ま、そもそもボクには当てられないけどね」
強盗、人通りの少ない路地裏に逃げ込む。
シンディ:「よし!萌、先回りしてあの強盗を足止めして!」
萌:「了解!」
萌は羽音を立てずに高速で飛行し、強盗の所へ先回り。
萌:「ばあっ!」
強盗:「な、何だ!?」
強盗、一瞬怯むがそれでも足は止めない。
萌:「発光!」
今度は萌、発光して強盗の顔に体当たり。
強盗:「あちちちちちっ!な、何だってんだ!?」
萌はおとぎ話の妖精のように全身を発光させることができるが、そこはロボット。
同時に発熱もするので、触ると熱い。
その間、シンディは右手をライフルに変形させて……。
路地裏に1発の銃声が響く。
強盗:「はぐぁーっ!?」
シンディは男の左肩にライフルを発砲した。
とはいえ使用するのは模擬弾であるので、殺傷能力は無い。
それでもライフルのような強い銃で発砲したので、実弾のように『撃ち抜く』ということはないが、無傷かどうかは【お察しください】。
シンディ:「おとなしくしなさい!」
シンディ、強盗が持っていたハンドガンを取り上げる。
そこへ、パトカーのサイレンが近づいて来た。
普通のパトカーではなく、シルバー塗装のクラウンに着脱式の赤色灯を取り付けた覆面パトカーである。
そこから降りてきたのは、
、
鷲田警視:「銃砲の音が聞こえたと思って駆け付けてみたら、シンディ、ついにやってくれたな!キサマ、やはり殺人機械だったか!」
シンディ:「はあ!?何言ってんのよ!近くにアンタ達がいたから、わざと発砲したのに!」
シンディが直接強盗を取り押さえなかったのは、発砲音が大きく響くライフルを使って、近くにいた鷲田警視達を呼び出す為であった。
村中課長:「警視、どうやらシンディの言ってることは本当のようです」
鷲田警視:「なに?」
そこへ管内の警察署から普通のパトカーがサイレンを鳴らしてやってきた。
シンディ:「はい、強盗さん確保♪」
警察官A:「ご協力感謝します!」
警察官B:「強盗の現行犯で逮捕する!10時42分、被疑者確保!」
村中課長:「どうです、警視?こりゃ感謝状ものですな」
鷲田警視:「何言ってやがる。模擬弾とはいえライフルまで発砲して大騒ぎさせやがって。ここは日本だぞ」
シンディ:「でもアメリカとロシアだったら、実弾発砲ですよ?」
鷲田警視:「バカ!日本ではそもそも発砲せんのだ!」
シンディ:「KR団の時は発砲許可してたくせに……」
鷲田警視:「バカ者!好きで許可したんではない!」
[2月25日09:00.東京都墨田区菊川・敷島エージェンシー シンディ&敷島]
『お手柄!“美し過ぎる”ガイノイド!』『銀行強盗を現行犯逮捕!』『「人間の役に立ちたい一心で」正義のロボット現る!』
敷島:「鷲田警視は警察の活躍を取られたって地団太踏んでいたが、世間の評価は上々だな」
敷島は新聞を自分の机の上に置いた。
シンディ:「何か却って、鷲田警視に申し訳なくなるね」
敷島:「いいんだよ。どうせ、サツは犠牲者が出ないと本気にならないから。どんどん仕事横取りしてやれ。税金の節約にもなる」
シンディ:「ははは……(苦笑)」
そこへ社長室の電話が鳴る。
シンディ:「あら、電話だわ?」
敷島:「またマスコミからのインタビューか?あの時はしょうがないからシンディに応対させたけど、もう喋ることは喋ったよな?」
シンディ:「まあね」
電話は一旦切れる。
回線が切れたのではなく、事務室側で取ったということだ。
その後でまた社長室の電話が鳴った。
敷島、電話に出る。
敷島:「何だ、またマスコミからの取材依頼か?もう喋ることは喋ったからいいだろうと言っといて」
一海:「いえ、違います。仙台の平賀博士からお電話です」
敷島:「平賀先生から?……あ、ヤベッ!ケータイ、ロッカーん中だった!」
いつもはケータイに直接掛けてくる平賀が、どうして事務所に掛けて来たのかと訝しがった敷島だったが、自分が悪いことに気づいて焦る。
敷島:「もしもし?すいません、いつものケータイ、ロッカーに忘れてて……」
平賀:「ああ、そういうことでしたか。コールはしているのに、どうしたのかなと思いましたよ。それより先日、敷島さんが打診されたサーバーの件なんですが……」
敷島:「あ、はい。どうなりました?」
平賀:「昔、敷島さんがお勤めだった電機メーカーさん……何て言いましたっけ?」
敷島:「大日本電機です。突然のM&Aを受けて消滅しましたよ。それが今のデイライト・コーポレーションのグループ企業だってんだから物凄いイヤミですよ」
平賀:「地方に工場があるのは御存知だと思いますが、それにサーバーを作っている所がありましてね。どうも、マルチタイプのデータさえあれば、敷島さんのご要望に応えられそうだって話なんですよ」
敷島:「本当ですか!?」
平賀:「うちのゼミの卒業生は、そういったメーカーに就職していく者が多いんですが、試しに聞いてみたらそうだっていうんです」
敷島:「おおっ、さすが平賀先生!」
平賀:「頼めば来週にでも見学させてもらえそうなので、一緒に行きませんか?」
敷島:「いいですね!是非、来週を空けておきますよ!……はい、それじゃ!ありがとうございます!」
敷島は電話を切った。
シンディ:「3月から新規採用者の研修やら事務所の移転やらで忙しいのに大丈夫?」
敷島:「別に外国に行くわけじゃあるまいし、地方って言っても東北だから、そんなに遠いわけじゃない。十分日帰りできるし、泊まることになったとしても一泊ってところだ。3月は忙しいけれども、そこまで余裕が無いわけじゃない」
シンディ:「分かったわ。いつ行くの?」
敷島:「先方さんの都合に合わせるのは当然だけども、確か、来週はリンとレンが仙台で地方ライブを行うことになってたな。それに合わせられればモア・ベターだな」
シンディ:「なるほどね」
続く
しゃあねぇ、お寺に御供養だ。
まあ、その平日に人の気配を醸し出すのが私の役目か。
講頭さんも大変だ。
あの状態で平日も賑わせなければならないのだから。
ま、私のようなヒラ信徒は気軽にやらせてもらおう。
御供養は置いてきたが、あれでどれだけの功徳になるのか未知数だ。
中には孤独死・孤立死が確実な人もいるはず。
そして、私もその候補者の1人。
せっかく宗教団体に入っているのだから、私は宗内にそういった生涯独身者の為のネットワークを作りたいと思っている。
恐らく法統相続の概念に反する行為だからと、猛反対される恐れはあるが、反論としては冒頭の文章だ。
孤独死や孤立死の防止まで、お坊さんが面倒見てくれるわけがあるまい。
だったら、信徒で対策を取ろうというわけだ。
もう既にそういった対策を取っている支部があれば、是非とも教えて頂きたい。
多分無いと思う。
“妙教”を見ている限りでは。
せめて平成33年の誓願が終了した際には、御宗門も信徒数を増やすばかりではなく、今残っている信徒の為の施策をお願いしたいものだ。