報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「バレンタインデー」 2

2024-01-10 12:56:59 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[同日16時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原学探偵事務所2階]

 愛原「ただいまァ」
 高橋「あっ、先生!お帰りなさいっス!」
 愛原「警察の方は終わったのか?」
 高橋「アリバイを証明するのが大変でしたね。この前の日曜、先生と一緒にパチ屋に行ってて良かったっスよ」
 愛原「パチンコ屋はあっちこっちに防犯カメラがあるし、景品交換所にもあるからな」
 高橋「そうっス!そこで俺のアリバイが証明されたんで、放免っスよ」
 愛原「それは良かった。……ん?お前もパールからチョコレートもらったのか?」
 高橋「手作りなんスけど、何か入ってそうで、ちょっと怖いんス。……あ、先生のはこっちっス」
 愛原「俺のは義理チョコだろうな?……うん。高橋の本命チョコと比べて、パッケージが地味。こういうのでいいんだよ、こういうので」
 高橋「ホワイトデーのお返しが大変っスよ」
 愛原「アーミーナイフでも買ってやったら?」
 高橋「いや、あれ、アキバで買っても高いっスよ」
 愛原「ハハ、まあ、頑張って稼いでくれや」
 高橋「先生……」
 愛原「まあ、俺ももらって来たがな」
 高橋「おっ、誰からっスか?結構、本命っぽいパッケージっスねぇ」
 愛原「案外、付き合い長いからさ、こういうことになるんじゃないの?」
 高橋「先生が今日出かけられて、貰ってきたということは……」
 愛原「善場主任しかいないだろ?」
 高橋「あ、なるほど。それもそうっスね」
 愛原「パールのチョコは、食後にでも頂くよ」
 高橋「まあ、先生へのチョコは大丈夫だと思いますけどね」
 愛原「そう考えると、次はリサだな。あいつも前回だったか、媚薬入りチョコとか寄こして来やがったからなぁ。あ?オマエもか?」
 高橋「あー、さー……何のことっスかねぇ……。あ、俺、そろそろ夕飯の準備がありますんで」
 愛原「お、おい!」

 高橋はそそくさと階段の方から3階へと上がっていった。

[同日16時30分 天候:晴 愛原学探偵事務所2階]

 リサ「ただいまァ」
 レイチェル「お邪魔します」

 リサが帰って来た。
 何故かレイチェルも一緒だ。

 リサ「先生!今度はちゃんと買って来たよ!だから何も中には入ってないよ!だから受け取って!」

 リサはハート形のパッケージに入ったチョコレートを私に渡してきた。

 レイチェル「Ah...私のはただのプレゼントです。愛原センセイには、お世話になっておりますので。BSAAへの御協力、感謝致します」
 愛原「あ、ああ、そう。うん、ありがたく頂戴するよ」

 2人ともゴディバのチョコレートであった。
 レイチェルのは普通の四角いパッケージである。
 こりゃ、ホワイトデーのお返しが大変だ。

 リサ「! これは何!?」

 リサは机の上にあった、他のチョコを見つめた。

 愛原「これはパールからの義理チョコだよ」
 リサ「もう1つのこれはハート型!本命!?本命なの!?わたし以外に本命が!?」

 リサは人間形態から鬼形態に戻った。
 2本角が生え、両耳が尖り、両手の爪は鋭くなる。

 愛原「違うよ。これはデイライトで……」
 リサ「オフィスラブか!?」
 愛原「また変な言葉覚えて」
 リサ「ウウーッ!」
 レイチェル「リサ。デイライトということは、愛原センセイにチョコレートを渡したのは……」
 リサ「誰!?誰から貰ったの!?正直に言いなさい!正直に言わないと、特異菌ばら撒くから!!」
 レイチェル「Oh!バイオテロは即刻死刑ですヨ!?」

 と、そこへ事務所の電話が鳴った。

 愛原「おっと、電話だ!」
 リサ「誤魔化さないで!」

 私は電話を取った。
 リサはレイチェルが押さえてくれている。

 愛原「お電話ありがとうございます。愛原学探偵事務所です。……あっ、善場主任。お疲れさまです。先ほどはチョコ、ありがとうございました」
 リサ「なにっ!?」
 愛原「リサですか?少々お待ちください。……リサ、お前に電話だぞ。善場主任から」
 リサ「三角関係にするつもり!?……もしもし!!」
 善場「善場です。相変わらず、元気にやっているようね?」
 リサ「先生に本命チョコあげるなんて、大したタマね!」
 善場「何のこと?あれはゴディバで買ってきた贈答品よ?」
 リサ「だって、ハート型!」
 善場「ハート型のパッケージくらい、贈答品用でいくらでも売ってるじゃない」
 リサ「で、でも……!」
 善場「落ちつかないと、それ以上形態変化したら、BSAAが出動してくるわよ?」
 リサ「もうここにいるもん!」
 善場「は?」
 レイチェル「Hello!養成学校生のレイチェルです!」
 善場「ああ、そういうことなの」
 愛原「あー、リサのチョコ美味い!」
 リサ「えっ!?」

 私は貰ったチョコのうち、リサのチョコを真っ先に口にした。

 愛原「本命チョコから先に食べるもんだろ?……うん、美味い」
 リサ「きゃーっ!嬉しいーっ!」(≧∇≦)

 リサは電話機を放り投げると、私に飛び掛かって抱き着いて来た。

 愛原「わあーっ!バカ!放せ!」

 私は椅子ごと転げ落ちた。

 善場「もしもし!?もしもし!?まだ話は終わっていませんよ!?リサには他にも注意事項が……」
 レイチェル「Ah...レイチェルです。今、リサはととても電話に出れない状態です」
 善場「何てこと……!あとの対応はBSAAにお任せします!」

 電話が切れてしまったようだ。

 レイチェル「愛原センセイ。デイライトから依頼があったので、しばらくリサの監視をさせて頂きますが、宜しいでしょうか?」
 愛原「分かった!分かったから、リサを引き離してくれーっ!」
 リサ「先生……もう離さない……
 レイチェル「増援を呼びます。こちらコードネーム、レッド1よりHQ。FR2にて、L2の小暴走あり。直ちに増援を願う。繰り返す。レッド1より、HQ。……」

 その後、事務所の屋上から突入してきたBSAA小隊により、ようやくリサは引き離され、私は解放されたのだった。

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