報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「修学旅行2日目」 7

2024-09-02 20:16:00 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月9日20時00分 天候:晴 沖縄県国頭郡恩納村 シェラトン沖縄サンマリーナ・リゾート]

 

 アトリウムロビーでまったりする私。
 外観エレベーターとかを見ると、豪華客船の船内を思わせる。
 もしかするとこのホテルは、それをイメージした設計になっているのかもしれない。
 それとも、『浮かぶホテル』と呼ばれる豪華客船の方が、こういったホテルの設計を模したのか。
 いずれにせよ、どちらもなかなか利用する機会に恵まれない私には分からない。
 それでも100%まったりできなかったのは、その豪華客船=破邪顕正号を思い出してしまい、その度にフラッシュバックや激しい頭痛が起きてしまうからだ。

 愛原「ん?」

 その時、リサからLINEが届いた。
 やはりリサ達は、ホテル内のカラオケルームで、『魔王軍』のメンバーとカラオケを楽しんでいるらしい。

 

 リサ「カラオケで盛り上がり中♪」

 とて、何故かリサのパンチラ画像が送られて来た。
 制服のスカートではなく、私服のスカートだ。
 ホテル内では私服に着替えても良いことになっているので、海水浴を楽しんだ後は私服に着替えている。
 で、私服のスカートの下にはブルマを穿いていないリサ。

 リサ「先生も来る?てか、来て💖」
 愛原「いやいや……」

 引率者が生徒達と個人的に楽しんではまずいという旨を説明し、丁重に断った。
 今、リサを監視しているのはレイチェルだが、いくら真面目な性格でも、そこはアメリカ人だから、はっちゃける時ははっちゃけるだろうからなぁ……。

 高橋「先生、ここにいましたか」
 愛原「ああ。バイク談義は楽しかったか?」
 高橋「ガキ共は分かってませんねー。まずは免許を取ってからですよ」
 愛原「無免許で盗んだバイクで走り回ってたヤツが言うことか?」
 高橋「だから、『経験者は語る』です!」
 愛原「あー、そうかい」

 私は席を立った。
 高橋は男子生徒達と、改造車やバイクの話をしに行っていた。
 このまま夜が更けるかと思いきや、案外早く帰って来た。

 高橋「リサ達はまだカラオケっスか?」
 愛原「もうちょっとで終わるらしい。ホテルのカラオケは町のチェーン店より高いから、そんなに長時間歌えないらしい」
 高橋「でしょうね」

 部屋はツインルームのみである。
 希望すればソファベッドを使用した3人部屋にできるらしいのだが、リサ達の場合は中途半端になるので、ツインルームのままである。
 尚、リサと相部屋になるのは、もちろんレイチェル。
 これで夜もBSAAが監視していることになるわけだ。

 高橋「俺達も飲みますか?」
 愛原「えっ?どこで?」
 高橋「ホテルのバーです」
 愛原「ホテルのバーは高いし、引率者が飲むのはどうかと思うぞ」

 まあ、夕食にはビールの一杯くらいは飲ませてもらったが。

 高橋「えっ?あそこで先公達が飲んでますよ?」
 愛原「えっ?坂上先生と倉田先生が?」
 高橋「はい。あと、竹刀持ちの学年主任っス」
 愛原「マジか!?」
 高橋「はい」

 私は様子を見に行った。
 アトリウムロビーに接しているバー。
 外から覗いてみると、確かに店内のカウンターに先生達3人が並んで座っていた。
 学校カメラマンはいない。
 確か、三上先生と坂上先生が同じツイン。
 倉田先生と学校カメラマンが、それぞれダブルの部屋ではなかったか。
 シングルは無いので、一人客はダブルルームに泊まることになる。

 愛原「ホントだな」
 高橋「でしょ?でしょ?職務怠慢っスねー!」
 愛原「そんなことはないと思うぞ。確か……俺が高校生の頃も、引率の先生が酔っ払って部屋の照明ぶっ壊した記憶があるな……」
 高橋「マジっすか!?」
 愛原「もちろんワザとじゃないと思うんだけど、まあ、酔っ払ってハイになったんだろうな。当時、20代後半の若い先生だったかな。要は、部屋の照明の蛍光灯割っちゃったんだ。何したんだか知らんが。野球部の顧問だったから、部屋で素振りでもしたのかもしれんな。で、引率の先生のリーダーが、そこの三上先生みたいな学年主任でさ。後でメチャクチャ怒られてたったけなぁ……」
 高橋「面白いっスねぇ!」
 愛原「公立校は公立校で、なかなか面白いもんだよ」
 高橋「俺も修学旅行、行ってみたかったっスよ」
 愛原「残念だったな。それがヤンキーというものだ」
 高橋「……返す言葉もありません」
 愛原「いずれにせよ、先生達は先生達で色々積もる話もあるだろう。そこへ俺達が行くのはお邪魔だと思う。俺達は別の場所に行こう」
 高橋「外に飲みに行きますか?ホテルの外……国道の旧道?っぽいところ、飲み屋とか飯屋とかあるみたいっスよ」
 愛原「まあ……俺達は別に外に出てもいいんだろうが、リサが気づいて追ってくるかもしれない。なるべく、余計なトラブルは控えたいもんだ」
 高橋「じゃあ、どうします?」
 愛原「2階に自販機コーナーがあっただろ?そこで酒でも買って、部屋で飲むか」
 高橋「それもいいっスね!」

 私達は2階に移動した。

 

 愛原「ここで酒買って行けばいいんだよ」
 高橋「おっ、いいっスねぇ!……つまみはどうしましょう?」
 愛原「心配するな。さっき、売店で買ったスナックがある」
 高橋「あれ、お土産用じゃないんスか?」
 愛原「自分用だよ。それに、土産を買う機会なら明日もある」
 高橋「なるほど。さすが先生っス」

 私達はここで缶ビールや缶酎ハイを購入して、部屋に戻ることにした。

 愛原「就寝時間は22時だから、それまでに飲み終わらさないとな」
 高橋「はい!」
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“私立探偵 愛原学” 「修学旅行2日目」 6

2024-09-02 11:23:17 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月9日19時00分 天候:晴 沖縄県国頭郡恩納村 シェラトン沖縄サンマリーナ・リゾート・メインタワー]

 

 夕食の後は自由時間。
 但し、ホテルの敷地からは出ないようにとの条件。
 ただ、広いホテルなので、十分だろう。
 ホテルの中は、色々アクティビティが楽しめるそうだし。
 私が部屋に戻ったのは、善場係長との定時連絡の為だった。

 愛原「現在、恩納村のシェラトン沖縄です。今のところ、特に異常はありません」
 善場「お疲れ様です。体調の方は大丈夫ですか?」
 愛原「はい。おかげさまで。ただ、例の船のことを思い出そうとすると、激しい頭痛とフラッシュバックが起こります」
 善場「そうですか……。私は1度、本格的な検査をオススメしますね」
 愛原「はい。帰京したら、そうしたいと思います」
 善場「脳神経クリニックですが、1つ候補が見つかりました。私の父も都内の総合病院の脳神経外科に掛かっていたことがありまして、そのツテで知ったクリニックです」
 愛原「なるほど。いきなり総合病院には行けませんからね。そこは、初診でも大丈夫な所なんですか?」
 善場「はい。脳ドッグも予約無しで行ける所です」
 愛原「そうですか。では、係長オススメの所にさせて頂きますか」
 善場「かしこまりました。後ほどクリニックを紹介させて頂きます」
 愛原「ありがとうございます」
 善場「それと……今、所長の周囲にはリサがいますか?」
 愛原「いえ、今はいません。友達と、食後のカラオケでもしているのではないかと」
 善場「それでは大丈夫ですね。……上野利恵が言っていた、『秋田方面から来ている』という『鬼の末裔』の話ですが、半分は本当のようです」
 愛原「半分は本当とはどういうことですか?」
 善場「秋田で有名なのはナマハゲですが、それとは別に鬼の伝説はあります。それで『鬼とされた一族の末裔』のコは、確かに今リサと同い年で、秋田県の高校に通い、そして今、修学旅行で沖縄に来ているところまでは分かりました。それが上野利恵の言っていたコかどうかまでは、確定ではありませんが」
 愛原「鬼の末裔なんて、そうゴロゴロいるわけではないでしょうから、ほぼほぼそれで確定なのでは?」
 善場「99%、そうでしょうね。おかげさまで、白井が国内で何をしようとしていたのかも分かりましたよ」
 愛原「えっ?」
 善場「その『鬼の末裔』の家に問い合わせてみたら、確かに日本アンブレラ関係者を名乗る者が現れて、『血を取らせて欲しい』と頼まれたと言ってました」
 愛原「白井は何をしようとしていたんですか!?」

 確か、永遠の命に興味があったらしいが……。

 善場「リサみたいなBOWを造ろうとしたのかもしれませんね。Gウィルスは、今やリサしか保有していませんし、特異菌よりも制御が難しいですから」

 ここにいるリサを含め、他のリサ・トレヴァー達も白井には反抗的だった。
 非人道的な実験や観察を受けさせられたことが、反抗心を煽ったのだろう。

 善場「当然ながら、秋田県の家は断ったそうです」
 愛原「でしょうな。……そこは、リサと敵対することは無さそうですか?」
 善場「恐らく無いでしょうね。リサの方が敵対しなければ……」
 愛原「ああ……。リサには後で言っておきます」

 どうやら普段はリサと同様、人間として暮らしているらしい。

 愛原「今、そのコは沖縄のどこにいるんですか?」
 善場「那覇市内のホテルらしいですね。幸い、東京中央学園と宿泊先が被ることは無いです」
 愛原「そうですか。それなら……」

 こちらは特に心配することは無さそうだな。

 愛原「斉藤早苗はどうですか?」
 善場「今のところ、まだ現れません。私共を警戒しているのかもしれませんね」
 愛原「なるほど……」
 善場「……あっ、何かあったようです。一旦切ります」
 愛原「分かりました。失礼します」

 私は電話を切った。
 どうやら、何か情報でも入ったかもしれない。

 高橋「先生。俺の知り合いが、闇で脳ドッグ受けさせてくれる病院見つかりましたんで」
 愛原「何で闇なんだよ!?普通に受けるわ!」
 高橋「いや、しかし……」
 愛原「善場係長が紹介してくれるクリニックに行くわい」
 高橋「まじっスか……」
 愛原「マジだよ!ほら、俺達もせっかく来たんだから、ホテルの中を歩いてみるぞ」
 高橋「は、はい!」
 愛原「カードキー忘れるな」
 高橋「もちろんです」

 私達は部屋を出た。

 高橋「どこに行きますか?」
 愛原「まずは1階に下りよう」
 高橋「ういっス!」

 私達はエレベーターホテルに向かった。
 因みに客室前の廊下だが、その前は吹き抜けになっている。
 1階からの吹き抜けで開放的だ。

 愛原「まるで、豪華客船の船内だな……」
 高橋「俺にはイオンモールの店内に見えます」
 愛原「何でオマエはそんな安っぽい想像しかできんのだ?」
 高橋「豪華客船なんて乗ったこと無くて……」
 愛原「オマエ、顕正号には……っく……!」

 また激しい頭痛が……。

 高橋「先生!だからここはイオンモール的って思っといた方がいいですって!」
 愛原「う、うるさい……!」

 私達はエレベーターホールに着いた。

 愛原「とにかく、1階に下りるぞ!」
 高橋「は、はい」

 エレベーターは外観タイプになっていて、吹き抜けの方を向いている。
 残念ながら屋上は無いのだが、クイーン・ゼノビア号においては、まるでオペラハウスのような吹き抜けホールからエレベーターで展望台に上がれたそうだ。

 愛原「留守番してるパールとかに、お土産を買って行くといいだろう」
 高橋「ここで買って行くんスか?」
 愛原「高級ホテルの売店で買った土産なんて喜ぶぞ」
 高橋「た、確かに。でも、かさばりませんかね?」
 愛原「だったら宅急便で送ればいい」
 高橋「な、なるほど」

 売店ではお土産物の他、スナック菓子や飲み物なども扱っている。
 リサなど、絶対に立ち寄りそうだ。

 高橋「あ、俺、先にタバコ買い足しておきます」
 愛原「そうか」

 私は土産物が並んでいるコーナーに行き、高橋は日用品などが並んでいるコーナーへと向かった。
 仙台の実家にも送ってあげるか。
 ここから宅急便で送れそうだ。
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