報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“アンドロイドマスター”より、ボツネタ

2014-02-04 10:26:05 | 日記
 ある日の財団仙台事務所。
 敷島は自分の机で、記録映像の編集をしていた。南里研究所時代の出来事も、実は良い研究資料としての価値があるのだという。観察記録といった観点だろうか。
 もっとも……。
「うへーん!兄ちゃん、助けてーっ!」
 鏡音リンが事務室に飛び込んできた。
「何だ何だ?」
「Wait!」
 電動ドリルとドライバーを持ったアリスが追ってくる。
「アンタも頭部着脱仕様にするって言ってるでしょ!おとなしく改造されなさい!」
「勝手に改造するなっ!ヒビヤ総研さんからまたクレームが来るぞ!」
「10万ドルで改造OKだって」
 アリスは同意書をピラッと開いた。
「……あの研究所、赤字なのか、もしかして?」
 敷島は眉を潜めた。
「赤字研究所にはボーカロイドを貸与しない取り決めだぞ」
「新しいミュージカルの成功の為よ!」
「いやーっ!いやーっ!」
「新しいミュージカルって何だ?俺、聞いてないぞ」
「オズが首を斬られるシーンで必要なのよ!」
「“オズの魔法使い”にそんなシーンあったか!?」
「アタシのオリジナル」
「くぉらっ!!」

 事務所の受付ロビーに横たわるアリスの姿があった。
「大丈夫・ですか?ドクター・アリス」
「あんにゃろめ、本気でブッ叩きやがって……」
「しばらく・お休みください」
「いつか札束で、引っ叩き返してやる……」

 事務所では……。
「困りますよ。しかも、何ですか、10万ドルって。いやそりゃ確かに今、アベノミクスで円高にはなってますがね、円ならいいってわけでもないんですけど、改造とかはちゃんと財団に許可を取って頂きませんと……」
 敷島がリンとレンの所属研究所にクレームを入れていた。
「よしよし」
「じゃ、そういうことで。どうも」
 敷島は電話を切った。
「今年初の『クレームを入れる側』!」
 何故か感動の涙を流す敷島だった。
「おー、よしよし。怖かったでちゅねー」
 メイドロボットの元祖、七海にあやされるリンがいた。
「レンはどうした?」
「お仕事」
「そうか」
「ライブやりたかった!イベント出たかった!MCやりたかった!せめて地元の2両編成ワンマン運転の電車乗りたかったーっ!」
 リンは事務室の脇にある長椅子の上で駄々をこねた。
「1番最後は関係あるのか、それ……」
「敷島さん、ちょっとここ最近、リンちゃんとレン君の仕事量に差があるのが気になります」
 七海がリンの頭をポンポンしながら言った。
「うーん……。そう言われてもなぁ……」
 敷島は頭をかいた。
「あっ、そうだ」
 そして、何かを思いついた。

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