報恩坊の怪しい偽作家!

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“魔女エレーナの日常” 「台風が過ぎた朝は清々しい」

2018-09-28 13:17:40 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[8月30日07:00.天候:晴 東京都江東区森下 ワンスターホテルB1F エレーナの部屋]

 ジリリリリリと枕元の目覚まし時計が鳴る。

 クロ:「ニャ」

 エレーナと一緒に布団に入っていた使い魔の黒猫、クロが前足を伸ばして目覚ましのアラームを止めた。
 まだ起きない主人のエレーナの耳元でニャーニャー鳴く。

 エレーナ:「うーん……。何よォ、クロ……。まだ7時じゃない」
 クロ:「今日は宅急便の仕事があるニャ」
 エレーナ:「今日は閉店……」
 クロ:「ニャ!?」

 再び布団を被って二度寝を決め込もうとする主人に対し、クロは……。

 クロ:「

 2段ベッドよりもっと上の位置にある通気口のダクトの上に上がる。
 地下1階は機械室やボイラー室になっている為、その管理室でもあったエレーナの部屋の天井にはそういったパイプが張り巡らされている。
 今は管理も自動化されている為、専門の技師の常駐は必要なくなり、空き室になっていた。
 そこをエレーナの下宿先に転用したのである。

 クロ:「フニャーッ!」

 クロはダクトの上からエレーナの顔目掛けてダイブ!

 エレーナ:「んぶっ!?」

 それでびっくりして飛び起きた。

 エレーナ:「あーもうっ!」
 クロ:「ズル休みはダメニャ」
 エレーナ:「生理休暇だっ、この!」
 リリアンヌ:「……エレーナ先輩……それ、わらひ……」
 エレーナ:「オマエは黙ってろ!」
 リリアンヌ:「フヒッ!?は、はいっ!」
 エレーナ:「しょうがない。起きるかー……」

 下段に寝ているリリアンヌも、今の騒ぎで起きてしまったようだ。

 リリアンヌ:「え、エレーナ先輩、今日は、わわ、私も……た、たた宅急便の仕事……」
 エレーナ:「あー……。しょうがない。ついてきな」
 リリアンヌ:「は、はい!」

[同日08:00.天候:晴 東京都江東区森下 ホテル近所のカフェ]

 女将:「おや、エレーナちゃん。いらっしゃい」
 エレーナ:「おはざーっす!」
 リリアンヌ:「フヒヒ……。おはようございます……」

 エレーナとリリアンヌはテーブル席に座った。

 エレーナ:「私は目玉焼きのセットね」
 リリアンヌ:「す、すすスクランブルエッグのセットで……」
 女将:「はい、毎度。エレーナちゃんのお友達?」

 女将がお冷やとおしぼりを持って来た。
 で、ついでに注文するエレーナ達。

 エレーナ:「後輩です」
 リリアンヌ:「・・・・。・・・・・・・、・・・・・・・」

 リリアンヌ、他人と話すことはとても苦手である。
 そこはエレーナとは対照的。
 緊張感のあまり、自動通訳魔法具の効能が止まり、フランス語が地で出てしまった。

 エレーナ:「リリアンヌ。……すいません、通訳します。『おはようございます。私の名前はリリアンヌ。フランスのブルターニュ出身です』」
 女将:「フランスから来たの?あのホテルも随分と国際的になったわねぇ……」
 エレーナ:「日本政府のインバウンド政策の影響です(ということにしておこう)」
 女将:「それじゃ、ちょっと待っててね」

 女将がカウンターの向こうに行く。

 エレーナ:「リリアンヌ。別に男じゃないんだから、そこまで緊張しない」
 リリアンヌ:「ご、ごめんなさい……」
 エレーナ:「宅急便の仕事は、顧客が男であることが多いのよ」
 リリアンヌ:「フヒッ!?」
 エレーナ:「何しろ、こちとら普通の宅急便が運ばないものを運んでいるからねぇ……」
 リリアンヌ:「き、きき、今日はどこに行くですか?」
 エレーナ:「まずは魔界。そこから荷物を受け取りに行く。それから人間界だな。ま、今日は私に付いてくればいい」
 リリアンヌ:「は、はいーっ!」

[同日09:00.天候:晴 再びワンスターホテル]

 エレーナ:「オーナー、今日はこのまま魔界に行ってきますんで」
 オーナー:「そう?鈴木君に挨拶はいいのかい?」
 エレーナ:「あいつのことだから、また来るでしょう」

 チーン!

 エレーナ:「ん?」

 チーン!チーン!チーン!

 リリアンヌ:「フヒッ!?な、何の音ですか?」
 オーナー:「エレベーターから聞こえるぞ!?」

 すると、エレベーターのドアが開いた。

 鈴木:「このエレベーター、喋らせるよりベル鳴らした方がいいですよ」

 Ω\ζ°)チーン

 エレーナ:「アンタ、何やってんの!」

 鈴木は鈴(りん)を持ち、それをチンチン叩いて鳴らしていた。

 鈴木:「いやあ、勤行が思いの外盛り上がっちゃって……」
 エレーナ:「そんなもの持ち込んで!」

 Ω\ζ°)チーン

 鈴木:「顕正会員はこんなもの持ってるの殆どいなかったから、もう珍しくて……」
 オーナー:「ダメですよ。仏具をオモチャにしちゃ」
 エレーナ:「そうよ。どうせなら、これをオモチャにしなさい」

 エレーナはローブの中から落書きされた十字架を取り出した。

 鈴木:「いや〜、そんなもの触りたくないなぁ。謗法、罪障……」

 鈴木は汚物を見るような目で十字架を見た。

 オーナー:「良かったじゃないか、エレーナ。少なくとも鈴木さんは、キリスト教会側に回ることはない」
 エレーナ:「まあ、そうですね」
 鈴木:「あ、オーナー。そろそろチェックアウトを……」
 オーナー:「ありがとうございます。それでは御精算の方を……」

 オーナーはフロントの上のPCのキーボードを叩いた。

 オーナー:「それでは有料チャンネルご利用のようですので、こちらの料金が……」
 エレーナ:「え?なに?エロいの見たの?JK?人妻?ブルマ?スク水?青姦?」
 鈴木:「ち、違うよ!……強いて言えばロリかな?」

 鈴木はリリアンヌを見た。

 リリアンヌ:「フヒッ!?」

 背筋に寒気を感じたリリアンヌ、慌ててエレーナの後ろに隠れる。

 オーナー:「あー、劇場版アニメを御覧になったんですね。ありがとうございます」
 鈴木:「『魔女っ娘全員集合!』」

 ガッツポーズを取る鈴木。

 エレーナ:(リリィにプリキュアのコスプレさせてコイツの前に出したら、さぞ悶絶するだろうなぁ……)

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2 コメント

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つぶやき (雲羽百三)
2018-09-28 16:21:05
http://www.shizuokabus.co.jp/2018/09/15/3115/

 東名高速集中工事が行われるとのことで、思わぬ渋滞が予測されるところである。
 当然ながら高速バスも例外無く遅延するとのことだが、取りあえず週末は休工日とのことだ。
 これは行楽客からの苦情対策というのは表向きで、「働き方改革」による煽りで、作業員達を休日出勤させられないという方が大きいのかもしれない。
 いい時代なんだか悪い時代なんだか……。
 いずれにせよ、警備員は土日出勤当たり前である。
 ま、さすがに30日は休み取るけどねw
返信する
つぶやき 2 (雲羽百三)
2018-09-28 19:04:52
 ちょっと待て。
 30日の静岡県富士宮市の天気は、台風直撃の影響で暴風雨らしいぞ。
 大石寺登山者の皆様は、新幹線の運行状況に十分注意して頂きたい。
返信する

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