敷島達を乗せた“はやぶさ”38号は順調に運転を続けている。
新函館北斗発が18時36分で、下車駅の大宮着は22時38分という約4時間の新幹線旅である。
その間、車中では何も無いので、それまでに出て来た用語を少し解説したいと思う。
四季グループ:
グループの持ち株会社である(株)四季ホールディングスを頂点に、数十もの関連企業を持つ総合芸能企業。
本社は東京都豊島区池袋。
名前は創業者一族である敷島家の“敷”→“四季”としたもの。
因みに言っておくが、JR東日本の“四季島”もまた日本の古い国名“敷島”の敷を四季に置き換えたものであるが、こちらのネタの方が先であるので誤解の無いように!
映画制作会社もグループの屋台骨として存在する大企業である。
ホールディングスの会長に敷島孝夫の伯父である敷島峰雄、社長に叔父の敷島俊介がいる。
他にも大叔父などが役員名簿に名前を載せていたりするのだが、顧問とか相談役などに就いており、あまり顔は出していないもよう。
グループ内でも一、二を争う四季エンタープライズはアイドル事業部門においての売り上げが高い。
創業者は敷島孝之亟。
元々はストリップ劇場を運営する会社から始まった。
尚、グループ会社の中には元々単立だったり、他の企業グループに所属していたものが四季グループに吸収したり、合流したりしたものもある。
敷島俊介の後押しを受けて設立された敷島エージェンシーも、このようなグループ企業の1つである。
敷島エージェンシーの経営状態によっては、四季エンタープライズに吸収し、ボーカロイド部門として活動させることも視野に入れられている。
他に存在が確認されているグループ企業には、(株)敷島不動産がある。
恐らく、グループ企業の不動産管理を一手に引き受けている企業と思われる。
“オホーツク旅情歌”:
初音ミクの持ち歌の1つであるバラード。
作曲は彩木雅夫氏、作詞は鈴木宗敏氏、編曲はHIROMU氏。
作中ではストーリーの進行上、歌詞の中に重大なものが隠されているという設定だった。
本来はアルバム“彩木雅夫 feat.初音ミク 手紙 -Letter-”の中に収録されている曲の1つ。
彩木雅夫氏は“長崎は今日も雨だった”などの作曲者でもあるが、近年はボーカロイド(特に初音ミク)の持ち歌も作っているもよう。
その為、先述のアルバムに収録されている曲の殆どが昭和の歌謡曲風のものである。
MEIKOが歌う“モーニング・ブルース”もあるが、当作品でもディナーショーの時によく歌うという設定で使用させて頂いている。
作中では、オホーツク海に向かっては初音ミクが海中投棄された場所、内陸に向かってはマザーブレインが眠っている場所を指した歌だとされた。
※歌謡曲繋がりで、“森ヶ崎海岸”を使わせて頂こうかなと思ったのだが、後でんっ?さんに怒られそうだったので辞めた。
「“森ヶ崎海岸”を歌謡曲とは何事だ!」
と怒られそうだったので。
いや、でも何度聴いても、あれ歌謡曲にしか聴こえないんだよなぁ……。
実際、学会の合唱団でも1人ずつソロで歌うことがあるみたいだし。
バージョン4.0の5.0改造機:
KR団のアジトの大爆発から敷島を守り抜いたバージョン4.0の一種。
見た目は5.0のようにスマートなものだが、4.0の部品をほぼ流用していることから、純粋な5.0とは認められていない。
4.0は確認されているだけで、500〜600機ほど製造されたということなので、型番に1000を足すようになっている。
敷島を助けた機種は333号機であった為、ボディにはそれに1000を足した1333号機とされた。
在来機種と違って知能は高く、5.0のように滑らかな口調で言葉を喋る。
1333号機が敷島を助けたのは、かつて普通の4.0だった頃、エミリーに命を助けてもらったから。
エミリーとしては早く敷島と合流したかった為、たかだかザコロボットには目をくれなかっただけと思われるが、それが数年後、敷島を助けることになる。
現在は北海道の農家に引き取られ、農作業ロボットとして稼働しているもよう。
マザーブレイン:
マルチタイプの試作機とされたロイド。
しかし、エミリーやシンディには家族意識が無かった。
マザーの実験データを基に量産機であるエミリー達が作られたことから、マルチタイプの母ということでマザーと呼ばれた。
最終的にはアジトの自爆装置が働き、大爆発に巻き込まれたことで大損傷。
エミリーに頭部だけ回収された。
現在、内部の解析が行われているもよう。
電気鞭:
元々はシンディが部下のバージョン・シリーズを従える為に使用していたもの。
普段は腰のベルト代わりに巻いている。
電力の出力は調整可能のようで、ロイドであっても放電状態の鞭で叩かれれば感電してしばらくの間、動きが取れなくなる。
ロボットサーカス団の団長も似たような鞭を使用していたことから、ロボットに携わる関係の所に流通しているようである。
マルチタイプにおいては銃火器の使用が禁止された為、飛び道具としては光線銃に切り換えられ、近接戦用として電気鞭ということにするようである。
[同日22:38.天候:晴 JR東北新幹線“はやぶさ”38号9号車内→JR大宮駅]
南下を続けていた列車だったが、左手にもう一本の線路が並行してくる。
上越・北陸新幹線用の線路だ。
更にその高架橋の外側に“ニューシャトル”の軌道が並行してくると、大宮到着はもうすぐである。
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく、大宮です。大宮の次は、上野に止まります〕
深夜ともなると、乗換案内をしなくなる自動放送。
この時点で、もう北陸新幹線の終電は終わっているからというのもある。
〔「大宮でお降りのお客様、ご乗車ありがとうございました。14番線到着、お出口は左側です。大宮からのお乗り換えをご案内致します。北陸新幹線は、本日の運転を終了しております。上越新幹線下り、Max“たにがわ”417号、越後湯沢行きは18番線から、22時54分。……」〕
エミリー:「シンディ、そろそろお2人を起こせ」
シンディ:「はいはい」
通路を挟んだ隣の席に座る敷島夫妻は、すっかり寝落ちしていた。
シンディ:「博士、社長。もうすぐ到着ですよ」
アリス:「Mmm……」
敷島:「おっ、つい寝落ちしてしまった」
敷島とアリスは大きく伸びをした。
敷島:「本当に1日掛かりだったなぁ……」
エミリー:「そうですね」
シンディ:「博士、大丈夫ですか?」
アリス:「腰が痛ェ……(>_<)」
敷島:「何だい、まだ20代なのにだらしないな」
アリス:「うるさいわね」
車窓に大栄橋と『カニトップ』の看板が見えて来たら、そろそろデッキに移動した方が良い。
列車はホームに滑り込んだ。
〔「ご乗車ありがとうございました。大宮ぁ、大宮です。車内にお忘れ物の無いよう、ご注意ください」〕
敷島:「久しぶりに帰ってきたなぁ……」
ホームの中を湿った風が吹き抜ける。
アリス:「なに感傷に浸ってるのよ。早く帰って、トニーの顔でも見なさいよ」
敷島:「おっ、そうだった」
エミリー:「タクシー乗り場はあちらです」
敷島:「ああ」
敷島達は改札に向かう階段を降り始めた。
敷島:「! あれは何だ!?」
敷島は下り方向を指さした。
中央の臨時ホームから出発していった下り列車だと思われるが、後ろ姿が200系!?
アリス:「何よ、いきなり……」
シンディ:「何も見えませんが?」
エミリー:「何かありましたか?」
敷島:「気のせいか?」
エミリー:「旅の疲れと眠気で、幻をご覧になったのでは?」
敷島:「そ、そうかな……。(そういえば北陸新幹線の終電が終わったって言ってたな……)」
アリス:「早く帰ろう。私も疲れたよ」
敷島:「ああ」
『最終電車』の運転はまだ終わっていない。
新函館北斗発が18時36分で、下車駅の大宮着は22時38分という約4時間の新幹線旅である。
その間、車中では何も無いので、それまでに出て来た用語を少し解説したいと思う。
四季グループ:
グループの持ち株会社である(株)四季ホールディングスを頂点に、数十もの関連企業を持つ総合芸能企業。
本社は東京都豊島区池袋。
名前は創業者一族である敷島家の“敷”→“四季”としたもの。
因みに言っておくが、JR東日本の“四季島”もまた日本の古い国名“敷島”の敷を四季に置き換えたものであるが、こちらのネタの方が先であるので誤解の無いように!
映画制作会社もグループの屋台骨として存在する大企業である。
ホールディングスの会長に敷島孝夫の伯父である敷島峰雄、社長に叔父の敷島俊介がいる。
他にも大叔父などが役員名簿に名前を載せていたりするのだが、顧問とか相談役などに就いており、あまり顔は出していないもよう。
グループ内でも一、二を争う四季エンタープライズはアイドル事業部門においての売り上げが高い。
創業者は敷島孝之亟。
元々はストリップ劇場を運営する会社から始まった。
尚、グループ会社の中には元々単立だったり、他の企業グループに所属していたものが四季グループに吸収したり、合流したりしたものもある。
敷島俊介の後押しを受けて設立された敷島エージェンシーも、このようなグループ企業の1つである。
敷島エージェンシーの経営状態によっては、四季エンタープライズに吸収し、ボーカロイド部門として活動させることも視野に入れられている。
他に存在が確認されているグループ企業には、(株)敷島不動産がある。
恐らく、グループ企業の不動産管理を一手に引き受けている企業と思われる。
“オホーツク旅情歌”:
初音ミクの持ち歌の1つであるバラード。
作曲は彩木雅夫氏、作詞は鈴木宗敏氏、編曲はHIROMU氏。
作中ではストーリーの進行上、歌詞の中に重大なものが隠されているという設定だった。
本来はアルバム“彩木雅夫 feat.初音ミク 手紙 -Letter-”の中に収録されている曲の1つ。
彩木雅夫氏は“長崎は今日も雨だった”などの作曲者でもあるが、近年はボーカロイド(特に初音ミク)の持ち歌も作っているもよう。
その為、先述のアルバムに収録されている曲の殆どが昭和の歌謡曲風のものである。
MEIKOが歌う“モーニング・ブルース”もあるが、当作品でもディナーショーの時によく歌うという設定で使用させて頂いている。
作中では、オホーツク海に向かっては初音ミクが海中投棄された場所、内陸に向かってはマザーブレインが眠っている場所を指した歌だとされた。
※歌謡曲繋がりで、“森ヶ崎海岸”を使わせて頂こうかなと思ったのだが、後でんっ?さんに怒られそうだったので辞めた。
「“森ヶ崎海岸”を歌謡曲とは何事だ!」
と怒られそうだったので。
いや、でも何度聴いても、あれ歌謡曲にしか聴こえないんだよなぁ……。
実際、学会の合唱団でも1人ずつソロで歌うことがあるみたいだし。
バージョン4.0の5.0改造機:
KR団のアジトの大爆発から敷島を守り抜いたバージョン4.0の一種。
見た目は5.0のようにスマートなものだが、4.0の部品をほぼ流用していることから、純粋な5.0とは認められていない。
4.0は確認されているだけで、500〜600機ほど製造されたということなので、型番に1000を足すようになっている。
敷島を助けた機種は333号機であった為、ボディにはそれに1000を足した1333号機とされた。
在来機種と違って知能は高く、5.0のように滑らかな口調で言葉を喋る。
1333号機が敷島を助けたのは、かつて普通の4.0だった頃、エミリーに命を助けてもらったから。
エミリーとしては早く敷島と合流したかった為、たかだかザコロボットには目をくれなかっただけと思われるが、それが数年後、敷島を助けることになる。
現在は北海道の農家に引き取られ、農作業ロボットとして稼働しているもよう。
マザーブレイン:
マルチタイプの試作機とされたロイド。
しかし、エミリーやシンディには家族意識が無かった。
マザーの実験データを基に量産機であるエミリー達が作られたことから、マルチタイプの母ということでマザーと呼ばれた。
最終的にはアジトの自爆装置が働き、大爆発に巻き込まれたことで大損傷。
エミリーに頭部だけ回収された。
現在、内部の解析が行われているもよう。
電気鞭:
元々はシンディが部下のバージョン・シリーズを従える為に使用していたもの。
普段は腰のベルト代わりに巻いている。
電力の出力は調整可能のようで、ロイドであっても放電状態の鞭で叩かれれば感電してしばらくの間、動きが取れなくなる。
ロボットサーカス団の団長も似たような鞭を使用していたことから、ロボットに携わる関係の所に流通しているようである。
マルチタイプにおいては銃火器の使用が禁止された為、飛び道具としては光線銃に切り換えられ、近接戦用として電気鞭ということにするようである。
[同日22:38.天候:晴 JR東北新幹線“はやぶさ”38号9号車内→JR大宮駅]
南下を続けていた列車だったが、左手にもう一本の線路が並行してくる。
上越・北陸新幹線用の線路だ。
更にその高架橋の外側に“ニューシャトル”の軌道が並行してくると、大宮到着はもうすぐである。
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく、大宮です。大宮の次は、上野に止まります〕
深夜ともなると、乗換案内をしなくなる自動放送。
この時点で、もう北陸新幹線の終電は終わっているからというのもある。
〔「大宮でお降りのお客様、ご乗車ありがとうございました。14番線到着、お出口は左側です。大宮からのお乗り換えをご案内致します。北陸新幹線は、本日の運転を終了しております。上越新幹線下り、Max“たにがわ”417号、越後湯沢行きは18番線から、22時54分。……」〕
エミリー:「シンディ、そろそろお2人を起こせ」
シンディ:「はいはい」
通路を挟んだ隣の席に座る敷島夫妻は、すっかり寝落ちしていた。
シンディ:「博士、社長。もうすぐ到着ですよ」
アリス:「Mmm……」
敷島:「おっ、つい寝落ちしてしまった」
敷島とアリスは大きく伸びをした。
敷島:「本当に1日掛かりだったなぁ……」
エミリー:「そうですね」
シンディ:「博士、大丈夫ですか?」
アリス:「腰が痛ェ……(>_<)」
敷島:「何だい、まだ20代なのにだらしないな」
アリス:「うるさいわね」
車窓に大栄橋と『カニトップ』の看板が見えて来たら、そろそろデッキに移動した方が良い。
列車はホームに滑り込んだ。
〔「ご乗車ありがとうございました。大宮ぁ、大宮です。車内にお忘れ物の無いよう、ご注意ください」〕
敷島:「久しぶりに帰ってきたなぁ……」
ホームの中を湿った風が吹き抜ける。
アリス:「なに感傷に浸ってるのよ。早く帰って、トニーの顔でも見なさいよ」
敷島:「おっ、そうだった」
エミリー:「タクシー乗り場はあちらです」
敷島:「ああ」
敷島達は改札に向かう階段を降り始めた。
敷島:「! あれは何だ!?」
敷島は下り方向を指さした。
中央の臨時ホームから出発していった下り列車だと思われるが、後ろ姿が200系!?
アリス:「何よ、いきなり……」
シンディ:「何も見えませんが?」
エミリー:「何かありましたか?」
敷島:「気のせいか?」
エミリー:「旅の疲れと眠気で、幻をご覧になったのでは?」
敷島:「そ、そうかな……。(そういえば北陸新幹線の終電が終わったって言ってたな……)」
アリス:「早く帰ろう。私も疲れたよ」
敷島:「ああ」
『最終電車』の運転はまだ終わっていない。