「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「蓼科の朝あけ」

2006-10-11 22:41:30 | 和歌

 何時もは、パソコンの前での夜更かしとお寝坊の毎日であるが、昨晩は蓼科に来て早寝したら、早朝に目覚めた。

 カーテン越しに、ほの白むのを待ちかねて、窓辺に立った。外気と室温の落差が激しいのであろう、二重窓のガラスにはタップリと結露していた。掌で露を拭って外を見ると、遥か彼方の御嶽山の頂だけが、朝日をうけて輝いていた。

 間近の蓼科高原も、眼下の諏訪盆地もまだ眠りの帳が明けきれず、幾重にも重なった山並みには、靄がかかっていた。

 昨日に続き、紅葉狩りを更に半日ほど愉しんだ。紅葉狩りの途上で摘み取った山葡萄は、酸っぱいながらも甘みがあって、貴重な自然の恵みのお裾分けに与った。






             明けぬれば棚引く靄と山並みの
  
             遥か彼方に御嶽山見ゆ



             寝静まる諏訪の盆地を下に見て
  
             頂輝く御嶽山かも



             ものの皆いぶきを潜めて寝静まる 
 
             山並み遠く朝陽さしきぬ



             朧なる靄消え去りてやがて見ゆ
  
             梢を透かす山肌清しき



             見上げれば梢の先の月影は

             朝日を受けて透けにけるかも



             薄雲は斑に光りて広ごりぬ
 
             冷気の身に沁む山の朝かも