「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「厚葉君が代蘭・ユッカ蘭」

2006-10-29 18:42:07 | 和歌


 ユッカ蘭が大きな花穂をつけて、堂々と咲いていた。

 鋭い短剣のような葉が、恰も花穂を守るかの様に花茎を取り囲み、その中心から天空めがけて高く直立して咲く姿は、神々しくすら見える。学名・Yucca gloriosa には、glory の言葉が使われていることからも、燦然と咲くこの花に、人々が特別な思いを抱いていることが窺われる。

 「名は体を表す」と言うが、学名にせよ、和名の「厚葉君が代蘭」にせよ、栄光ある特別待遇である。人間も、その人格に相応しい待遇がなされれば、本人も周囲も落ち着いておれるが、破格の扱いをされると、良きに付け悪しきにつけ、本人にも気の毒である。見込みのある「これは」と思われる若者を伸ばすには、若干、過分の扱いをすると、本人も意識して生長著しい場合が多いようだ。その待遇で慢心する人間は、先が思いやられる。

 ユッカ蘭は、その名に恥じない咲きっぷりが、誠に見事である。






             凛と立ち燦然と咲くユッカ蘭を  

             仰ぎ観るかな神々しくば



             名にし負う誇りを保つや己が身に 
 
             厚葉君が代蘭の花咲く



             群臣の鋭きやいばの厚き葉の
  
             君が代蘭は王者に咲くかも