この時節の「雪柳」は、枝垂れて咲く姿も、小さな花びらが舞い散る様も、それぞれに風情が豊かで詩情が漂う。
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雪柳は本来であれば、嫋やかな細枝を自由奔放に伸ばさせてやりたいものだが、小枝をカットした雪柳を時々見かける。それでも彼女らは、躰を覆う程に白い小花を咲かせるが、そんな姿は何とも気の毒だ。
住宅街の生垣の一部として植えてある「うつろ庵」では、道行く人々のお邪魔にならぬ程度に留めざるを得ぬのが実情だ。細枝の伸びやかさを極力損なわぬ様に気遣いした結果、ご覧の様に、精一杯咲いて愉しませて呉れた。珊瑚樹の生垣の高さが二メートル余、雪柳は更にそれを超えるので、かなりの見応えも備わった。
雪柳の別名は、コゴメヤナギ(小米柳)とも呼ぶらしい。
花の姿が小米を思わせることから付けられた名前であろう。小枝に雪が積もった風情を思わせるところから、「雪柳」と呼ばれるが、何れを選ぶかはそれぞれの好みにお任せしたい。
そよ吹けば嫋やかに揺れる雪柳
「おいで おいで」の手招きならずや
枝えだに枝垂れ咲くかも白妙の
小花は雪かと見紛うばかりに
道を行く人々のお邪魔せぬ様に
嫋やかなるかな雪柳の小枝は
白妙の雪柳の花 舞い散るに
幽かに流れて そよ風観るかも