「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「花蔓草」

2006-10-09 07:44:28 | 和歌

 秋も深まるというのに、花蔓草が春を思わせるかのように、瑞々しく咲いている。





 木の葉は紅葉が始り、木によっては既に落葉しているものもあるが、花蔓草の溌剌とした表情は一体どうなっているのだろう。多肉質の艶やかな葉が次つぎと芽吹き、この時節には珍しいピンクの小花を咲かせる姿は、どう見ても初々しい乙女の風情だ。背丈は低く保って地に這い、「うつろ庵」の隣りでは、道路沿いのフラワーベルトから垂れ下がっているので、赤いレンガに映えて殊のほか鮮やかだ。

 このところ頓に目立つようになった一文字セセリが、小花にとまって一心に花蜜を吸っていた。航空母艦から飛び立った軍用ジェット機よろしく、短く逞しい羽を、水平と垂直にした姿は、超音速で駆け抜けるファイターそのものだ。

 横須賀を母港とする通常型空母が近く退役して、原子力空母・ジョージワシントンが配備される計画だ。次回の市民大学の講演では、原子力に携わってきた専門家の立場から、分かり易い解説が、一つの要となろう。






             朝にけに花蔓草は咲けるかな
   
             深まる秋にも艶を保ちて



             もみじ葉の風に舞ひきてひとときの
   
             言葉交わすや花蔓草と   



             空母から飛び来たるらし一文字
  
             セセリはジェット戦闘機と見ゆ