「勲章菊・カザニア」と題して、先週末に駄文を書いた。
「勲章」から連想して、秋の叙勲を待ち望んでいる方々に触れたが、花には殆ど言及しなかったことを反省して、再びカザニアにご登場願った。先週のカザニアは、将に「勲章」然とした花であったが、今回のカザニアはどちらかと言えば、平凡かもしれない。しかしながら「勲章菊」の名に背かず、気品があってなお且つ装飾性も備えている。
白花カザニアは、花弁の付け根近くに海老茶の斑点でリングを作り、更にその内側に余白を残すハイセンス振りだ。白から黄金色へのグラデーションの花は、シンプルだがそれだけに気品がある。黄色に海老茶の斑点をもつカザニアは、海老茶のリングが花弁と花芯とを仕切って、強い個性を主張している。
何よりカザニアは殆ど手が掛からずに、長期にわたって次つぎと花を付けて愉しませてくれる優れものだ。
しろたえの花びら次第に金色を
帯びて凝るらし誇る花芯に
カザニアのけわいを凝らすはお日様と
恋語るらし陽なくば窄みて
褒章も栄誉も受けず君逝きぬ
せめて捧げむカザニアの花を