「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「落葉」を上梓

2007-09-25 19:42:09 | 和歌

 「怠慢至極の虚庵居士だが、もうそろそろ更新して、新しい花と落書の歌も掲載しているかしら」との期待から、幾たびか足をお運びいただいた皆様には、誠に申し訳ない思いでお詫び申し上げます。

 昨年の年末には、一瞬の間にブログ『「千年の友」と「落葉」』を失って、悲嘆に暮れました。 気を取り直して『虚庵氏のお遊び』を再び立上げ、折々の花に誘われて拙い歌を詠み、落書帖代わりに書き留めて一年が瞬く間に過ぎ去りました。

 しかしながら多忙に追われてその後の更新も侭ならず、「鹿苑寺の裏庭」を掲載して以来、半年以上も間があきました。この間お訪ね下さった方々は毎日20~50人、9月半ばにはなんと 20,000人もの数に到達致しました。これまで『虚庵氏のお遊び』にお付き合い下さった皆様に、万感の思いを籠めて感謝と御礼を申し上げます。

 聊かの罪滅ぼしの憶を籠めて、失ったブログ『「千年の友」と「落葉」』の原稿を掘り起こして参りましたが、此のたびCD版にて「落葉」を上梓いたしました。







 引き続き、「薔薇を娶らむ」および「折々の花と歌」も加えて、三部作の私家歌集として上梓することにしました。ご笑覧下さり、話の種にでもして下されば望外の喜びと存じます。


     平成十九年秋分              虚庵 小川 博巳 
                             chogawa@jcom.home.ne.jp





「山賤われは」 

2007-09-24 17:13:13 | 和歌

 今は亡き義兄のお弟子さん達が、今年も研鑽の成果を発表する展覧会を開催するという。 賛助出品を求められて、久方振りに筆を執った。

 嘗て仕事で足繁く訪ねた宮城県女川で、雄勝面子を入手してあったので、これに胡粉で「抱甕(ほうおう)」と揮毫し、その下に一首を添えた。
作品の紹介には石版解説も加え、「酒仙・虚庵自詠」とした。 






         山づとのぶどうを甕(かめ)に醸(かも)さむと

         抱きてやまずも山賤(やましづ)われは



 
          石版解説

          宮城県 雄勝地方に産する天然石。
          純良な石材は雄勝硯として珍重されている。

          一方、古来より民家・社寺仏閣の屋根葺き材に重用され、雄勝面子
          (おがつめんこ)と呼ばれた。
          小さな釘穴二つのみの、定かならざる目鼻立ちの顔に見立てられ、
          何時の頃からか不細工な顔「オカチメンコ」の語源となった。