「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「秋明菊」

2006-10-30 22:15:23 | 和歌

 何時もの散歩道をチョッと足を伸ばしたら、秋明菊が暮れなずむ木陰に白く浮かんでいた。花時が殆ど終わりかけているにも拘らず、未だ七つほどの花を付けているのが、如何にも健気であった。

 二週間ほど前になるが「柳葉ひまわり」を掲載したら、風待人様が立ち寄られて、コメントの中で花の名前をお尋ねになった。「白い花びらが、バラにも似た4弁くらいの一重のお花を見かけました。云々」と、ごく簡単な特徴の記述であった。あれこれと思いを巡らせ、お寄せ下さった文から察して、「秋明菊・しゅうめいぎく」ではなかろうかとご返事した。



                秋風にたゆたふ白き花の名を
 
                問ひたまひしは秋明菊にや 

 


 花の名前が判明した喜びを、風待人様は「その花の名を問うてみる・・・」とのタイトルでお書きになり、併せて「虚庵氏のお遊び」もそのブログにご紹介下さった。

 ほんの僅かな遣り取りだったが、「秋明菊」は素晴らしい交流の橋渡しをしてくれた。







             暮れなずむ夕べに浮かぶ白妙の

             秋明菊かな君の問いしは 



             花時は過ぎにけらしも七つ八つ

             ゆく秋惜しみて貴船菊咲く



             夕されど虫の音たえて秋明菊の
  
             あはれ咲くかも心澄まして