「むべの実」を頂き、初めて不老長寿の伝説を持つ霊果を試食した。
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「むべの白花」(ctrl+クリックでリンクが開きます)を5月にご紹介したが、そこには、献上された果実を試食した天智天皇が、「むべなるかな」と納得され、それ以来「むべ」と
呼ばれるようになったこと等もご紹介してあるので、併せてご覧頂きたい。
「むべの実」は、沢山の種をとろりとした果肉が包み込んで、口に入れると仄かな甘さにうっとりとさせられる。癖のないとろりとした果肉は滋養に富んだ、不老長寿の霊果として言い伝えられ、皇室への献上が今も続いている様だ。
天智天皇が「むべなるかな」と肯いたのも、納得できる味覚であった。
「むべの実」は、姿・形も色合いも「あけびの実」によく似ているが、あけびのように実が割れないのは、とろりとした果肉を大事に護る心かもしれない。
蔓の成長に従って葉の数も三枚が五枚になり、実を付ける頃には七枚に増え、常に緑を保つことから七五三の縁起木とも呼ばれるなど、「むべ」には人々の特別な思いが寄せられている様だ。
はからずも「むべの実」頂く散歩かな
不老長寿を念じて飾りぬ
ふくよかな紫色のむべの実の
艶やかな頬 霊果のそなたは
じじ・ばばが差しだす果実を口に含み
天智天皇「むべなるかな」とぞ
その味の如何ならむと試みに
口に含めば「むべなる」味覚ぞ
沢山の種をとろりと包み込み
仄かな甘さに滋味を感じぬ
幾年月 人々託すや不老長寿を
わずかな「むべ」の「とろり」の滋味に