「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「花水木」

2006-10-08 17:04:10 | 和歌

  花水木の実が、赤く色づいた。





             紅に花水木の実の色づきて
 
             深まる秋を彩りにけり



 数日前には、紅葉した葉が大分残っていて、緑葉との対比が鮮やかで目を愉しませて呉れた。ただ下から見上げると、葉の裏しか見えないのが残念であった。表の紅葉はもっと鮮やかであろうが・・・。今朝の花水木は、一昨日の嵐で殆どの葉は吹き飛ばされ、赤い実だけが青空に浮かんでいた。緑葉と赤、空色と赤い実、色の対比の妙とは、このことであろうか。嵐で枯葉が吹き飛ばされて、丸裸になった花水木を見て気がついたが、枝の先端には既に来春の準備が整えられていた。丸くシッカリ閉じているのは花芽であろうか、冬を越す為の身支度も、十分のようだ。





             もみじ葉を嵐に脱ぎ捨てやがて来る

             春の花芽か梢に結ぶは 



 散歩から帰ってきたら、シドニーちゃんをおんぶしたお隣のN夫妻と出会った。適当なレストランを知らないので「お弁当」を買って来たと言って、ビニール袋を掲げて見せた。虚庵夫妻が数年来昵懇にしている、小さなイタリアンを紹介した。港近くの込み入った民家の中のレストランゆえ、地図をプリントして差し上げた。

「行って来たら、ご報告するわね!」
と、明るい奥様の声が印象的だった。気に入ってくれれば良いが・・・。






             高てらす秋の陽射しに煌めくは

             紅小粒の花水木かな