「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「あっぱれカラス君」 (4)

2016-07-28 00:06:47 | 和歌

病室の窓から観る街並みは、朝夕の変化はあるものの10日を超えて入院が続くと、来る日も来る日も変わり映えの無い景色に色褪せる。

そんな事情をカラス君が察したとはとても思えないが、窓越しの突然のお見舞には胸にトキメキを覚えた。


カラス君との思いもかけぬ交歓があった後は、ありふれた街並みの景色が一変した。カラス君達が自由闊達に飛び交う街並みを、何時しか彼等の視線で眺め、彼等と一緒に楽しめる街並みに変化したのだった。


             ひと時の

             思いもかけぬ 交歓に

             しびれる心を 如何にせむ

             飛び立つ君に 舞い添うは

             夫婦(めおと)ならむか 和やかで

             雄叫び挙げる カラスとは

             余りに違う 気色かな

             窓越しなれども じじ見舞う

               カラスの君の

                 天与の才かな


             街に棲み

             ごみを漁るも 争うも

             たつぎの為と 達観し

             見下すトンビの 尊大な

             姿勢は彼等の 矜持(きょうじ)をば

             傷つけるらし 敢然と

             闘う様(さま)は すがすがし

             カラスの生きざま 哲学は

               彼等が築いた

                 カラスの城かな
 
                             ( つづく ) 





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