「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「苦衷を憶う」

2011-03-31 16:22:09 | 和歌

 福島第一原子力発電所では、非常事態の拡大防止と収束に向けて、多くの皆さんが身を賭して頑張ってくれている。

 一線を退いて久しいシニアの立場では、只管、一日も早い収束を念じるのみで、具体的なお手伝いが出来ぬのが歯がゆいばかりだ。
最前線の皆さんは高レベルの放射線環境下で、厳しい被ばく管理と時間の制約の中で、奮闘を続けて下さって頭が下がる思いだ。

 私たちの誰もが予想すらしなかった激震と巨大津波は、東北から関東にかけて多くの町を壊滅させた。家を押し流し、人々を一気に呑み込んだ。福島第一原子力発電所の最前線で奮闘しておられる人々の中には、ご家族がそのような被災を受けた方々も居られるに違いない。 それにも拘わらず、多くの人々のため、我が国の原子力の為に獅子奮迅の働きを続ける皆さんの胸中を察し、苦衷を憶えば、言葉を失うばかりだ。



 3・11の激震発生以来、陣頭指揮に当って来られた東電・清水社長は、遂に体調を崩して入院されたという。最前線の社員や協力会社、急きょ動員された消防署員や自衛隊員の身を案じ、広域退避させられた発電所周辺の住民の皆様に思いを馳せつつ、如何に発電所の緊急事態を収束させるかに頭を振り絞ったに違いない。管内の電力需要を満たせない現状への対応に追われ、国の統括本部との連携に翻弄され、国内外の厳しい視線に晒され続けた三週間であった。死ぬる思いの日々であったろう。
お察しするに余りある。

 昨日は東電・勝俣会長が記者会見で深々と頭を下げ、陳謝された。記者会見で今後を問われた東電・会長は、1号機から4号機の何れも廃炉にせざるを得ないとの見解を淡々と示された。が、腹の内は悔しさで一杯であったろう。我が国の原子力発電の黎明期から、40年に亘って電源供給の基幹施設として ガンバッテ来た、我が子同然の福島第一原子力発電所が、あろうことか巨大津波に手足をモガレて、 
全電源喪失・冷却水喪失・水素爆発・核燃料損傷・放射性物質放出という汚名を着せられて、「廃炉」にせざるを得ぬ事態は、会長にとってどれほど辛いものであったか想像に難くない。

 しかしながら現実に目をやれば、胸の内の苦しみはさて置き、まず当面は「冷温停止」と「放射性物質の放出防止」への全力投球が緊急の課題だ。国を挙げ、科学技術の叡智を結集しての対応が求められている。

 地震と津波対策を柱とした原子力安全指針の見直しでは、専門家の検討は当然として、国民の皆様との開かれた意見交換が是非とも必要だ。安全指針の見直し結果に、国民の皆様が納得し、安心して貰うことが何よりも大切だ。恐れ戦いた激震と巨大津波に加え、国民は放射能の不安をも抱えた生活を送っている。今回の大災害を契機に、原子力の関係者と国民が、忌憚なき開かれた意見交換が出切ればと願うものである。私たちの日常生活を支える電源を、如何に安定的に供給するか。エネルギー資源のない我が国では、極めて大切な課題だが、残念ながらこれまで国を挙げて議論することがなかった。
「災いを転じて福となす」の諺に倣い、今こそ開かれた意見交換を展開したいものだ。

 ご近所の白木蓮が、大きな白い花を咲かせたが、東北関東大震災の犠牲者を悼み、被災者を慰めるかのように、花びらを風に揺らしていた。



          急く事態に駆られる思いを押し留め

          身の安全に努めてま欲しき


          ご家族は津波で無事か原発の

          最前線に闘う人びと


          それぞれの立場を思えばその苦衷の

          余りの重きに言葉もなかりき


          しろたえの木蓮の花ふるえるは

          被災者を悼み 慰めをおくるや






「歯ぎしりの日々」

2011-03-28 23:26:10 | 和歌

 3・11の東北関東大震災以来、「歯ぎしりの日々」が続いている。

 岩手県・宮城県・福島県にまたがる極めて広範囲の地域では、激甚地震もさることながら巨大津波のもたらした壊滅的な被災は、目を覆うばかりだ。町が丸ごと飲み込まれた地域では、行方不明の皆さんの正確な数すら未だ定かでない。

 津波の威力は、地震による建築物倒壊の比ではないことをまざまざと見せつけられた。

 万全の備えを怠らなかった福島第二原子力発電所も、この巨大津波の威力には勝てなかった。

 なだらかな海岸線が続く福島県の浜通りでは、入り江による津波の増幅効果などはあり得ないが、それでも津波の潮位は14メートルにも達したという。 この地域での歴史的な巨大津波は、1960年のチリ地震で3メートル強、1965年の台風28号で8メートル弱であった。 これの7割以上も上回る巨大な津波の来襲を、誰一人予測しえなかったのが現実だ。

 その結果、福島第二原子力発電所は全電源喪失という前代未聞の事故に遭遇し、原子炉のみならず使用済み燃料プールですら冷却水を失い、残留熱による蒸発で核燃料が露出する過酷事故を招き、核燃料の一部は高温により損傷したと思われる。破損燃料から漏れ出した放射性物質で汚染された水が、流出経路は特定できていないが、タービン建屋の地下室に溜まって、復旧作業を著しく阻害しているとの報道だ。

 安全で信頼性の高い原子力発電所の設計・建設と技術確立に、生涯を捧げて来た虚庵居士にとっては、
                            歯ぎしりが止まらない悔しい事態だ。

 毎日取り交わす数百通のメール交換で、昼夜のけじめもつかない日々であるが、
この間にパソコンが二台も作動不良になった。

 外も内も将に緊急事態であるが、この難関を乗り越えねば、多くの皆さんの人生は津波に踏みにじられることになる。 

 負けてなるものか!! 手を携え、共に立ち上がろう!!



          かんばせを伏せて咲くかな息をのむ

          津波の惨禍に思いをいたして


          悔しくも歯ぎしり止まらぬ事態かな

          福島原発事故の知らせは


          数あまた飛び交うメールに託せるは

          とく収まれと願う思いぞ






「大震災をのり越えて 共に立ち上がろう」

2011-03-23 16:41:52 | 和歌

 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震はマグニチュード9.0、我が国観測史上、最大規模の激震でした。加えて巨大津波が沿岸の市町村を襲い、壊滅的な被害をもたらしました。
多くの行方不明の方々を、未だ懸命に探索中です。

 被災者の皆様には心からのお見舞いを申し上げ、
 不幸にしてお亡くなりになった方々のご冥福を、衷心よりお祈り申し上げます。

 福島第一原子力発電所は地震直後に、核反応は直ちに自動停止したものの、地震と巨大津波の被災により全電源喪失を招き、炉心および使用済燃料プールの冷却機能を失い、一部の核燃料が損傷した可能性もあります。発電所周辺住民の皆様には、原子力災害特別措置法に基づき広域退避が指示されました。震源地に近い女川原子力発電所は、地元の津波災害の歴史的な記録を活かして、整地レベルを高く設定していたのが、今回の難を逃れ得た理由かとも思われます。想像を絶する多重の過酷な事故は、世界の原子力発電所の耐震設計と津波対策、危機管理を含む総合的な安全性に関して、根源的な見直し検討を求めることとなりました。

 人類の長い歴史の中で、火の文明から化石エネルギー文明へと進化し、更には原子力エネルギー文明へのパラダイムシフトが進みつつある中で、この大事故は、グローバルなエネルギー確保の在り方、原子力平和利用の在り方にも、改めて強く再考を促しました。

 図らずも我々は「原子力」をとことん語るために、「学生とシニアの往復書簡」を重ね、現時点までの成果をまとめて出版の準備中ですが、一日も早く世に問いたいと念じています。
その中に提示する課題と共に、今回の大事故が求める反省は、次世代を担う学生と若い原子力技術者に、そして又シニアにも「元気を出して再挑戦せよ」と呼びかけているように思われます。

 計画停電の不便さが身に沁み、そして夏場の電力需要の逼迫が予測される今こそ、市民の皆様も手を携えて共に立ち上がり、改めて、原子力の安全性を如何に高め、原子力発電を有効に生かしてエネルギー確保を如何に安定化するか、共に考えて頂きたいと願っております。
                                  
                とことん語れ「原子力」 -学生とシニアの往復書簡- 
                          編集チーム幹事 小川 博巳


 

「東日本大震災と巨大津波」

2011-03-22 00:56:20 | 和歌

 激震であった! 巨大な津波の来襲であった!

 地震発生時に、虚庵夫妻は葉山の屋外にいたが、異常に長周期の大きな揺れに、虚庵居士は立っていることがやっとであった。
「自分自身の神経系が異常を来した現象か」 と錯覚した。
「この世との、お別れの瞬間を迎えたか?」 とも思われた。
揺れは、かなり長時間に亘って続いた。余震が繰り返し発生するうちに、防災放送のスピーカーが「大津波警報」の発令を告げ、
巨大地震と大津波の発生を知った。己の「この世との別れ」でないことを悟り、ホットしたものの、不吉な思いが頭を過った。
 
 屋外に居たので、震源地も地震規模も不明のまま帰路についた。道路は渋滞して、車の流れは殆どない異常な状態であったが、停電による信号機の表示が消えたためと判明したのは、市街地に至ってからだった。カーラジオのスイッチを入れて驚いた。
地震の規模はマグニチュード8.4がM8.8に訂正され、観測史上例のない最大規模の地震だいう。(最終的にはM9.0に訂正)

 あれからすでに10日間をへて、犠牲者と行方不明の人々の総数は、二万人を遥かに超えて、その実数ですら定かでない現実に、慄然とするばかりだ。福島第一原子力発電所の大事故は、余りにも多くの過酷事故が重畳した結果、地震発生後の二日ほどの情報と、それによる判断を、その後の事故進展は大きく覆した。

 


 事故の進展と、その惨憺たる実情はテレビや新聞が報道するところだ。この間、虚庵居士はテレビニュースに翻弄されれ、殆どの時間をパソコンに齧りつき、あふれるメールの殺到に翻弄され続けた。
新聞やインターネットに必要情報を漁り続け、週刊誌記者などの電話インタビューには、可能な限り平明な解説に努めて、彼・彼女等の正しい理解を支援し、偏りのない報道を願う毎日であった。

 疲れた体をほぐし、息抜きをするべく庭に降り立ったら、いつの間にかムスカリの房花が咲いていた。
それぞれの風情は犠牲者を悼むが如く、総ての筒花が俯き、黙祷を捧げているかの様に見えた。


              襲い来る 激しき津波に 流されて

              コッパ微塵の 家見る人々


              余りにも変わり果てたる街並みの

              被災の姿に息をのむかな


              街を呑み住みびともろとも押し流す

              津波は神の怒りならむや


              過酷事故のあまた重なる原発の

              悲惨な姿に目を覆うかも


              ムスカリはこうべを垂れて悲しむや

              犠牲の人々に黙祷捧げて






「NYの孫の応援デス」

2011-03-18 04:52:21 | 和歌

  「東北関東大震災」の被災は、如何なる言葉も、表現をも超える悲惨なものであった。未だその全貌すら詳らかでないが、被災された多くの皆様の苦難を汲んで、支援の手が差し伸べられ、温かな心が寄せられつつあります。

 小学2年生の孫の、応援をぶりを紹介します。
孫は3月13日の日曜日、凍てつくBroadwayの路上で、新聞の切抜きと手描きの絵を添えた看板を立てて、道行く人々に呼び掛けました。 娘婿が写して送ってくれた孫息子のけな気な姿に、感涙がとまらぬ「じじ馬鹿」でした。娘夫妻の許しを得ていないので、孫の姿は半分でご勘弁を願いたい。

 孫はたどたどしい筆致で、人々に訴えた;

" HELP THE SUFFERING PEOPLE
IN JAPAN PLEASE DONATE "


 早速、孫に「おてがみ」を書いた; 
じじとばばは、君の ”HELP"に かんげき!
なみだが出ました。
「地しん」と「つ波」で、お家がつぶれ ながされて、
たくさんの 皆さんが、まだ行方ふめいです。
くるしむ人々のために、 HELPをよびかけてくれて、君は、じじとばばの 「ほこり」デス! 
” アリガトウ!! ”


              幼くも苦しむ人々思いやり

              HELPを呼びかく孫を誇りぬ


              海越えて苦しむ人々救わむと

              寒さに耐える孫息子かな


              いまだなお小学二年の孫なるに

              苦を分かちあう 心ぞうれしき 






「激甚地震を被災した福島原子力発電所」

2011-03-15 00:09:33 | 和歌

3/13午後、Japan Timesの記者から、電話インタビューを受けました。
ご参考までにQ&A対応を以下の通りご説明します。(現時点までの進展と当時の状況は、およそかけ離れたものとなったが、敢えて手を加えずに当時の応答をそのまま収録しておく。)

原子力OBの立場で、情報源はTV・新聞・インターネットなどに限られ、当事者からの生の情報などは無いことを前提に、お応えすると断わっての対応でした;

Q1. 事故報道をどの様に受け止めているか? 深刻の程度は?
A: ●東電さんと国は大変冷静に対応して、厳しい地震による事故対応を適確に
   処理しておられるので、基本的には安心している。
  ●原子炉の核反応は制御棒が直ちに挿入され、スクラムが成功したので、
   核反応は停止した。
  ●その後の炉心の残余の熱(崩壊熱)の冷却は、非常用ディーゼル発電機が
   地震・津波被害により作動せず、このため緊急時冷却系が残念ながら
   使えなかった様だ。
  ●しかしなが、原子炉の蒸気は原子炉格納容器・圧力抑制プールに逃し、
   原子炉格納容器の内圧が上昇したので、内部の空気の一部を排気塔から
   排出し原子炉圧力容器と原子炉格納容器の健全性は維持された。
  ●更に最終的には、1号機では原子炉へ海水を注入して、炉心を冷却した。
  ●原子炉建屋の外壁の一部が破損し、建屋内の微量の放射能物質の一部が
   外へ排出された可能性があるが、原子炉内の核燃料や核分裂生成物は、
   健全性が維持された原子炉圧力容器と原子炉格納容器内に閉じ込められて
   いるので、安心してよい。
   チェルノブイル事故とは、ここが本質的に違うので、正しく理解して欲しい。
  ●極一部の放射性物質は外部に放出されたが、原子力発電所の事故時に最も
   大切な「止める」「冷やす」「閉じこめる」機能は、この様にして
   達成されたので、是非とも冷静に正しく報道願いたい。

Q2. これからの対応では、何が大切か?
A : ●国民の皆様に適確な情報発信をタイムリーに伝え、正しいご理解を頂くこと、
   いたずらに恐怖感を煽ることなどのないような、メディアの皆様のご協力を
   切に望みたい。
   原子力シニアに確認して記事をお書きになる、JapanTimes さんの姿勢は、
   大変にご立派です。
   中越沖地震では燃料プール水が漏れ出したが、9万ベクレルもの放射能が
   漏れたとの報道だった。一般市民は9万ベクレルとの数字に恐怖感を抱く
   ばかりだった。一人当たりが有する自然放射能は7000ベクレルゆえ、13人が
   海水浴するのと何ら変わらない。
   市民の皆様が正しくご理解頂けるような、情報伝達が大切なので、是非とも
   ご協力願いたい。
  ●非常用ディーゼル発電機・緊急時冷却系の設計は世界共通であるが、
   激甚地震と津波の影響とはいえ、作動出来なかった点については、今後の
   技術検討の課題だ。

Q3. 今後の放射性物質の拡散の可能性は?
A: ●1号機の原子炉建屋外壁が破損し、原子炉格納容器内空気のベントなどに
   より、微量の放射性物質が放出されたが、「止める」「冷やす」「閉じ
   こめる」機能が達成されているので、更なる拡散の可能性は適確に防止出来た
   と理解している。

Q4. 被ばくについてはどの様に受け止めているか? 人体への影響は?
  ●一部の方の被ばくが報道されているが、数値的にみて人体への影響は問題
   ないと判断される。一般に200ミリシーベルト以下の一時被ばくであれば、
   医学的な影響はないと評価されている。
  ●被曝された方は、衣服の除染やシャワーを浴びるなど、適切な管理がなされて
   いると理解している。また管理も行き届いている様なので、汚染を拡大する
   などの心配は無かろう。
  ●東電さんと国は、適切に放出管理をしており、退避管理も余裕をもった対処で
   安心だ。
  
Q5. 最悪のケースを想定すれば、どの程度の範囲まで影響が拡がる
   可能性があるか?

  ●今回の事態は、通常の原子力事故を超えて、過酷事故(severe accident)と
   云われる殆ど最悪の事態でしたが、適切な対処で殆ど心配のない状態が確保
   出来たと理解している。
  ●繰り返しになるが、「止める」「冷やす」「閉じこめる」機能が達成されて
   いるので、これ以上の事故の拡大は防止出来たと理解している。
  ●退避管理も念のため大事を取って20Kmの範囲が設定されたが、実質的な
   影響はごく限られた範囲になるものと推定している。




本日3/14、The Japan Times on line を確認しましたところ、上記電話インタビューを基に、Top 記事で下記の記名記事が掲載されていました。冷静かつ正確に報じていて、胸を撫で下ろした次第です。


   ・・・・・ 以下 The Japan Times on line 引用 ・・・・・


Monday, March 14, 2011     
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20110314a4.html

  ANALYSIS  ”No signs yet of a Chernobyl-type catastrophe ”                            
         By JUN HONGO and KAZUAKI NAGATA Staff writers

While the outcome of the crisis at a nuclear power plant in Fukushima
Prefecture remains uncertain, experts Sunday were quick to stress
there are no signs of a critical meltdown、let alone a catastrophe
comparable to the 1986 Chernobyl disaster.

"I think the worst scenario has been avoided," said Hiromi Ogawa,
a former engineer at Toshiba Corp. who managed its nuclear power
generation project.

Other pundits dismissed the notion of comparing the Fukushima crisis
to Chernobyl, noting that the two plants differ in basic construction,
including the setup of the reinforced containment vessel.

Ogawa said that the seawater poured into the Fukushima No. 1 reactor
had halted the nuclear reaction and that cooling was under way.

Ogawa added that the reactor's pressure vessel and container appear
to be sound, indicating its fuel has been confined.

"It is clearly different from the case of Chernobyl, in which a reactor
itself exploded and fissile substances spread outside," he said.

Chief Cabinet Secretary Yukio Edano also offered assurances, telling
a news conference Sunday that the government "has confirmed that
pumping of seawater is being processed as scheduled."

The nuclear rods are now completely covered with water and radiation
levels around the facility are not rising, the government's top
spokesman said, adding that the release of pressure through vents and
cooling the reactor with water will "allow us to manage the nuclear
reactor safely and under a stable condition."

According to the nuclear power safety agency, the accident at
the Fukushima plant has been assigned a status of level 4 on
the International Atomic Energy Agency scale. The IAEA defines level 4
as an incident including a minor release of radioactive material that
does not involve any significant risks beyond the facilities.
The Chernobyl accident in 1986 remains the only level 7 accident to
meet the IAEA scale.

The release of radioactive material there had widespread health and
environmental impacts that required extensive countermeasures.

The crisis at Three Mile Island in 1975, which saw a partial meltdown
and release of radioactive gas into the atmosphere, was rated as
a level 5 incident.

"I think the accident has been handled in a level-headed way,"
said Ogawa, the former Toshiba engineer.

While the Nuclear Power Safety Agency said as many as 160 Fukushima
Prefecture residents may have been exposed to radiation, the
government has repeated that the situation appears to be under
control.

Pundits say that although exposure to radioactivity may sound serious,
a radiation level of 1,015 microsieverts per hour ? the highest level
detected inside the power plant since the earthquake ? isn't as grave
as it sounds.

While it is equivalent to the allowable amount for an individual to
receive in one year, a regular X-ray used in hospitals exposes the
patient to about a one-third or one-quarter of that, said Tetsuo
Sawada, associate professor of reactor engineering at the Tokyo
Institute of Technology, during an appearance on a Fuji TV program.

According to the Nuclear and Industrial Safety Agency, evacuees can
reduce the risk of radiation exposure by wearing long-sleeve shirts
and masks, staying out of the rain, which is likely to contain high
amounts of radiation, and taking iodine if necessary. Those staying
near the site should shut all vents where they are sheltering, close
the windows and keep food and water covered.

Radiation Emergency Medicine Network Cancel, a group of experts who
treat those exposed to radiation, said it has dispatched 20 doctors
and nurses to back up local hospitals in Fukushima Prefecture in case
the number of such patients rises.

The group played a pivotal role during the fatal 1999 criticality at
the Tokai uranium-processing plant in Ibaraki Prefecture.
"We have experts from Hiroshima University joining us,"
a spokeswoman for the group said.

Yet, some of Tokyo Electric Power Co.'s measures indicate it is too
early to relax. For example, pumping seawater and boric acid into
a nuclear reactor is considered a last resort because it renders the
reactor useless.

Secretary General Yukiya Amano on Sunday released a video statement
praising Japan's measures but also said "there continues to be
concerns over Fukushima No. 1 plant."

Ogawa, the engineer, stressed that the media should not alarm the
public by reporting that the situation is dangerous, saying that
calm and accurate reports are needed since many people are sensitive
to the term radiation but are generally not familiar with the details.






「満開の河津桜」

2011-03-11 01:10:29 | 和歌

 如月の初旬に莟が膨らみ、中旬に一輪の花が咲いた歓喜を、「うつろ庵の河津桜」でご紹介してから、ほぼ一ヶ月が経過した。

 染井吉野は春爛漫を告げるに相応しい「さくら」だが、あっという間の花時だ。それに引き換え「河津桜」は、早春の「さくら」ゆえだろうか、初めての一輪から散り敷くまでの間に、様々なドラマを提供して呉れる。

 会社を退任して久しくなるが、資源エネルギー庁の「原子力有識者」のご指名で、全国あちこちの講演にこき使われ、或は「学生とシニアの往復書簡」の出版編纂などにて、時間に追われる昨今であれば、ついつい夜更かしが過ぎて、朝寝坊をするこの頃だ。朝遅くになって庭掃除をしていると、「うつろ庵の河津桜」を見上げつつ、道行く方々が親しく話しかけて、ひと時の立話を愉しませて呉れる。
 「河津桜」は、小鳥達にとっても憩いと花蜜を提供する、掛け替えのない「早春のさくら」だ。開花した「さくら」は、気の毒にも次々と小鳥にツツカレて、花芯の初々しさはたちまち失われるが、「河津桜」は意にもかいさぬ風情だ。持ちつ持たれつの心を弁えているのであろうか、我々人間共も大いに見習わねばなるまい。

 満開の「さくら」がまだ散る前から、「河津桜」は緑の若葉を芽吹いて、生きる術の準備万端を整える優れものだ。「備える」心が全くと言っていいほど備わっていない虚庵居士は、このような若葉の芽吹きには、ハッとさせられるこの頃だ。



              目敏くも小鳥は飛び来ぬ花咲けば

              如月の末の河津桜に


              桜花の咲く間ももどかし目白には

              誉れならむや黄金の花粉は


              天を衝く河津桜の花々に

              目白のキッスは歓喜の嵐か


              満開の桜の花の散る前に

              緑の芽吹きのドラマを見しかな


              備えるは河津桜の生き方か

              花散る前の若葉の芽吹きは






「満開の蘇芳梅」

2011-03-08 02:17:39 | 和歌

 お隣の 「白梅の緑萼」を前回はご紹介したが、「うつろ庵の蘇芳梅」が満開に咲いた姿は、まだご紹介してなかった。駅や幹線道路からさほど離れてはいないが、比較的に静かな住宅地の中の四つ辻、東南の角地に蘇芳梅は根をおろしているので、何れの方角からもこの梅は目立つことになる。珊瑚樹の芽欠きをしていたら、道行く人々から声を掛けられて、紅梅の名前を訊ねられた。


 


 「和色の蘇芳色」をご存じの方は殆ど居られないので、言葉で色を説明するのは至難の業だが、「蘇芳色」の紅梅が目の前にあり、筋向いのお宅の玄関先には淡い色の紅梅が見えているので、説明は簡単だ。紅梅の色の違いを観て、皆さんはいとも簡単に納得して下さる。

 梅の花の蘇芳色は納得しても、古木にも拘わらず天を衝くような枝ぶりに驚いて、何故かと問う方も中には居られる。 確かに梅の木は、小枝が複雑に入り組んだ姿が一般的だが、「うつろ庵の蘇芳梅」の ような「怒髪天を衝く」が如き枝ぶりは、余り目にしないかもしれない。

 「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」との諺がある。桜は伸びるに任せて枝を切るな、梅の枝はせっせと剪定せよとの訓えだ。虚庵居士は「馬鹿の一つ覚え」で、毎年新しく伸びた枝を、殆ど丸坊主に切り詰める。実を付けぬ梅ゆえ、ただ枝ぶりを整えるだけだが、毎年新しい枝がこの様に元気一杯に伸びて、根元から梢の先まで花を付けて愉しませて呉れる。 今年も花時が終われば、真直ぐに伸びた枝を剪定するのは難儀な作業ではあるが、格好の気晴らしにもなって、愉しませて貰っている。
 


              四つ辻の遥か向うゆ蘇芳梅を

              見つつ歩み来 歩を止め見上げぬ


              梅が枝の何故に斯くまで鋭くも

              天を衝くかと問ひたまふかな


              それぞれにツルギの如く枝伸ばし

              梢の先にも紅梅咲く観て


              諺の「桜切る馬鹿梅が枝を

              切らぬ馬鹿」とぞ応えて唱えぬ






「白梅の緑萼」

2011-03-06 08:40:50 | 和歌

  「うつろ庵」のお隣の白梅が咲いた。

 道路を挟んで、紅白の梅の花が咲く様は誠に優雅な景色だ。「うつろ庵の蘇芳梅」は、花も萼の色も蘇芳色ゆえに、将に「蘇芳梅」そのものだ。

 お隣の白梅は萼の色が薄緑色で、「緑萼」との名前の比較的数少ない種類だ。殆どの白梅は萼の色が臙脂色ゆえに、花は紅白が入り混じって見えるが、「緑萼」は薄緑色の 萼の色が邪魔にならないので、殆ど純粋の白梅に見えるところが優れものだ。


 


 この白梅の開花は、「蘇芳梅」より二週間程も遅れたであろうか。しかしながら、「蘇芳梅」はかなり長く伸びた枝の根元から咲き始めて、梢まで咲き昇るまでにはたっぷり日数がかかるので、緑萼の開花を待って、紅白の梅は住み人には当然のこと、道行く人々も存分に楽しんで頂いているようだ。


              先に咲く蘇芳の梅は道隔て

              緑萼咲くを待ちにけらしも


              紅白の梅はそれぞれひたすらに

              粋(すい)に咲くかも 蘇芳としろたえ


              それぞれに咲き競ふにはあらねども

              向うを想ふは隣なりせば 






「福寿草とやぶ椿」

2011-03-04 00:57:22 | 和歌

 「うつろ庵の福寿草」が咲いた。 

 土から頭を出したばかりの福寿草の変化を、虚庵夫人は毎朝楽しみに観察していたが、
「咲いたわよ!」 と歓喜の声をあげたのは、十日ほど前だった。二人で屈み込み、顔を寄せ合って暫らく見入った。やぶ椿の木漏れ日がスポットライトのように、福寿草の花を浮き立たせて、やぶ椿と福寿草の絶妙なコラボレーションに感嘆したものだった。


 


 今年の冬は、殊のほか凍てつく日が続いたが、ひな祭りの季節ともなると、福寿草は日増しに背丈を伸ばし、小さな葉も少しずつ開いて、花数もたちまち増えた。日をおかず背丈ものび、小さな葉を大きく広げることだろう。隣には「ほととぎす」も新芽を出して、狭い「うつろ庵」の庭も少しずつ活気付いてきた。





 福寿草が足元に咲くやぶ椿は、殊のほか花付がよいので、ツグミや目白などの小鳥が椿の花蜜を求めて、賑やかだ。目白などは椿の花びらにとまって蜜を吸うので、椿の花びらには足跡が残って気の毒にも
キズだらけだ。時には椿の花を落として飛び立つが、そんな椿の花が福寿草の隣に落ちると、「うつろ庵」の庭はたちまち彩りが豊かになって、虚庵夫妻を愉しませてくれるこの頃だ。



              未だ固き莟の数をかぞえては

              今朝は幾つと告げる妹(いも)かな


              いと寒き庵の庭に我妹子(わぎもこ)と

              笑みつつ見入りぬ福寿草咲けば
 
                            
              わが庵(いお)に飛び来る目白は数寄者か

              福寿草にぞ落花を添えるは






「雪柳の芽生え」

2011-03-02 20:10:15 | 和歌

 気が付けば、「うつろ庵の雪柳」が芽吹いていた。
撓み、絡みあっている雪柳のか細い枝は、「もじゃもじゃっ」とした風情にしか見えなかったが、朝日を浴びる小枝をよく見れば、節々にはごく小さな新緑が芽吹いていて、感激であった。


 

 
 「うつろ庵の雪柳」は蘇芳梅の足元を包むような感じで育っているが、やがて緑の小葉が全体を包み、こんもりとした柔かな雰囲気を醸し出すのもそう遠くあるまい。
さらに暫らくすれば、枝々に白い小花をびっしりとつけて、あたかも小枝に雪が積もって居るかの様な風情となる。そんな姿が好きで、この雪柳とは何十年来の付き合いになるのだろうか。

 これまでの花後の剪定では、徒長した小枝を思い切って切り詰め、丸坊主の剪定を繰り返してきた。しかしながら雪柳の趣は、白い小花がびっしりと咲き誇り、花の重さで徒長した枝が撓み、雪を頂いた姿に見えるところだ。
そこに気付いた虚庵居士は、雪柳の剪定法をガラリと変更した。聊か伸び過ぎたかと思われる小枝が道路にも腕を延して、道行く人のご迷惑にならねばよいがと気遣いしつつも、今年の開花が楽しみだ。


              もじゃもじゃの雪柳かと思いきに

              さ枝に緑の芽吹く今日かも


              蘇芳梅を見上げて道行く人々も 

              気付かぬ気配ぞ さ枝の芽吹きを


              いと細きさ枝は小葉を芽吹くかな

              未だ凍える如月の末に