「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「ピラカンサ」

2006-10-26 22:23:22 | 和歌

  秋が深まってきたら、「ピラカンサ」の実が、見事に色付いた。





 深紅の実を付ける代表選手は、「七竃・ななかまど」とこの「ピラカンサ」だ。実の大きさも姿・形もよくにているが、ピラカンサの方が実が密集して付くようだ。虚庵居士の好みとしては、伸びやかな枝振りの「七竃」に軍配を上げたい気分だ・・・。

 嘗て「うつろ庵」の庭にも、ピラカンサやブーゲンビリアが植えてあったが、娘のいる家では「縁遠くなる」との言い伝えがあると聞き、そそくさと取り除いた。赤い実が宜しくないのではなくて、棘のある木が良くないと言うようだ。言い伝えもさることながら、確かに嫁入り前の娘が、万が一にも顔や肌に傷つけたら可愛そうだ。言い伝えとはいえ、娘を大切にする思いには、説得力があった。

 二株を取り除いた効果か否かは分からぬが、娘は間もなくジェフリー君と結婚した。
だが、ニューヨークへ行ってしまったのは、効果がありすぎたのかも知れない。   





             紺碧のそら高くしてピラカンサの
 
             実は紅に色付きにけり



             赤き実を啄み呼ぶらしヒヨドリの
 
             響く啼き声 ピラカンサ揺らして



             紅に燃ゆるは誰を想ふらむ 

             みを焦がしてふピラカンサかな