「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「花衝羽根空木・ハナツクバネウツギ」

2006-07-21 02:58:23 | 和歌

 五月頃に咲き始め、木枯らしが吹き始める頃まで、ずっと咲き続けているアベリアだ。

 花図鑑を調べたら、随分難しい名前の持ち主でもあることを知って、驚いた。
「花衝羽根空木」、ルビがなければ余程の博識でなければ読めそうもない。しかも漢字で六文字とは恐れ入った。

 枝が込み入って、背の低い生垣にはうってつけなので、あちこちで見かける。至極身近な存在ゆえに、しかも何時でも咲いている故に、殆ど注目されないが、仄かな甘い香りがして、どこか親しみの持てる人懐っこい花である。

 人間社会にもその様な存在の人が居る。私が、僕が主役ですと主張することなどせずに、特に目立つわけではないが、気が付けばそれなりの役割をキチンと果たしてくれる人、言ってみればその様な花かもしれない。






             そばに居てその存在も気に留めぬ
   
             親しき友かなアベリアの花   



             改めて写真に撮らむ写さむと
   
             近くによれば香りなつかし   



             アベリアに近寄りゆけば恥じらふや
   
             うす紅にほほを染めるは