「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「野萓草・のかんぞう」

2006-07-18 01:22:05 | 和歌

 昼の講演を終えて、帰宅する電車の中から何気なく見ていたら、「野萓草」の花が目に飛び込んで来た。

 自宅に急ぎ足で取って返して、カメラを携えて先程見た辺りを彷徨ったら、程なくして「野萓草」の群れ咲く電車道の土手に辿り着いた。自然の環境が廃れ行く中で、人工の土手に生き残りを掛けた「野萓草」の知恵に、拍手を送りたい。 





 駅務員の許しを得て、土手に取り付いてみて驚いた。電車道の土手がこんなにも急傾斜だ
とは、ついぞ知らなかった。油断すればずり落ちたり「こけそう」なのを何とかへばり付いて、
ヤットの思いでカメラに収めた。

 郷里の信州・霧が峰高原には、いま頃は「日光キスゲ」が一面に咲き誇っているであろう。
色合いは野萓草より中黄色が勝って清純であるが、土手の野萓草も自然を謳歌していて、
爽やかであった。






             今頃は黄菅咲くらむ一面に
 
             故郷の山 霧が峰には 



             群がりて咲き競えるか野萓草は 

             逞しきかな 電車道にも 



             撮り終えてふと気がつけば黄色なる
 
             名残の花粉の身に付きしかも