「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「珊瑚花」

2006-07-19 11:11:35 | 和歌

 今年もまた、昨年と同じお宅の珊瑚花に出合った。

 昨年始めてこの花に出合った時には、庭先にこのお宅の「お婆ちゃま」が居て、花の名前を教えて下さった。
「挿し木で良く根付きますの。よろしかったら一枝お持ちになりますか?」
と控えめに仰って下さった。
ズボラな虚庵居士では、挿し木の後の水遣りなど、きめ細かな面倒見には自信がなかったので、丁重にご辞退したことを思い出した。

 今年の珊瑚花は、かなりの大きさに成長して葉を茂らせていた。既に咲き終えた花序も見られたが、これから咲き始めるものもあって、かなりの期間にわたって咲き続けるようだ。

 筒状の花の幾つかは気の毒にも虫に食べられていたが、そんなことはごく当たり前のことと、意にも介さない風情で咲いていた。






             筒花の先を僅かに曲げて咲く
   
             珊瑚の花に今年も出会いぬ   



             虫食いの花うらがなしくも見てとるに 
  
             意にも介さぬ風情ぞ逞し   



             虫食うは虫の営み珊瑚花は
   
             ごく当たり前よと 済ましたるかな