「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「柳花笠」

2006-07-07 00:39:17 | 和歌

 首の長い「かわゆい」花が、両手を広げて咲いていた。

 「私を写して! 写真を撮ってくれないと、この路、通さないわよ!」
てな、オキャンな可愛い声が聞こえる気がする。花の名前は知る由も無いが、帰宅して調べたら「柳花笠」、別名を「サンジャクバーベナ」とも言うらしい。






             手を広げ立ふさがるかオキャンにも
 
             姿かわゆい 柳花笠  



 やけに首の長い花で、姿を写せば花は小さくなり、花を写せば首の長い姿を捉えられない、素人カメラマンには始末の悪い花だ。虚庵居士を翻弄しつつも、茶目っ気タップリで魅力に溢れた花だ。

 赤い襷の踊り手が手に持つ「花笠」のイメージと、花笠音頭のテンポのいい所作も連想される。首の長さが「三尺?」は大げさだが、背丈はヒョロッとして三尺程にもなるであろう。

 可愛い花に出会えた日は、心が浮き立って、早めに晩酌が始まる虚庵居士であった。






             背の高き三姉妹かも寄り添ふて
 
             咲き競ふかも三尺バーベナ 



             佳き日かな爺の散歩を待ち受けて
 
             風に首振る 柳はながさ