「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「紺桔梗」

2006-07-17 12:10:16 | 和歌

 夏の陽ざしを桔梗は背に浴びて、鮮やかな「紺桔梗」色を見せていた。

 ブログに掲載する花を撮影するようになって、最近やっと気付いたが、花の色合いや表情が、光線によってこれ程までに変るとは知らなかった。理屈としては理解していたが、実感してみて驚きであった。この桔梗の花は、逆光で花びらが透けて、「紺桔梗」の色合いが陽光によって鮮やかに発色していた。

 プロの写真家は、朝日と夕日とを使い分けて撮影すると、どこかで聞いたことがある。
たった一枚の写真を撮るのに、朝から晩まで同じ場所で頑張る訳ではなかろうが、撮影の時刻を計算にいれるとは、流石にプロの拘りだと、感服したものだ。

 この桔梗を朝日の元で見たら、どんな「紺桔梗」の色を見せてくれるのだろうか。わざわざ早朝に起きて、或いは夕暮れに会いに行くほど、虚庵居士は入れ込んでいないが、そのようにしたら、花の本当の美しさに出会えるかもしれない。






             照りつける陽ざしを背に受け「きつこう」は
   
             色鮮やかに花びら透かしぬ    



             冷静な桔梗の花と思ひしが
   
             花びら透けて息吹きを聞くかも   



             何気なく花を見やりて過ぎしかな
   
             花のまことのあはれを知らずに