「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「トランペットクリーパー」

2006-07-27 21:32:15 | 和歌

 近くのお宅の塀を乗り越えて、うす桃色の花が咲いていた。





 花の大きさは三センチ程度であろうか、蔓の下には既に沢山の花が散り敷いて、かなり前から咲き続けていることを物語っている。

 見慣れない花ゆえ、花図鑑で調べたら「トランペットクリーパー」と知れた。凌霄花のお仲間らしい。凌霄花は色がかなり強いので、「真夏の花」とのイメージがあるが、この花の色は淡いピンクゆえ、同じ凌霄花の仲間でも涼しげな花だ。

 散り敷いた花を敢えて掃かずに、道行く人々に風情を楽しんで貰おうとの気配りであろうか。それにしては、踏みしだかれ枯れた数も多いので、この家の主は「道路は我が家の庭に非ず」と心得ているのかもしれない。毎日とは言わないが、せめて時には汚れを取り除けば、散り敷いた花にもどんなにか風情があろうに・・・。






             塀越しに蔓花伸びて咲けるかも
   
             桃色うすく乙女の風情で
   


             散り敷ける花の風情を君しるや
   
             あはれなるかも踏みしだかれて
   


             ああせめて花を愛ずるは咲き誇る
   
             のちの姿も見まくほしけれ