「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「糊空木・のりうつぎ」

2006-07-29 16:58:05 | 和歌

 日頃からエネルギー会でお世話になっている、H氏の蓼科山荘を訪ねた。

 山荘の敷地には、「透かし百合」や「紫露草」、名の知らぬ草花が鹿よけネットに守られて咲いていた。珍しい紫陽花が咲いていたので、囲碁の始まる前の僅かな時間に、カメラに収めた。伺えば紫陽花の仲間で「糊空木・のりうつぎ」だという。
花の名前に「糊とはケッタイ」だが、帰宅して調べたら、和紙を漉く際に、重ねた紙が付着しないように、この空木の内皮から滲出する液体を糊として利用したと言う。髪濯ぎにも使ったというから、謂わばリンス代わりに使ったものであろう。

 今回の蓼科行のメインは懇親ゴルフだったが、その前に半日を囲碁に当て、更にディナーパーティーも楽しもうという、大変欲張った設定であった。囲碁は、高段者相手の苦しい戦いであったが、何とか二勝一敗と勝越した。

 パーティーでは話が弾み、酒量も聊か過ぎたうえに、パーティー後の第四局がまずかった。激戦の苦しさについついワインに手が伸びて、中押し勝を収めた時には酔眼朦朧であった。
翌日は二日酔い必定、ゴルフどころではあるまいに・・・。






             背の高き木立の庭は木漏れ日も
  
             いと細くして糊空木咲く  



             けな気にも木漏れ日求めて咲く花に 
 
             虫等も己の命を託すか  



             いにしえの乙女は髪の長ければ 
 
             空木の糊に濯ぐ朝かな